新『RS』ドライバーは、どう変わったのか?
高額なゴルフクラブ、購入ミスだけは避けたいもの。だからこそ、今まさに買おうとしているそこのアナタ、ちょっと待って! ALBA.netギア担当が知り得た特ネタを中心に、超マニアックでDEEPな耳寄り情報をお届け。購入する前にちょっと見て、絶対に損はさせません!
配信日時:2017年5月25日 01時42分
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R&Aに目を付けられても、ブレずにギリギリを狙う
さて、プロギアの新しい『RS』『RS-F』である。
⇒“ギリギリ”エリアが広くなったPRGR新『RS』誕生!
何度も既報のとおり、昨年末に先代『RS-F』がR&Aの抜き取り調査によるCT値オーバーでルール不適合認定をされている。ここからは筆者の勝手な想像になるが、先代『RS』に何が起きていたのか、まず振り返っておきたい。
ご存知のとおり、先代『RS』、『RS-F』シリーズはSLEルールのCT値“ギリギリ”をアピールしたモデル。クラウンがナナメになったWクラウン構造にすると、反発係数やCT値が著しくオーバーしてしまうところを、フェースの肉厚を業界最厚レベルにすることで無理やり適合内に落としていた。
しかし、一昨年に大手メーカーでありながら、『金エッグ』という高反発ドライバーを発売。この掟破りの行為にR&Aから目を付けられていたのだと思う。その後発売した“ギリギリ”を謳った先代『RS』『RS-F』は当然、厳しいチェックにさらされたに違いない。もしくは、同業他社からの密告があったのかもしれない。何しろ“ギリギリ”のキャッチコピーはゴルファーマインドをくすぐり、『RS』も『RS-F』も売上絶好調だったから。
事実、契約フリーの池田勇太は“ギリギリ”の先代『RS-F』を愛用して賞金王になった。感性が鋭く、毎回打点をミリ単位でコントロールできる“敏感お化け”な池田勇太なら、この微妙なCT値の違いを如実に体感したに違いない。CT値の上限257μと一般レベルの239μというのは、誤差範囲にも感じるが、分かる人にはえらい差を感じてしまうものなのだろう。
先代『RS-F』が違反になった経緯の真偽はさておき、PRGRが本当にギリギリを狙っていたことが、これで図らずも明らかになった。問題は新しい『RS』『RS-F』がどう変わっているのか? ということだ。終わったことは仕方がないのだから。
⇒“ギリギリ”エリアが広くなったPRGR新『RS』誕生!
何度も既報のとおり、昨年末に先代『RS-F』がR&Aの抜き取り調査によるCT値オーバーでルール不適合認定をされている。ここからは筆者の勝手な想像になるが、先代『RS』に何が起きていたのか、まず振り返っておきたい。
ご存知のとおり、先代『RS』、『RS-F』シリーズはSLEルールのCT値“ギリギリ”をアピールしたモデル。クラウンがナナメになったWクラウン構造にすると、反発係数やCT値が著しくオーバーしてしまうところを、フェースの肉厚を業界最厚レベルにすることで無理やり適合内に落としていた。
しかし、一昨年に大手メーカーでありながら、『金エッグ』という高反発ドライバーを発売。この掟破りの行為にR&Aから目を付けられていたのだと思う。その後発売した“ギリギリ”を謳った先代『RS』『RS-F』は当然、厳しいチェックにさらされたに違いない。もしくは、同業他社からの密告があったのかもしれない。何しろ“ギリギリ”のキャッチコピーはゴルファーマインドをくすぐり、『RS』も『RS-F』も売上絶好調だったから。
事実、契約フリーの池田勇太は“ギリギリ”の先代『RS-F』を愛用して賞金王になった。感性が鋭く、毎回打点をミリ単位でコントロールできる“敏感お化け”な池田勇太なら、この微妙なCT値の違いを如実に体感したに違いない。CT値の上限257μと一般レベルの239μというのは、誤差範囲にも感じるが、分かる人にはえらい差を感じてしまうものなのだろう。
先代『RS-F』が違反になった経緯の真偽はさておき、PRGRが本当にギリギリを狙っていたことが、これで図らずも明らかになった。問題は新しい『RS』『RS-F』がどう変わっているのか? ということだ。終わったことは仕方がないのだから。
高CTエリアが広くなっている!
新しい『RS』『RS-F』がどう変わったのか。端的に言えば、さらにギリギリを追求したことになる。同社は昨年末に『RS-F』が違反になってから、フェース面を5mm四方で細かくCT値を調べ直し、約200打点をくまなくCTを測り直したそう。なぜなら、R&Aが違反にした理由に「ある一部分でCT値を越える結果が認められた」とのことだったが、どの部分が越えているのかは明かさなかったからだ。
この調査で、インパクエリア(フェースセンターからボール直径分の範囲)内の境界線ラインギリギリ部分にCT値越えになりやすい部分が確かに認められたという。普通の大手メーカーの考えなら、この事実を前にすれば、絶対にCT値を越えないように、さらにフェース肉厚を分厚くして、返品・交換のリスクを避けるはずである。
ところが、PRGRは逆で、さらに攻めることにしたという。何という男気だろうか……。
もちろん、返品・交換のリスクを避けるために徹底した200打点のCT値調査を行い、絶対に越えないようにするのはメーカーとして当たり前。攻めたのは、ナナメクラウンでCTを超えやすくなるために敢えて業界で一番分厚くしていたフェース真ん中周辺の部分。これを0.5ミリも薄くしてギリギリに磨きをかけたのだ。
一般ゴルファーからすれば、「たった0.5ミリ? そんなものが何になる?」との感想が普通だと思う。だが、4.2ミリの肉厚が3.7ミリになるというのは、エンジニアからすればえらい違い。事実、CT値は先代『RS』よりもギリギリに引き上がっている。真ん中に分厚く肉を足して落としていたCT値が引き上がり、ギリギリCTの部分が広がっているのだ。
この調査で、インパクエリア(フェースセンターからボール直径分の範囲)内の境界線ラインギリギリ部分にCT値越えになりやすい部分が確かに認められたという。普通の大手メーカーの考えなら、この事実を前にすれば、絶対にCT値を越えないように、さらにフェース肉厚を分厚くして、返品・交換のリスクを避けるはずである。
ところが、PRGRは逆で、さらに攻めることにしたという。何という男気だろうか……。
もちろん、返品・交換のリスクを避けるために徹底した200打点のCT値調査を行い、絶対に越えないようにするのはメーカーとして当たり前。攻めたのは、ナナメクラウンでCTを超えやすくなるために敢えて業界で一番分厚くしていたフェース真ん中周辺の部分。これを0.5ミリも薄くしてギリギリに磨きをかけたのだ。
一般ゴルファーからすれば、「たった0.5ミリ? そんなものが何になる?」との感想が普通だと思う。だが、4.2ミリの肉厚が3.7ミリになるというのは、エンジニアからすればえらい違い。事実、CT値は先代『RS』よりもギリギリに引き上がっている。真ん中に分厚く肉を足して落としていたCT値が引き上がり、ギリギリCTの部分が広がっているのだ。