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    新ボール『TP5』登場!テーラーメイドが5層構造にこだわる理由

    テーラーメイドは2017年4月上旬に新ツアーボール『TP5シリーズ』を発売する。すでに世界ランクNo.1&No.2のダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ(※2017年3月12日現在)がツアー投入し、ダスティンは『ジェネシス・オープン』『WGC-メキシコ選手権』と2連勝を飾っている。契約プロの活躍から早速性能の高さに注目が集まっているが、テーラーメイド-アディダスゴルフカンパニー チーフ・テクニカル・オフィサーのDr.ブノア・ヴィンセント氏に同シリーズの強みを聞いた。

    配信日時:2017年3月22日 23時15分

    • ギア
    目次 / index
    • 2020年までにシェアを1.1%から9.6%に拡大する戦略を掲げているテーラーメイド。その立ち上がりの商材となる『TP5シリーズ』
    • テーラーメイドのツアーボールといえば、5層構造。最新モデルではドライバーは3〜4ヤード、ロングアイアンからミドルアイアンでは6〜7ヤードアップという結果が出ているという
    • バックスピンコントロールにより、最高到達点直前でのボールスピードの落ち幅を減らすことに成功したという
    • テーラーメイド-アディダスゴルフカンパニー チーフ・テクニカル・オフィサー、Dr.ブノア・ヴィンセント氏
    • 5層構造にこだわる理由を説明するヴィンセント氏
    • TP5、TP5xとも構造は同じで、違いはウレタンカバーの厚さによるフィーリング
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    新ボール『TP5』登場!テーラーメイドが5層構造にこだわる理由

    スピンコントロールデザインには5層構造が不可欠

    2020年までにシェアを1.1%から9.6%に拡大する戦略を掲げているテーラーメイド。その立ち上がりの商材となる『TP5シリーズ』

    2020年までにシェアを1.1%から9.6%に拡大する戦略を掲げているテーラーメイド。その立ち上がりの商材となる『TP5シリーズ』

     2016年時点でのボール市場シェア1.1%を、2020年までに9.6%へ成長させるというビジネスプランを掲げているテーラーメイド。ダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ、セルヒオ・ガルシア、ジャスティン・ローズの同社契約プロ"BIG4"が使用し、かつ結果を残している事実が市場で認知されておらず、テーラーメイドのツアーボール(以下、TPボール)を使う理由を示せていなかったものの、2017年からはボールビジネスに対して本気の勝負を挑むと、同社トップであるマーク・シェルドン-アレン社長も明言している。

    テーラーメイドがボールビジネスについに本気になった!? マーク・シェルドン-アレン社長に聞く

     成長戦略のスタート段階でリリースされる『TP5シリーズ』だが、1996年にボールR&D(研究開発)を設立した際から事業に携わってきたブノア・ヴィンセント氏は「飛距離性能については、自信を持って送り出せるプロダクトが生み出せた」と大きな手ごたえを持っているという。
    テーラーメイドのツアーボールといえば、5層構造。最新モデルではドライバーは3〜4ヤード、ロングアイアンからミドルアイアンでは6〜7ヤードアップという結果が出ているという

    テーラーメイドのツアーボールといえば、5層構造。最新モデルではドライバーは3〜4ヤード、ロングアイアンからミドルアイアンでは6〜7ヤードアップという結果が出ているという

     『TP5 シリーズ』は3層の<トライ ファスト コア>と、2層の<デュアル スピン カバー>で構築されており、<トライ ファスト コア>は中心部に非常にやわらかいコアを配置し、ボールの中心から外層にいくにつれ、徐々に硬度コアを組み合わせている。それにより、中心で生まれたエネルギーが増幅されて大きな反発力を生み、かつ、柔らかいコアがフィーリングをソフトに保つ。

     また<デュアル スピン カバー>は、最外層に非常に柔らかいウレタンカバー、第4層に高硬度のインナーカバーを組み合わせることで、フェース上での食いつきが生まれ、ウェッジショットでは非常に高いスピン性能を実現することが可能になったという。

     同社のマシーンおよびヒューマンテストでは、ドライバーは3〜4ヤードアップ。ロングアイアンからミドルアイアンでは、さらに大きな恩赦が受けられ、6〜7ヤードアップという結果が出ているという。アイアンでは半番手〜1番手アップしている計算だ。
    バックスピンコントロールにより、最高到達点直前でのボールスピードの落ち幅を減らすことに成功したという

    バックスピンコントロールにより、最高到達点直前でのボールスピードの落ち幅を減らすことに成功したという

     飛距離を伸ばす要因は「ボール軌道には4つのフェーズがありますが、DRAGのパート(※左図参照)でいかに空気抵抗を低減して、ボールスピードをキープできるかがキーポイント。バックスピンコントロールが重要ですが、そこをこだわったボールです(ヴィンセント氏)」。

     通常、初速が60m/sの場合、最高到達点直前には30m/s程度に落ちてしまうが、『TP5シリーズ』は32〜33m/s程度をキープできるようになり、飛距離を生み出せるという。

     2010年に同社初の5層構造ツアーボールとして『FIVE TP』を登場させて以降、「すべてのショットで最も優れた性能を出すために5層構造のボールにこだわりを持っている。3ピースにはない、圧倒的な性能を発揮するに適している」とヴィンセント氏が同社の理念を話すように、"5ピースボール"はプロモーション上で他ブランドとの差別化を図り、優位性を発信する意味でも、TPボールの代名詞となっている。

     各メーカーの最新ツアー系ボールを見ていくと…

    タイトリスト『Pro V1』=3層構造
    タイトリスト『Pro V1x』=3層構造
    ダンロップ『SRIXON Z-STAR』=3層構造
    ダンロップ『SRIXON Z-STAR XV』=4層構造
    ブリヂストン『TOUR B 330X』=3層構造
    ブリヂストン『TOUR B 330S』=3層構造
    キャロウェイ『CHROME SOFT』=4層構造
    キャロウェイ『CHROME TOUR』=4層構造

     となっており、キャロウェイから2014年発売の発売された『SR1』『SR2』『SR3』のうち、『SR2』『SR3』は5ピースであったが、シェアトップ3の3社はほぼ3ピースだ。

     「スピンコントロールをデザインをするには、5ピースが不可欠。ドライバーショットでは低スピン、ウェッジショットでは高いスピン性能が必要となるツアーボールですが、その2つを両立するためにはまったく違うアプローチが必要ですし、さらにミドルアイアンでも適切なスピンが必要になります。そのためには3ピースでは足りないのです」というヴィンセント氏に、テーラーメイドのボール開発理念、5ピースにこだわる理由を聞いた。
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