小平智のエースドライバーヒビ割れ事件を考える。耐用年数は今後短くなっていく!?
先週行われた「日本オープン」では、池田勇太がアマチュアの金谷を辛うじて振り切って優勝。その陰では、小平智がエースドライバーの破損が響き、競り負ける形となっていた。一般ゴルファーからすれば「ドライバーって割れるの!?」と驚く人も多いが、このネタをマニアックチームと深堀りしたいと思います。
配信日時:2017年10月20日 07時01分
小平智、松山英樹、星野陸也が今季エースドライバーを破損しているが…
筆者 「小平智プロがエースドライバーのヒビ割れで日本オープンを取り損ねましたよね。今季は松山英樹プロも去年10月に替えたキャロウェイ『GBB』が割れちゃったそう。あと、春先にも星野陸也プロのエースドライバーが割れたと報道されています。最近、この手のニュースが多いですね」
“エース”離脱の代償は大きく… 小平智は3位フィニッシュに「運が悪かった」
PCM編集長(以下、P編) 「エースドライバーを破損で失うのは、本当にショックが大きいよね。小平智プロはどこが割れちゃったの?」
筆者 「フェースの真ん中じゃなくて、やや上めの辺りと聞きました。昔、手嶋多一プロの『K75』という数年使っていたエースが割れた瞬間に出くわしたことがあるのですが、割れる前は異常に飛んだり、球が揺れたりと予兆があって、プロはそろそろヤバイって気づくらしいですよ。手嶋さんの場合は本当に打点のところのど真ん中でしたね。練習量が少ない手嶋さんだからこそ、数年も持っていたのかもしれませんが…」
PCM筒康博(以下、P筒) 「プロは本当にど真ん中で打ち続けるわけですから、そこに衝撃がかかり続けて金属疲労は避けられません。インパクトの衝撃は、800(kg・f)から1トンって言いますからね。試合中は数十発、それ以外の練習では数百発と換算していくと、一年でいったいどれだけの衝撃に耐えなきゃいけないのかと。練習量の多いプロだと、1週間で500発以上、オフの期間を合わせれば1年で下手すると3万発以上は打つんじゃないですか。ちなみに、小平智プロはどれくらいエースを使ってたんですか?」
筆者 「去年のソニー・オープンから投入して、10ヶ月くらいで逝っちゃったみたいですね。松山英樹プロも去年の10月くらいに投入して9月前に逝っちゃったので、大体ヘッドスピード52m/s以上の練習量の多い2人の場合、10ヶ月強で耐えきれなくなるという計算が成り立ちますね、4万発以上はそのヘッドスピードでは何が起きてもおかしくないということかな」
P編 「プロギアは“反発ギリギリ”を自ら謳っているけど、その影響じゃないの?って勘ぐる人も多そうだよね。薄いフェースだからじゃないの?って。でも、我々PCMはすべてのヘッドのフェース厚さを超音波厚み計測器で詳細に計測済みだからよく分かる。プロギアはむしろ、フェースを薄くするどころか、絶対にCT値を越えないように他社よりあえて真ん中にすごく肉盛りをしているメーカーだと分かっているよ。製品の耐久テストも検品体制も『RS-F』に違反裁定以来、ものすごく強化しているらしいし」
筆者 「はい。プロギアの担当者も言っていたんですが、“小平智の練習量なら、一般ゴルファーの一生分の球数を1年で打っちゃうくらい”だと言ってました。ましてや、小平智プロは国内ツアー屈指のボールストライカーかつヘッドスピードも速いプロですし、試合中もしょっちゅうマン振りするタイプですからね。起きるべくして起きたとの見方もできます」
P筒 「お二人もヘッドスピードが速いじゃないですか、過去にドライバーを割ったことがあるでしょう?」
P編 「昔はヘッドスピード50m/s以上あったけど、今は47m/sくらい。若い頃は3つほどオシャカにしちゃったことはあるね。でも、今はそんなに練習しないし、エースドライバーをすぐに変更するタイプで一つのモデルに執着しないし、常に新しい選択肢が飛び込んでくる職業柄だから」
筆者 「ボクは20代も含めると、かなりの個数を割ってますよ。キャロウェイ『ERC』と『ERC2』はフェースが凹んだし、『X18』はフェース寄りのクラウンにヒビ割れ。BSやコブラのカーボンコンポジットはクラウンが剥がれてぶっ飛んだし…。まぁ、20代はマン振り野郎だったし、ヘッドスピードも振れば55m/s以上ありましたからね。それより、シャフトを折っちゃた本数のほうが多いですけど…」
P編 「呆れるね。それ、武勇伝じゃないから!下手なくせに力任せって証明でしかないよ。だって、君は確か、2つのメーカーの発表前の試打クラブをミスショットでヘシ折った前科があるよね、あれは両方とも新品だったはずだよ?」
筆者 「はい。その節はすみませんでした…。でも、自分が悪いんですが、人生最高のエースドライバーだったキャロウェイ『X18』を数年前に破損で失ってから、あれを越えるエースドライバーが見つからずについ最近まで迷走を繰り返しています。同じヘッド・シャフトで2本作りましたが、結局エースドライバーのフィーリングは手に入らずに諦めました。それくらい、エースドライバーを失うことの怖さと影響はよく分かっているつもりです。ゴルフクラブってバランスや長さだけじゃなく、微妙な個体差や組み付け方で感覚が変わってしまいますよね」
P編 「私もそれが分かっているから、ミズノ『MPクラフト425』に関しては、割れてないのに破損する怖さで同一スペックを3本買ったくらいだよ。でも、エースドライバーとは違うフィーリングで同じものは手に入らないことは、嫌というほどよく分かっている。我々でもそういったフィーリングがあるのだから、プロゴルファーの場合、もう体の一部が失われたくらいの事件だと思うなぁ。避けられないことなんだけど、ショックが大きすぎる。そりゃ、成績には直結してしまうよね」
“エース”離脱の代償は大きく… 小平智は3位フィニッシュに「運が悪かった」
PCM編集長(以下、P編) 「エースドライバーを破損で失うのは、本当にショックが大きいよね。小平智プロはどこが割れちゃったの?」
筆者 「フェースの真ん中じゃなくて、やや上めの辺りと聞きました。昔、手嶋多一プロの『K75』という数年使っていたエースが割れた瞬間に出くわしたことがあるのですが、割れる前は異常に飛んだり、球が揺れたりと予兆があって、プロはそろそろヤバイって気づくらしいですよ。手嶋さんの場合は本当に打点のところのど真ん中でしたね。練習量が少ない手嶋さんだからこそ、数年も持っていたのかもしれませんが…」
PCM筒康博(以下、P筒) 「プロは本当にど真ん中で打ち続けるわけですから、そこに衝撃がかかり続けて金属疲労は避けられません。インパクトの衝撃は、800(kg・f)から1トンって言いますからね。試合中は数十発、それ以外の練習では数百発と換算していくと、一年でいったいどれだけの衝撃に耐えなきゃいけないのかと。練習量の多いプロだと、1週間で500発以上、オフの期間を合わせれば1年で下手すると3万発以上は打つんじゃないですか。ちなみに、小平智プロはどれくらいエースを使ってたんですか?」
筆者 「去年のソニー・オープンから投入して、10ヶ月くらいで逝っちゃったみたいですね。松山英樹プロも去年の10月くらいに投入して9月前に逝っちゃったので、大体ヘッドスピード52m/s以上の練習量の多い2人の場合、10ヶ月強で耐えきれなくなるという計算が成り立ちますね、4万発以上はそのヘッドスピードでは何が起きてもおかしくないということかな」
P編 「プロギアは“反発ギリギリ”を自ら謳っているけど、その影響じゃないの?って勘ぐる人も多そうだよね。薄いフェースだからじゃないの?って。でも、我々PCMはすべてのヘッドのフェース厚さを超音波厚み計測器で詳細に計測済みだからよく分かる。プロギアはむしろ、フェースを薄くするどころか、絶対にCT値を越えないように他社よりあえて真ん中にすごく肉盛りをしているメーカーだと分かっているよ。製品の耐久テストも検品体制も『RS-F』に違反裁定以来、ものすごく強化しているらしいし」
筆者 「はい。プロギアの担当者も言っていたんですが、“小平智の練習量なら、一般ゴルファーの一生分の球数を1年で打っちゃうくらい”だと言ってました。ましてや、小平智プロは国内ツアー屈指のボールストライカーかつヘッドスピードも速いプロですし、試合中もしょっちゅうマン振りするタイプですからね。起きるべくして起きたとの見方もできます」
P筒 「お二人もヘッドスピードが速いじゃないですか、過去にドライバーを割ったことがあるでしょう?」
P編 「昔はヘッドスピード50m/s以上あったけど、今は47m/sくらい。若い頃は3つほどオシャカにしちゃったことはあるね。でも、今はそんなに練習しないし、エースドライバーをすぐに変更するタイプで一つのモデルに執着しないし、常に新しい選択肢が飛び込んでくる職業柄だから」
筆者 「ボクは20代も含めると、かなりの個数を割ってますよ。キャロウェイ『ERC』と『ERC2』はフェースが凹んだし、『X18』はフェース寄りのクラウンにヒビ割れ。BSやコブラのカーボンコンポジットはクラウンが剥がれてぶっ飛んだし…。まぁ、20代はマン振り野郎だったし、ヘッドスピードも振れば55m/s以上ありましたからね。それより、シャフトを折っちゃた本数のほうが多いですけど…」
P編 「呆れるね。それ、武勇伝じゃないから!下手なくせに力任せって証明でしかないよ。だって、君は確か、2つのメーカーの発表前の試打クラブをミスショットでヘシ折った前科があるよね、あれは両方とも新品だったはずだよ?」
筆者 「はい。その節はすみませんでした…。でも、自分が悪いんですが、人生最高のエースドライバーだったキャロウェイ『X18』を数年前に破損で失ってから、あれを越えるエースドライバーが見つからずについ最近まで迷走を繰り返しています。同じヘッド・シャフトで2本作りましたが、結局エースドライバーのフィーリングは手に入らずに諦めました。それくらい、エースドライバーを失うことの怖さと影響はよく分かっているつもりです。ゴルフクラブってバランスや長さだけじゃなく、微妙な個体差や組み付け方で感覚が変わってしまいますよね」
P編 「私もそれが分かっているから、ミズノ『MPクラフト425』に関しては、割れてないのに破損する怖さで同一スペックを3本買ったくらいだよ。でも、エースドライバーとは違うフィーリングで同じものは手に入らないことは、嫌というほどよく分かっている。我々でもそういったフィーリングがあるのだから、プロゴルファーの場合、もう体の一部が失われたくらいの事件だと思うなぁ。避けられないことなんだけど、ショックが大きすぎる。そりゃ、成績には直結してしまうよね」