筆者　「平田さんおはようございます。今日のタイガーの試合をどう見ましたか？復活度合いは本物でしょうか？もう3月の半ばですが、はたしてマスターズで復活優勝できるレベルなんですかね？」

Toshi HIRATA（以下、平田）　「今週のバルスパー選手権は初日からずっと見ていましたよ。はっきりって復活は本物です！タイガーは今回の試合に出場するのは20年ぶりです。20年前の男女ダブルスの試合に出て以来で、その後は出ていませんでした。この試合に出た意味を考えると、私は来週のアーノルド・パーマ招待に照準を合わせていたと考えざるを得ません。

理由は今週のグリーンがバミューダ芝にオーバーシードされている特徴のあるグリーンで、来週のベイヒルのグリーンもほぼ今週に近い芝質だということ。今週のグリーンは非常に傾斜が強く、芝目もきつくなっていました。ですから下りのパットが非常に速く、上りは芝目が逆になり、非常に強いタッチが必要とされていましたね」

筆者　「はい。優勝争いしていたP・リードが最終ホールのファーストパットでやられました…。結局グリーン上からチップショットで対応したもののボギーになり、プレーオフに残れませんでした…」

平田　「来週のベイヒルCはここまで傾斜がきつくありません。芝質も今週と似ていますから、今週活躍した選手はそのままパットのタッチをより合わせやすいと言えるでしょう。タイガーは1ピン強の短いパットで今週幾度となくバーディチャンスを逃しています。ただし長いロングパットに関してはデリケートなタッチを合わせることに成功しています。来週こそ勝機アリ！でしょう」

筆者　「言うなぁ〜、来週は優勝すると。（言い切り過ぎでキケンですよ、平田さん…）でも、平田さん、タイガーは今週ほとんどドライバーを使ってませんよ？ティショットでドライバーを使わなかったからこその順位なのでは？」

平田　「そうですね、ほとんど3Wやアイアンでティショットしていましたね。でも、来週のベイヒルCはコースが広いのです。タイガーは懸案のドライバーでのティショットを思う存分振り回すことができるでしょう。そしてベイヒルC攻略の糸口は、このティショットの飛距離にあります。私は以前ここのメンバーで自宅もありましたからコースは熟知しています。トーナメント前のコンディションも実際に体験しているので良く心得ています。

ちなみに長男は16歳で最年少クラブチャンピオン(67、70、76)になってますしね。白ティからティショットすると、ちょうどタイガーと同じ残り距離になり、ものすごくコース攻略がやさしい。タイガーは過去にこのコースで8回勝っています。ティショットが飛ぶ選手が有利な事は言うまでもなく、今週取り逃した80勝目をベイヒルCで達成する確率はかなり高いとみています」

筆者　「でも平田さん、来週はダスティン・ジョンソンも出場しますし、松山英樹も戻ってきます。フィールドが分厚くなりますので、そう甘くはないんじゃないんですか？」

平田　「そう見えるでしょうが、私には確信に近いものがあります。タイガーが使うドライバー、テーラーメイド『M3 460』を私も愛用していますし、これで約10ラウンドした結論なのですが、これほど芯を喰うドライバーは過去に経験がありません。タイガーはドライバーがネックとなっていますが、このヘッドならベイヒルCの広さなら使いこなすことが今週よりも簡単だと思いますよ。事実、アイアンショットからチッピングまで、短いパット以外に死角が見当たらなかったでしょう？」

筆者　「平田さん、平田さんとタイガーは全く違うスイングですよね？同じに行くわけがないじゃないですか！」

平田　「いえいえ、うちの家内も私もこのドライバーの寛容性でラクに飛距離を伸ばせています。ですので、タイガーであれば私よりもはるかに芯を外さないのは当然ですし、広いベイヒルCでこんなに恩恵のあるドライバーはないでしょう」

筆者　「そうかなぁ〜。そんなに甘くないと思いますけど…。筒さん、どう思いますか？」