『M2』を選ぶトッププロ。でも、ちょっと待って!『M1』の方が……
高額なゴルフクラブ、購入ミスだけは避けたいもの。だからこそ、今まさに買おうとしているそこのアナタ、ちょっと待って! ALBA.netギア担当が知り得た特ネタを中心に、超マニアックでDEEPな耳寄り情報をお届け。購入する前にちょっと見て、絶対に損はさせません!
配信日時:2017年5月12日 01時22分
マキロイ含め、トッププロは『M2』の使用が目立つ
今週、テーラーメイドとの契約を発表した、ローリー・マキロイ。使用するドライバーは、キャロウェイ『GBBエピックサブゼロ』から、新『M2』へと替わった。先月マスターズを制したセルヒオ・ガルシアにしろ、ジャスティン・ローズにしろ、ジョン・ラームにしろ、多くの選手が新『M2』を選ぶのはなぜなのか。また、我々アマチュアゴルファーも『M2』を選ぶべきなのだろうか? こんな疑問に応えるため、今回は『M2』か『M1』か? について考察してみたいと思う。
米国の報道によれば、公式会見でマキロイは「ボール初速は『M1』の方が速い数値が出ていたが、形状が『M2』の方が好みだった」と語ったとされている。また、契約の決め手になったのは、「『TP5x』ボールの風への強さ。以前はスピン量が多い方がいいと思っていたが、アイアンのタテの距離感で上手くいかないことがあり、『TP5x』でそれを改善できることに気づいて興奮している」と、最も重要なポイントに『TP5x』ボールとの出会いを挙げていた。
このように、PGAツアーのトップどころが『M2』を選ぶ事実を目にすると、みなそちらの方に目がいってしまうが、ちょっと待って欲しい。本当に飛びを求めるなら『M1』の方だと思う。ALBA本誌の試打企画で筆者は複数の識者やプロゴルファーに試打・分析を依頼してきたが、この意見は識者の多くが語っていたポイントであり、テーラーメイド自身が認めるところでもある。以下に識者たちの試打を重ねた意見をまとめてみよう。
米国の報道によれば、公式会見でマキロイは「ボール初速は『M1』の方が速い数値が出ていたが、形状が『M2』の方が好みだった」と語ったとされている。また、契約の決め手になったのは、「『TP5x』ボールの風への強さ。以前はスピン量が多い方がいいと思っていたが、アイアンのタテの距離感で上手くいかないことがあり、『TP5x』でそれを改善できることに気づいて興奮している」と、最も重要なポイントに『TP5x』ボールとの出会いを挙げていた。
このように、PGAツアーのトップどころが『M2』を選ぶ事実を目にすると、みなそちらの方に目がいってしまうが、ちょっと待って欲しい。本当に飛びを求めるなら『M1』の方だと思う。ALBA本誌の試打企画で筆者は複数の識者やプロゴルファーに試打・分析を依頼してきたが、この意見は識者の多くが語っていたポイントであり、テーラーメイド自身が認めるところでもある。以下に識者たちの試打を重ねた意見をまとめてみよう。
識者の意見では「新『M2』は重心距離が長くなった」
■谷口拓也(プロゴルファー/持ち球ストレート)
「旧『M1 460』はちょっとピーキーさ(ヘッドが俊敏に動きすぎる)があったけど、新『M1 460』はそれが消えてヘッド挙動が旧『M2』のように穏やかになっている。あと、テーラーらしいいい感じの打球音のままで、弾きがいいし初速が速い。むちゃくちゃ完成度が高いと思いますよ。まぁでも、新『M2』も芯が広くていいけどね」
■マーク金井(クラブアナリスト/持ち球ストレートドロー)
「新『M2』は重心距離がすごく長くなった。これは米国に『M2 TYPE-D』があるからだろうね。ボクも出たばかりですぐに購入したのはつかまる『M2 TYPE-D』の方だからね。こっちの方がニュートラルって感じで、旧『M2』に近いよ。テーラーメイドジャパンはなぜ『M2 TYPE-D』を日本に導入してくれないんだろうね。やっぱり、ドローモデルとついたものは、歴代売れないって苦い記憶でもあるのかなぁ」
■本橋本信(重心データを読み解くフィッター/持ち球ドロー)
「新『M2』は旧作がフェードヒッター向けだったのが真逆でドローヒッター向けになった印象で、重心距離が長くなりました。新『M1 460』は、ヘッドの慣性モーメントも上がった感じで、ミスに強くなりました。後ろに長くなって重心の後ろへのスライド幅も長くなっていることで、かなり対応幅が広がっていますね」
⇒新旧『M2』の重心データをもっちゃんが斬る!
■山崎康寛(日本一メーカー泣かせのフィッター/持ち球ストレートドロー)
「ボールとドライバーの相性テストをいろんなメーカーでやったけど、確かに『TP5x』ボールの初速性能はかなり高い。でも、新『M1 460』のヘッドは、ボールとの相性は関係なし。どんなボールでも飛ばしちゃうというか、重くて低重心で薄いフェースのヘッドはヘッドスピードが速いゴルファーにとっては無敵だね」
■タナビー(2ndQT出場の本誌ギア&レッスン担当/持ち球ストレート)
「旧『M2』はクセがなくニュートラルな挙動。ミスに強くて良かったのですが、新『M1 460』はこれにすごく近づいた感じがします。逆に新『M2』は重心距離が長くて左を消せるフィーリングになりました。新『M1 460』は、本誌の最新ドライバーのフェースの厚み計測で、すべてのモデルの中で最もフェース真ん中部分が薄いためか、初速性能がすごく高いです」
「旧『M1 460』はちょっとピーキーさ(ヘッドが俊敏に動きすぎる)があったけど、新『M1 460』はそれが消えてヘッド挙動が旧『M2』のように穏やかになっている。あと、テーラーらしいいい感じの打球音のままで、弾きがいいし初速が速い。むちゃくちゃ完成度が高いと思いますよ。まぁでも、新『M2』も芯が広くていいけどね」
■マーク金井(クラブアナリスト/持ち球ストレートドロー)
「新『M2』は重心距離がすごく長くなった。これは米国に『M2 TYPE-D』があるからだろうね。ボクも出たばかりですぐに購入したのはつかまる『M2 TYPE-D』の方だからね。こっちの方がニュートラルって感じで、旧『M2』に近いよ。テーラーメイドジャパンはなぜ『M2 TYPE-D』を日本に導入してくれないんだろうね。やっぱり、ドローモデルとついたものは、歴代売れないって苦い記憶でもあるのかなぁ」
■本橋本信(重心データを読み解くフィッター/持ち球ドロー)
「新『M2』は旧作がフェードヒッター向けだったのが真逆でドローヒッター向けになった印象で、重心距離が長くなりました。新『M1 460』は、ヘッドの慣性モーメントも上がった感じで、ミスに強くなりました。後ろに長くなって重心の後ろへのスライド幅も長くなっていることで、かなり対応幅が広がっていますね」
⇒新旧『M2』の重心データをもっちゃんが斬る!
■山崎康寛(日本一メーカー泣かせのフィッター/持ち球ストレートドロー)
「ボールとドライバーの相性テストをいろんなメーカーでやったけど、確かに『TP5x』ボールの初速性能はかなり高い。でも、新『M1 460』のヘッドは、ボールとの相性は関係なし。どんなボールでも飛ばしちゃうというか、重くて低重心で薄いフェースのヘッドはヘッドスピードが速いゴルファーにとっては無敵だね」
■タナビー(2ndQT出場の本誌ギア&レッスン担当/持ち球ストレート)
「旧『M2』はクセがなくニュートラルな挙動。ミスに強くて良かったのですが、新『M1 460』はこれにすごく近づいた感じがします。逆に新『M2』は重心距離が長くて左を消せるフィーリングになりました。新『M1 460』は、本誌の最新ドライバーのフェースの厚み計測で、すべてのモデルの中で最もフェース真ん中部分が薄いためか、初速性能がすごく高いです」
飛ばしたいアスリートなら、『M1 460』でしょ!
いずれも、ゴルフクラブの試打経験も多く、知識の多いマニアックな人たちが語った言葉だが、スイングもフィーリングも皆それぞれ。ところが、旧『M2』と新『M1 460』を高く評価している点は共通で、新『M2』の重心距離が長くなったという評価も共通していた。ただし、これら5名の場合、皆ヘッドスピードが45m/s以上と速く、意図した球を打ち分けられる技術レベルが高い人の意見ではある。
アスリートゴルファーを自認するヘッドスピードの速い人は、これら5名の意見はそのまま参考にしていいと思う。つまり、新『M2』か新『M1 460』かで悩んだ場合、飛距離性能で選ぶなら間違いなく『M1 460』がオススメだ。左のミスが嫌で、打点にややバラツキがある人には『M2』をオススメする。
では、ヘッドスピードが45m/sより遅い人はどうなのか? というと、話は少々変わってくる。新『M1 460』は最新ドライバーの中ではトップクラスにヘッドが重い(本誌計測では204.4g)ため、非力な人は振り切れない可能性も出てくる。
その点、新『M2』はそれより軽く、重心距離が旧作より長くなったとはいえ、ヘッドスピードの遅い人はタメも穏やかでフェースターンまでに時間のとれる人が多いため、「意外につかまる」と感じる人もいるかもしれない。
結局のところ、とことん打ち比べて合うものを判断するのは当然だが、トッププロが使っているからといって、新『M2』に安易に飛びつくのは待って欲しい。『M1 460』、超オススメです!
Text/Mikiro Nagaoka
アスリートゴルファーを自認するヘッドスピードの速い人は、これら5名の意見はそのまま参考にしていいと思う。つまり、新『M2』か新『M1 460』かで悩んだ場合、飛距離性能で選ぶなら間違いなく『M1 460』がオススメだ。左のミスが嫌で、打点にややバラツキがある人には『M2』をオススメする。
では、ヘッドスピードが45m/sより遅い人はどうなのか? というと、話は少々変わってくる。新『M1 460』は最新ドライバーの中ではトップクラスにヘッドが重い(本誌計測では204.4g)ため、非力な人は振り切れない可能性も出てくる。
その点、新『M2』はそれより軽く、重心距離が旧作より長くなったとはいえ、ヘッドスピードの遅い人はタメも穏やかでフェースターンまでに時間のとれる人が多いため、「意外につかまる」と感じる人もいるかもしれない。
結局のところ、とことん打ち比べて合うものを判断するのは当然だが、トッププロが使っているからといって、新『M2』に安易に飛びつくのは待って欲しい。『M1 460』、超オススメです!
Text/Mikiro Nagaoka