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    松山6個、片山6個、アン・ソンジュ5個。1Wヘッドを替えまくりでも調子が崩れない理由は“選択眼”とその実力【記者の目】

    松山6個、片山6個、アン・ソンジュ5個。1Wヘッドを替えまくりでも調子が崩れない理由は“選択眼”とその実力【記者の目】

    配信日時:2018年10月19日 01時00分

    • ギア
    ドライバーをころころ替えまくりでどうして結果が出せるのか!?
    ドライバーをころころ替えまくりでどうして結果が出せるのか!? (撮影:GettyImages)
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    NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 2日目◇19日◇マスターズゴルフ倶楽部・兵庫県(6,528ヤード・パー72)>

    終盤戦のビッグトーナメント「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は初日にアン・ソンジュ(韓国)が前半でハーフ「30」の猛チャージ。トータル7アンダーの首位発進を決めた。先週は成田美寿々に敗れて2位に終わり「実力が足りない」と涙を流したが、今回は初日から突っ走る構え。そして、クラブと成績との関連について話してくれた。

    松山英樹が6つ、片山晋呉は現時点で6つ…

    2018年、ドライバーを替えまくるトップ選手が増えていた。松山英樹は実に6つのヘッドを替え、直近では片山晋呉オノフ→ホンマ→キャロウェイと試合で使用、練習の段階ではブリヂストン→スリクソンテーラーメイドと6つのヘッドを毎日テストし続けている。

    ⇒2018年シーズン、6種類のドライバーを使用した松山英樹
    ⇒片山晋呉「あるよ!!」新1Wはまさかの『XD-3』!?BSオープンでトラックマン計測しまくりの巻【記者の目】

    女子ツアーでは、アン・ソンジュがそれに近い状態で賞金女王を狙う位置をキープし続けている。かねてから「いろんなクラブを試すのが楽しい!」と話しているが、改めて問うと?

    「めっちゃ楽しいです。私が今年試したドライバーヘッドは5個かな。今のPING『G400LST』を使う理由は、好きな球のちょっとドローで高い球でキャリーも出るからですね。ミスした時の幅が狭くなるところが好きですね。ちょっとミスってもフェアウェイキープできるのがすごく助かってますね。でも、もちろんまだ探しますよ。これよりテストしてみて良いヘッドがあれば、そりゃもちろんね!」(アン・ソンジュ

    ■自分に合うものを選び抜くのが私の仕事!(アン)

    毎週どころか、ヘッドが日替わりな試合もあった。違うヘッドをころころ替えることによるアジャストの難しさはないのだろうか?

    「いや、難しいっていうか、最近はどのメーカーさんも選手に合わせたクラブを作ってくれるので、難しさは無いと思いますよ。大事なのは自分との相性ですよね。合うクラブを探すのが選手の仕事だし、クラブメーカーさんは、選手になるべく合うようにクラブを作るのが仕事ですから。どのメーカーさんでも頑張って合うように作ってくれる中で、他のメーカーさんには申し訳ないですが、真剣に一番合うものを選び抜くのが私の仕事ですから!」

    アンの今季の4勝のうち、同じスペックのドライバーはない。優勝した実績あるクラブを替え続けるのはなぜなのか。

    ■「成績の軸にあるのは、合っているアイアン」(アン)

    「やっぱり優勝しても、ドライバーが悪くてアイアンが良かったこともありますし、その逆もあります。より良い所を目指すのは当たり前だし、そんな中でも今年はアイアンショットがすごく良いというのがありますね。大体ピンの周りにボールが止まることですごくいい成績が出ているから、すごく助かってますね」

    と、軸にあるのがミズノ『Mizuno Pro518』アイアンの好調だと語る。そして、楽しく出来ている理由は「ストレス軽減」にあるのだとか。

    「今年楽しみながら出来ている理由には、多分、クラブのストレスが減っていることがあると思います。試合をやっていると当然うまくいかないことでストレスがたまるんですが、自分の手にクラブが合ってくると、ストレス発散が出来るというか。いい球、自分の好きな球が思うように試合で打てると、それはすごくストレス発散になりますね。だから今年はストレスがすごくたまらず出来ていると思いますね」

    ■自分に合わないものはすぐ使用をやめる“潔さ”が大切

    今年からクラブ契約フリーの立場を選んだアン・ソンジュ。だが、この立場にはリスクもある。【自分に合うクラブを見抜く目】に乏しい選手には、選択肢が増えることが逆に仇となり、正解が分からず迷路にハマり込むリスクもあるのだ。

    アン・ソンジュの場合は、そのことをよく理解した上で、【合わなければすぐやめて次を探す】シンプルな考えで、【自分とクラブの相性】を見極めることに徹していた。使用ヘッドの個数がかさむのはそのためで、この姿勢こそが、正しいクラブ契約フリー選手のあり方なのだろう。これは、松山英樹片山晋呉など、トップ選手の考えにも共通したものを感じる。(1W契約の中身は不明だが…)

    だが、クラブメーカーから次々とサポートをしてもらえない、成績下位のクラブ契約フリー選手は難しい立場だ。自分に合わなければ次々と使用をやめる体制を取りたくても、その“替え”や“選択肢”がない。結果、無理して合わないクラブを使い続けて調子を崩すリスクも高くなる…。

    合っている元のクラブに戻る勇気、見つかるまで貪欲に探し続ける勇気。クラブ契約フリーになるということは、【自分に合う】クラブを見抜く目と、適切な判断が大切。アン・ソンジュがシーズン中に調子を失わうことなく成績を上げ続けられるのは、圧倒的な実力から合うクラブがどんどん舞い込むこと、そして、それを選び抜く力を持っているからだった。

    Text/Mikiro Nagaoka

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