【記者の目】パットだけに問題を抱えるタイガー・ウッズ、キャリア初のマレット型『ARDMORE 3』を投入か
【記者の目】パットだけに問題を抱えるタイガー・ウッズ、キャリア初のマレット型『ARDMORE 3』を投入か
配信日時:2018年6月27日 01時41分
今週開催される「クイッケンローンズ・ナショナル」の練習日。テーラーメイドの2本のツノ付きマレット型パター『TP Collection ARDMORE3』プロトタイプを入念にテストするタイガー・ウッズの姿があった。
■復帰後、パッティングだけがネックに■
復帰後、パッティングに問題を抱えていたことを明かしている。「全米オープン」の練習日時点でも「トゥが動くタイプのパターが好きだ。いくつかストロークに問題を抱えているから、エースとは別のものを投入するかもしれない」と語っていた。
本戦ではエースパターでスタートするも、あえなく予選落ち。P・ミケルソンの愚行で話題になるほど難しい状況だったとはいえ、強かった頃とは別人のような不安定なストロークが散見され目を疑った。上体がストローク中に動き、頭ごとボールの行方を追いかける…。強かった頃は頭も顔の向きも不動だったはず。
「全米オープン」初日を終え、【ツアー復帰してから、いいプレーをしながら勝てないが?】と問われ、「すごくフラストレーションがある。いいショットを打っているのに、パットが入らない。もし今年の始めのようなパットが打てれば、きっと勝てていたはず。まだそれができていない」と語っていた。
■スタッツが物語るウッズの長所と短所■
復帰してこれまで、ドライバーシャフトの変更やアイアン、ウェッジをテーラーメイド製に替えるなど、大幅な変更を重ねるものの、それらはショット面で成功し続けてきた。ティショットからグリーンまでのストロークゲインドでは、「1.519」で5位。これは全ての出場選手平均よりも、はるかにショットが優れている証明。
しかし、これがパッティングになると「0.159」の89位と、優位性を持てていないことは明らか。距離別で言うと、1.2m(176位)、2.2m(168位)、2.5m(151位)、3〜4.5m(146位)と、勝負どころの入れなければならない距離で決められないことを示す。そして、8.7m以上の数字も199位。これまでのメジャー13勝をもたらしたエースパターがストロークの異変から入らなくなっていた。
■キャリア初のマレット型へ移行?■
メジャー14勝のうち、13勝を挙げたスコッティ・キャメロン『ニューポート2』。これまでのように上手く操れない状況が生まれた中、思い切った決断を下そうとしている。タイガーと言えば、このANSER型パターの使い手としてあまりにも有名で、この形状以外のものを使用したのは、記憶にある限り11年にL字マレットのナイキ『メソッド003』のみ。それ以外はすべてブレード型を使用してきたはずだ。
今回投入しようとしているモデルは、テーラーメイド『TP Collection ARDMORE3』のプロトタイプ。日本でも販売されている『TP Red Collection ARDMORE 3』の色違いで、ヘッド全体が黒い塗装になっており、インサートも市販では黒だが赤いものになっている。テーラーメイドとの契約本数は13本に到達しているが、14本目にリーチがかかった。
「トゥが動くものが好きだ」とタイガーが語るとおり、フェース開閉の少ないマレット型は、これまでタイガーとは最も縁遠いものと思われた。だが、近年はテーラーメイドもオデッセイもショートスラントネックの追加を加速。マレット型でも開閉の使えるものが増え、今回のものもそれに当てはまる。
はたしてストロークの不安定さを、トゥヒールに周辺重量配分された開閉の使える『ARDMORE 3』で解消できるのか?本戦に投入する可能性はかなり濃厚だと見ていい。そして、パットさえ改善されれば…、いや、その先について言及するのは時期尚早か。
Text/Mikiro Nagaoka
■復帰後、パッティングだけがネックに■
復帰後、パッティングに問題を抱えていたことを明かしている。「全米オープン」の練習日時点でも「トゥが動くタイプのパターが好きだ。いくつかストロークに問題を抱えているから、エースとは別のものを投入するかもしれない」と語っていた。
本戦ではエースパターでスタートするも、あえなく予選落ち。P・ミケルソンの愚行で話題になるほど難しい状況だったとはいえ、強かった頃とは別人のような不安定なストロークが散見され目を疑った。上体がストローク中に動き、頭ごとボールの行方を追いかける…。強かった頃は頭も顔の向きも不動だったはず。
「全米オープン」初日を終え、【ツアー復帰してから、いいプレーをしながら勝てないが?】と問われ、「すごくフラストレーションがある。いいショットを打っているのに、パットが入らない。もし今年の始めのようなパットが打てれば、きっと勝てていたはず。まだそれができていない」と語っていた。
■スタッツが物語るウッズの長所と短所■
復帰してこれまで、ドライバーシャフトの変更やアイアン、ウェッジをテーラーメイド製に替えるなど、大幅な変更を重ねるものの、それらはショット面で成功し続けてきた。ティショットからグリーンまでのストロークゲインドでは、「1.519」で5位。これは全ての出場選手平均よりも、はるかにショットが優れている証明。
しかし、これがパッティングになると「0.159」の89位と、優位性を持てていないことは明らか。距離別で言うと、1.2m(176位)、2.2m(168位)、2.5m(151位)、3〜4.5m(146位)と、勝負どころの入れなければならない距離で決められないことを示す。そして、8.7m以上の数字も199位。これまでのメジャー13勝をもたらしたエースパターがストロークの異変から入らなくなっていた。
■キャリア初のマレット型へ移行?■
メジャー14勝のうち、13勝を挙げたスコッティ・キャメロン『ニューポート2』。これまでのように上手く操れない状況が生まれた中、思い切った決断を下そうとしている。タイガーと言えば、このANSER型パターの使い手としてあまりにも有名で、この形状以外のものを使用したのは、記憶にある限り11年にL字マレットのナイキ『メソッド003』のみ。それ以外はすべてブレード型を使用してきたはずだ。
今回投入しようとしているモデルは、テーラーメイド『TP Collection ARDMORE3』のプロトタイプ。日本でも販売されている『TP Red Collection ARDMORE 3』の色違いで、ヘッド全体が黒い塗装になっており、インサートも市販では黒だが赤いものになっている。テーラーメイドとの契約本数は13本に到達しているが、14本目にリーチがかかった。
「トゥが動くものが好きだ」とタイガーが語るとおり、フェース開閉の少ないマレット型は、これまでタイガーとは最も縁遠いものと思われた。だが、近年はテーラーメイドもオデッセイもショートスラントネックの追加を加速。マレット型でも開閉の使えるものが増え、今回のものもそれに当てはまる。
はたしてストロークの不安定さを、トゥヒールに周辺重量配分された開閉の使える『ARDMORE 3』で解消できるのか?本戦に投入する可能性はかなり濃厚だと見ていい。そして、パットさえ改善されれば…、いや、その先について言及するのは時期尚早か。
Text/Mikiro Nagaoka