【記者の目】PGAツアーの飛ばし屋10傑は何を使ってる?一番人気ドライバーは、なんと3人が被る結果に!
【記者の目】PGAツアーの飛ばし屋10傑は何を使ってる?一番人気ドライバーは、なんと3人が被る結果に!
配信日時:2018年7月4日 11時48分
PGAツアーのドライビングディスタンス上位10人は何を使っているのか? どんな打ち出し条件を作っているのか?スタッツを紐解いてみた。
■なんと1、3、5位がPING『G400MAX』■
1位のトレイ・マリナックス、3位のトニー・フィナウ、5位のトム・ラブレディがなんと同じヘッドを使用。PING『G400MAX』の表示は9°で、いずれも適正スピンのビッグキャリーを叩き出している。
平均ヘッドスピード54.19m/s(11位)のトレイ・マリナックスだが、使用シャフトは意外にも軽め。三菱ケミカル『クロカゲXT 60X』。長さは45インチで1インチチップカットしてバランスD4で使用。リアルロフトは7.9°で、ボールスピードは2位。スピン量を減らし、10傑の中でもかなりランを出すことに成功している。
運動神経抜群で、コンパクトトップのトニー・フィナウ。こちらは54.46m/s(7位)でリアルロフト9.5°で45.25インチ。アクラ『TOUR Z X485 M5』を1インチチップカットしてバランスD5を使用しており、ツアー1位の平均ボールスピード81.48m/sを記録している。
トム・ラブレディは、53.65m/s(17位)だが、リアルロフト7.8°と立ったものを使用している。『プロジェクトX Even Flow Black』のフレックス6.5を1インチチップカット、短尺の44.25インチで比較的高い打ち出し角を作って飛ばす辺り、アッパー軌道が予想できる。
⇒ピン『G400 MAX』ドライバーはHSが遅い人にもドンピシャです!
■トレイ・マリナックスが『G400MAX』を選ぶ理由■
PINGはトレイ・マリナックスの飛ばしの理由をサイトで明かしている。
「昔から飛ばしには自信があった。『G400MAX』はただ飛ぶだけじゃなく、高弾道のビッグキャリーも打ちやすいんだ。ボクは元々スピンが少ないタイプなので、サイドスピンがかかったときには曲がっていた。『G400MAX』を使い始めてからはボールがラクに上がるから、直進性が増して、フェアウェイキープ率も上がったんだ」(トレイ・マリナックス)
「マリナックスはヘッドスピードが速いからスピン量を抑える必要があり、ロフトを7.9°に調整してビッグドライブを実現したんだ。毎試合クラブデータを収集しているけど、ビッグキャリーだけじゃなく、ストレートでブレない飛びを生むのは460ccヘッドの高MOI効果が出ているからなんだ」(PINGツアー担当、ケン・オーティス)
■効率よくボール初速を出すフィナウはじめPING勢■
マリナックスやラブレディの7°台の低ロフトは、ボールスピードを上げ、スピン量を落とすことはスペック論として容易に想像がつく。これに当てはまらないのがフィナウで、かなり飛ばしの余力を持っていると思われる。
というのも、ヘッドスピードは7位だが、ボール初速は1位。ゲーリー・ウッドランドがHS2位、BSが12位と順位を落とすのに対して、PING使用選手はバッバ・ワトソン含めこの点を軒並み引き上げているところが興味深いところだ。
やはり、基本にあるのはブレない高MOIヘッド。これに短く硬いシャフト、重めのバランスに設定し、低ロフトでボール初速を上げつつスピンを落としにいくのがPING契約プロの鉄板の飛ばし方だと言えそうだ。
■テーラーメイド勢は『M4』でスピン量が増えた!?■
ダスティン・ジョンソンは今季『M4』を使用してからスピン量が増えている。昨季の『M1 460』で2486rpmだったが、今季は2838rpm。飛距離は昨季が315ヤードで2位だったため、スピン量が増えてややアドバンテージを失った形。(FWキープ率は『M4』の今季のほうが若干いい)
そして、ルーク・リストも『M4』に替えてから2801rpm⇒3053rpmに増えている。だが、リストは311.5ヤードから314.6ヤードへ飛距離アップに成功。フェアウェイキープ率は若干ダウンしている。
■注目は低スピンで飛ばすジャスティン・トーマス■
飛ばし屋10傑の中で、異色の存在なのがジャスティン・トーマスだ。ヘッドスピードは52.51m/sとトップどころよりも2m/s以上遅い36位だが、ツアーで2番目にスピン量が少なく、平均2080rpm。
この元々の低スピンな武器を活かし、10傑の平均ランが15ヤード前後なのに対して、倍近い30ヤード弱のランを出すことで飛距離を伸ばしている。また、「全米オープン」で『917D2』から『TS3』に替えて「キャリーが伸びた」と語っているが、この平均ディスタンスは秋口にはさらに伸びている可能性もある。
最後に、肝心なフェアウェイキープ率について。『G400MAX』を使う平均飛距離1位のトレイ・マリナックスは184位、3位のトニー・フィナウは195位、5位のトム・ラブレディは185位と、軒並み順位は下位だった。
飛距離10傑のうち、6位のゲーリー・ウッドランドが最高位に位置し、フェアウェイキープ率は77位。同じテーラーメイド勢で2位のローリー・マキロイが144位、9位のケニス・ミッチェルが135位、10位のダスティン・ジョンソンが148位。この辺りは、【ツイストフェース】の効果が現れているのかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka
■なんと1、3、5位がPING『G400MAX』■
1位のトレイ・マリナックス、3位のトニー・フィナウ、5位のトム・ラブレディがなんと同じヘッドを使用。PING『G400MAX』の表示は9°で、いずれも適正スピンのビッグキャリーを叩き出している。
平均ヘッドスピード54.19m/s(11位)のトレイ・マリナックスだが、使用シャフトは意外にも軽め。三菱ケミカル『クロカゲXT 60X』。長さは45インチで1インチチップカットしてバランスD4で使用。リアルロフトは7.9°で、ボールスピードは2位。スピン量を減らし、10傑の中でもかなりランを出すことに成功している。
運動神経抜群で、コンパクトトップのトニー・フィナウ。こちらは54.46m/s(7位)でリアルロフト9.5°で45.25インチ。アクラ『TOUR Z X485 M5』を1インチチップカットしてバランスD5を使用しており、ツアー1位の平均ボールスピード81.48m/sを記録している。
トム・ラブレディは、53.65m/s(17位)だが、リアルロフト7.8°と立ったものを使用している。『プロジェクトX Even Flow Black』のフレックス6.5を1インチチップカット、短尺の44.25インチで比較的高い打ち出し角を作って飛ばす辺り、アッパー軌道が予想できる。
⇒ピン『G400 MAX』ドライバーはHSが遅い人にもドンピシャです!
■トレイ・マリナックスが『G400MAX』を選ぶ理由■
PINGはトレイ・マリナックスの飛ばしの理由をサイトで明かしている。
「昔から飛ばしには自信があった。『G400MAX』はただ飛ぶだけじゃなく、高弾道のビッグキャリーも打ちやすいんだ。ボクは元々スピンが少ないタイプなので、サイドスピンがかかったときには曲がっていた。『G400MAX』を使い始めてからはボールがラクに上がるから、直進性が増して、フェアウェイキープ率も上がったんだ」(トレイ・マリナックス)
「マリナックスはヘッドスピードが速いからスピン量を抑える必要があり、ロフトを7.9°に調整してビッグドライブを実現したんだ。毎試合クラブデータを収集しているけど、ビッグキャリーだけじゃなく、ストレートでブレない飛びを生むのは460ccヘッドの高MOI効果が出ているからなんだ」(PINGツアー担当、ケン・オーティス)
■効率よくボール初速を出すフィナウはじめPING勢■
マリナックスやラブレディの7°台の低ロフトは、ボールスピードを上げ、スピン量を落とすことはスペック論として容易に想像がつく。これに当てはまらないのがフィナウで、かなり飛ばしの余力を持っていると思われる。
というのも、ヘッドスピードは7位だが、ボール初速は1位。ゲーリー・ウッドランドがHS2位、BSが12位と順位を落とすのに対して、PING使用選手はバッバ・ワトソン含めこの点を軒並み引き上げているところが興味深いところだ。
やはり、基本にあるのはブレない高MOIヘッド。これに短く硬いシャフト、重めのバランスに設定し、低ロフトでボール初速を上げつつスピンを落としにいくのがPING契約プロの鉄板の飛ばし方だと言えそうだ。
■テーラーメイド勢は『M4』でスピン量が増えた!?■
ダスティン・ジョンソンは今季『M4』を使用してからスピン量が増えている。昨季の『M1 460』で2486rpmだったが、今季は2838rpm。飛距離は昨季が315ヤードで2位だったため、スピン量が増えてややアドバンテージを失った形。(FWキープ率は『M4』の今季のほうが若干いい)
そして、ルーク・リストも『M4』に替えてから2801rpm⇒3053rpmに増えている。だが、リストは311.5ヤードから314.6ヤードへ飛距離アップに成功。フェアウェイキープ率は若干ダウンしている。
■注目は低スピンで飛ばすジャスティン・トーマス■
飛ばし屋10傑の中で、異色の存在なのがジャスティン・トーマスだ。ヘッドスピードは52.51m/sとトップどころよりも2m/s以上遅い36位だが、ツアーで2番目にスピン量が少なく、平均2080rpm。
この元々の低スピンな武器を活かし、10傑の平均ランが15ヤード前後なのに対して、倍近い30ヤード弱のランを出すことで飛距離を伸ばしている。また、「全米オープン」で『917D2』から『TS3』に替えて「キャリーが伸びた」と語っているが、この平均ディスタンスは秋口にはさらに伸びている可能性もある。
最後に、肝心なフェアウェイキープ率について。『G400MAX』を使う平均飛距離1位のトレイ・マリナックスは184位、3位のトニー・フィナウは195位、5位のトム・ラブレディは185位と、軒並み順位は下位だった。
飛距離10傑のうち、6位のゲーリー・ウッドランドが最高位に位置し、フェアウェイキープ率は77位。同じテーラーメイド勢で2位のローリー・マキロイが144位、9位のケニス・ミッチェルが135位、10位のダスティン・ジョンソンが148位。この辺りは、【ツイストフェース】の効果が現れているのかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka