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    第4回/【誰も言わなかった】最強のドリル“カカト軸ジャンプ”(床反力打法を身につける)

    元日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ、現在アメリカの日本食レストランチェーンCEO。異色の経歴を持つTOSHI HIRATAが30年のレッスン経験の集大成を語る。超DEEPな骨太スイング論をアメリカからお届け!

    配信日時:2017年2月25日 12時06分

    • レッスン
    目次 / index
    • 生徒のカイル・ピーターマン。カカト軸ジャンプドリルをやった結果、After(右)はBefore(左)よりカカトの浮きが減っている。手元の浮きや曲がりも減った!
    • 最初からツマ先を上げたまま打つ、カイル・ピーターマン
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    ジャンプアップのいいところだけを抽出できる!

    前回、前々回は【ツマ先立ちジャンプアップ】のメリット(腕力がなくても飛ばせる)、そしてデメリット(ケガの危険、アキュラシーの低下)を書いてきました。今回は、そのメリットだけを手に入れる「逆転の発想」をご紹介しようと思います。

    結論から先にいいます。「逆転の発想」とは「カカト軸ジャンプで飛ばせ!」ということです。ツマ先ではジャンプしないから、逆転ということですよ。

    「???」

    さっぱり、意味不明ですよね。それでは何とかご理解いただけるように解説していきたいと思います。今回はアメリカでの生徒である、カイル・ピーターマンの事例も紹介しながら、理解していただけるよう努めて参ります。

    インパクトでツマ先立ちになるジャンプアップ。この原動力は主として両足の拇指球筋が関与します。人間が真上にジャンプする時に使う筋肉を使っているのです。しかし、ここには前回説明した大きな落とし穴があります。カカトが上がるとスイングプレーンから外れやすいという弱点があります。

    でも、カカトを軸とした大腿筋(ハムストリングス)を使ってジャンプすれば、カカトの浮き自体が抑えられる。私の提唱する“使えるジャンプアップ”とは、このことを指しているのです。カカトの浮きは抑えて見えるが、その実、ハムストリングスを使ってしっかり下半身は上方ベクトルを使ってジャンプアップしている。これがアキュラシーを失わずにジャンプアップのメリットだけを手に入れる究極の方法なのです。

    究極の理想形から話してしまいましたが、なぜこのことから公開するのか? 改めて言っておきます。この下半身の使い方は、コラムのタイトル通り“究極のレッスン”です。プロや上級者がさらなるグレードアップを目指すための方法であり、中級者が上級者へと階段を上がるためのものでもある。つまり、ある程度の基本動作をクリアしている人向けなのドリルなんですね。習得するのに時間もかかるし、これよりもっと習得すべき基本動作がある初心者にはハードルが高すぎるかもしれません。ご安心ください、そういう方に向けては今後いろんなメソッドを紹介していきます。今回は、究極のレッスンの最難であり【最強ドリル】から、どうしても紹介したいのです。

    【カカト軸ジャンプ】ドリルで方向性と飛距離を!

    生徒のカイル・ピーターマン。カカト軸ジャンプドリルをやった結果、After(右)はBefore(左)よりカカトの浮きが減っている。手元の浮きや曲がりも減った!

    生徒のカイル・ピーターマン。カカト軸ジャンプドリルをやった結果、After(右)はBefore(左)よりカカトの浮きが減っている。手元の浮きや曲がりも減った!


    前置きはここまでにし、“使えるジャンプアップ”を会得するための処方箋をお渡しします。それは……
    最初からツマ先を上げたまま打つ、カイル・ピーターマン

    最初からツマ先を上げたまま打つ、カイル・ピーターマン

    【カカト軸ジャンプドリル】です。

    「???」   

    何のことか混乱した人は、カイルの画像を見てください。最初から右足ツマ先を浮かしてスイングするというものです。

    それではやり方を説明しましょう。家の中ならシャドースイングで十分です。いや、むしろ裸足の方がわかりやすいので家の中の方が良いでしょう!

    【1】 まず、アドレスして、両足の指を上げれるだけ上げ、反らしてください。練習場に居られるなら靴の中でこれを行ってください。両足の指を反らせると、足の外側まで浮き上がり体重はカカトと拇指球だけに掛かってきます。

    【2】 右足は拇指球を地面からわずかに離し、カカトで体重を支え、このままバックスイングしましょう!

    【3】 両ヒザが曲がりトップまできたら、ダウンスイングを始めましょう。そして、第2回で紹介したように、両ヒザを思いっきり伸ばしてスイングしていきましょう。

    どうでしょうか。「カカトが付いているのにどうやってジャンプするの?」と疑問が出ると思います。ここで活躍せざるを得ないのが、太モモの裏側のハムストリングス(大腿筋)です。カカトが付いたままだと、両ヒザを伸ばしに行くと、ここを使わざるを得ないのが分かりますよね。そして練習場にいる方なら、カイルの画像のように、このままスイングしてボールを打っても構いません。どうですか? 今まで使わなかった筋肉群が悲鳴を上がるかもしれません。最初は無理のないスピードでスイングしましょう。

    これが「カカト軸ジャンプ」です!

    ちなみに、カイルのプロフィールを紹介しますが、彼は2009年の全米オープンにも出場していて、昨年は2ndクオリファイで失敗したものの、60台のスコアで頻繁に回るプレーヤーです。以前のインパクト画像では、カカトが大きく浮いているのが分かると思います。【カカト軸ジャンプ】ドリルをやった後のインパクトを見てください。カカトの浮きが収まり、アキュラシーが大きく改善しました。飛距離を失わずに。

    アキュラシーとパワーを両立させるこの打ち方は、何も新打法というわけではありません。多くのPGAツアープロが実践してきた合理的なスイングです。ただ、彼らは持っていた感性でこれを自然に行ってきたため、これまで目立って理論化していなかったのでしょう。たまたま今回ここにたどり着くための手段を私が思いついただけのことです。しかし、その思いつきに30年もの月日を費やすとは思いもよりませんでしたけど……。

    次回以降も大切な話をしますので、ぜひお付き合いを! SEE YOU SOON!

    TOSHI HIRATA/26歳からゴルフを始め、29歳でプロ入会。日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロとして日本で活動していたが、ツアープロの道を模索、武者修行のため渡米したまま移住。現在はアメリカの日本食レストランチェーン『Seasons Of Japan』のCEOを務める。過去には米国ゴルフチャンネルの解説者の経験や、様々な発信をWEBで行っている。ジョージア州在住

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