ALBA720号〜田村尚之「カカト体重ならクラブに振られてヘッドが走る!」
ALBA720号〜田村尚之「カカト体重ならクラブに振られてヘッドが走る!」
配信日時:2017年12月19日 23時00分
目次 / index
- 【動作分析の専門家が太鼓判】骨盤を止めずに回すからスイングの再現性が高い
- マキロイのスイングは…ネジる力で飛ばせるが、体にかかる負荷も大きい
- 田村のスイングは…ネジらず体を回すから楽にボールを飛ばせる
- 【体をネジらない(1)/アドレス編】カカト体重ならクラブに振られてヘッドが走る!
- 【体をネジらない(2)/ボール位置編】左カカト線上だとスエーする!ボールが真ん中にあればその場でクルッと回れるぞ
- 【体をネジらない(3)/テークバック編】フェースの開きを抑えるにはトップでヒジを突き上げよう!
- 【田村流POINT1】腰の高さまでフェースをボールに向ける
- 【田村流POINT2】カラダはネジらず、ヒザの上でヨコ回転
- 【田村流POINT3】切り返しでワキを締めるとインから下りるぞ
- この特集が掲載されたのは…
720号の巻頭特集は「クラブを振り回す時代は終わった…カラダも、フェースもネジらない!?軽く振ったら飛んじゃった」。メインとして登場するのは、シニアになってからプロ入りし、シニアツアー優勝も果たした田村尚之。
扉絵のマキロイのようなスイングが出来れば、もちろんかっこいいが、体を鍛える必要があるし、ケガの危険性も…。ネジらないで振り抜く”体にやさしいスイング”こそアマチュア向き。そのヒントが田村のスイングから見えた!
扉絵のマキロイのようなスイングが出来れば、もちろんかっこいいが、体を鍛える必要があるし、ケガの危険性も…。ネジらないで振り抜く”体にやさしいスイング”こそアマチュア向き。そのヒントが田村のスイングから見えた!
田村尚之(たむら・なおゆき)/64年生まれ。広島県出身。アマ時代の輝かしい戦績を引っさげて、13年にプロ転向。16年のフジフイルムシニアでプロ初優勝を挙げた。
⇒田村尚之 ドライバーショット連続写真【後方】はこちら!
⇒田村尚之 ドライバーショット連続写真【後方】はこちら!
【動作分析の専門家が太鼓判】骨盤を止めずに回すからスイングの再現性が高い
田村尚之とローリー・マキロイ。ふたりの対照的なスイングを動作分析の観点から比較。ネジらず体を回すことの効率性の高さが見えてきたぞ。
プロフィール/都立大Physio Care & Conditioning代表。姿勢や動作から問題の根本的原因を見出し、解決するリハビリコンディショニングに定評がある。理学療法士(PT)、全米公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)
マキロイのスイングは…ネジる力で飛ばせるが、体にかかる負荷も大きい
ややツマ先体重のアドレスで、股関節の角度は45度。この角度がもっともスムーズに動き出せる態勢。骨盤の動きを抑え、前傾角を保っており、背骨を中心に体をネジってパワーを生むが、その分、ワキ腹などに大きな負担がかかる。日々の筋トレとケアが必要不可欠なスイングと言えるだろう。
肩は大きく回っているが、股関節もヒザの角度も変化は小さい。下半身の動きを抑えて、上体を強くネジってパワーをためている
。股関節の角度をキープしつつ、ヒザの角度が大きい。下半身からリードして強烈にネジリ戻している。パワーが出る一方で、体への負荷も大きい。
肩は大きく回っているが、股関節もヒザの角度も変化は小さい。下半身の動きを抑えて、上体を強くネジってパワーをためている
。股関節の角度をキープしつつ、ヒザの角度が大きい。下半身からリードして強烈にネジリ戻している。パワーが出る一方で、体への負荷も大きい。
田村のスイングは…ネジらず体を回すから楽にボールを飛ばせる
マキロイと同じくアドレスでの股関節の角度は45度。ややカカト体重の脱力した構えで、力まず体を回せる形を作っている。骨盤ごと回転し、ヒザが伸びるから股関節の角度が小さくなる。体を大きく回しつつ、負荷を最小限にする動きだ。
そしてベタ足のまま、ヒザから上でクルッと体全体を回している。股関節も積極的に動かすことで、体への負担を軽減。それでいて、回転によってパワーが生まれるので飛距離も出る。
インパクトにかけて、股関節とヒザが同じ角度に戻っていく。角度の変化は大きいが、軸に対するズレがないので、再現性の高い動きができる。
腰を止めないから筋力は必要ない
「バックスイングで股関節の角度を保っているマキロイに対して、田村さんは股関節を止めるどころか、体全体で回転しています。またトップからダウンスイングにかけてマキロイは踏み込んで体重を左に乗せていますが、田村さんはその場でクルッと回るだけ。後方から比較するとよくわかりますが、マキロイは股関節の角度があまり変わりませんが、田村さんは股関節やヒザの角度が大きく変化します。我慢させないことで体への負担が減る。しかも、シンプルな動きなので再現性が高くなる。筋力のないアマチュア向きの振り方ですね(三枝氏)」
そしてベタ足のまま、ヒザから上でクルッと体全体を回している。股関節も積極的に動かすことで、体への負担を軽減。それでいて、回転によってパワーが生まれるので飛距離も出る。
インパクトにかけて、股関節とヒザが同じ角度に戻っていく。角度の変化は大きいが、軸に対するズレがないので、再現性の高い動きができる。
腰を止めないから筋力は必要ない
「バックスイングで股関節の角度を保っているマキロイに対して、田村さんは股関節を止めるどころか、体全体で回転しています。またトップからダウンスイングにかけてマキロイは踏み込んで体重を左に乗せていますが、田村さんはその場でクルッと回るだけ。後方から比較するとよくわかりますが、マキロイは股関節の角度があまり変わりませんが、田村さんは股関節やヒザの角度が大きく変化します。我慢させないことで体への負担が減る。しかも、シンプルな動きなので再現性が高くなる。筋力のないアマチュア向きの振り方ですね(三枝氏)」
田村尚之は…軸を体の中心に保ってクルッと回る
股関節を固めず、むしろ大きく動かし体全体で回転。体に負担がかからず、軸もブレないから再現性が高い。体重移動がほとんどない田村のスイング。クラブを体の中心に保ちつつ、クルっと大きく回転していく。シンプルな動きで、フェース開閉もしないから、常に安定したインパクトでボールを飛ばせる。
【体をネジらない(1)/アドレス編】カカト体重ならクラブに振られてヘッドが走る!
田村が話す理論には今までセオリーといわれてきたことと逆のことが多い。そのひとつが遠心力を最大限に利用するためのカカト体重だ。
ゴルファー病といわれる腰痛になったことがない
田村のアドレスのイメージは棒立ち。さらに体重はカカトにかけていないと意味がないという。
「昔よりもクラブが長くなっているのだから、ヨコ振りする必要があります。またクラブには必ず遠心力が発生するので、カカト体重にしていないと踏ん張ることができない。ここで間違いやすい対策がボールと離れて立ってしまうことです。遠心力を利用しようとして、足をボールから離してしまうと逆に前傾が深くなり、ツマ先体重になってしまう。逆にボールの近くに立って、カカト体重にすることで、クラブの遠心力に耐えられるようになる。ハンマー投げでツマ先体重だと、ハンマーに引っ張られてバランスを崩すのと同じこと。遠心力を利用できれば、ヘッドは勝手に走るようになります(田村)」
田村のアドレスのイメージは棒立ち。さらに体重はカカトにかけていないと意味がないという。
「昔よりもクラブが長くなっているのだから、ヨコ振りする必要があります。またクラブには必ず遠心力が発生するので、カカト体重にしていないと踏ん張ることができない。ここで間違いやすい対策がボールと離れて立ってしまうことです。遠心力を利用しようとして、足をボールから離してしまうと逆に前傾が深くなり、ツマ先体重になってしまう。逆にボールの近くに立って、カカト体重にすることで、クラブの遠心力に耐えられるようになる。ハンマー投げでツマ先体重だと、ハンマーに引っ張られてバランスを崩すのと同じこと。遠心力を利用できれば、ヘッドは勝手に走るようになります(田村)」