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渋野、原ほか黄金世代6人の”生中継”ドリームマッチが実現! 辻村プロコーチが出場選手を戦力分析
渋野、原ほか黄金世代6人の”生中継”ドリームマッチが実現! 辻村プロコーチが出場選手を戦力分析
配信日時:2020年6月29日 01時00分
【原英莉花】ショットの上手さに裏付けあり
「原プロは総合的なショットの上手さを表すボールストライキングで昨年の3位に入りました。この数値をもうちょっと細かく説明すると、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率を合算した『トータルドライビング』、これはドライバーの上手さを表す指標です。これとアイアンの上手さを表す『パーオン率』を合算したのがボールストライキングです。ドライバーもアイアンも上手い理由は、移動と回転、フットワークのバランスが良い。テークバックからトップまで、両もも、両ひざを結ぶラインが地面と平行をキープする時間が長く、下半身の位置をキープしたまま上半身が回るので、体の上下の大きな捻転差を作れ、目では見えないですが体の中に大きなトルクが作れています。これが非常に大事なのです。切り返しから下半身リードでさらにトルクを深めてヘッドスピードの加速を生み、大きな飛距離に結びつけています。身長173センチで手足も長く、その体格を生かした飛ばしで長いホール、総距離が長いコースを得意としています。そのなかでこのオフに磨いたショートゲームがカギでしょう」
【スイング動画】原英莉花 ドライバーショット
【スイング動画】原英莉花 ドライバーショット
【河本結】難しいコースで勝てる多彩な技術
「これまで話してきた渋野プロも勝プロも原プロもドローヒッターですが、河本プロのドライバーは曲がり幅が計算できるフェードを持ち球とする選手です。スイングの特徴はフェースローテーションを抑えながら面を管理し、ボディターンのキレで飛ばしていくところです。まるで男子プロのようなスイングです。彼女が好きだというトミー・フリートウッドっぽさが随所にありますよね。特にアイアンはフェードだけでなく、様々な球種を打ち分けられる技術を持っていて、それがツアー屈指の攻撃力の土台となっています。球筋をイメージする力がすごい。昨年のスタッツではイーグル数1位、バーディ数、平均バーディ数、60台のラウンド数が共に5位と数字にも攻める姿勢は表れています。コースによって数字が左右されることがないタイプですが、戦略性の高いコースの方が河本さんのバリエーションに富んだゴルフがより活きてくると思います」
【スイング動画】河本結 ドライバーショット
【スイング動画】河本結 ドライバーショット
【大里桃子】ハザードを飛び越えて止まる高弾道アイアン
「大里プロも身長が171センチで、その恵まれた体格を生かした大きなスイングアークが特徴です。また高い弾道のアイアンショットが持ち味で、バックスイングからトップにかけてどちらかといえばフェースをオープンに使い高弾道につなげています。最近の女子プロでは入れる人が少なくなってきた5番アイアンをバッグインしているのは、この技術があるからでしょう。長いクラブでもラインさえ出せればグリーンに止められるので、昨年はバーディ数338でランク11位と、パットの調子が良ければいつでも上位に食い込むショット力を持っています。高い球がないとボールを止められないようなコースで持ち味が発揮されるでしょうね。夏場の深いラフでもフェースを抜いていけるので、ラフからでもチャンスにつけられるのも特徴ですね」
【スイング動画】大里桃子 ドライバーショット
【スイング動画】大里桃子 ドライバーショット
6人のスタッツを抽出してみると、改めてその実力の高さに驚く。今年も黄金世代が女子ツアーを牽引するのは、間違いないだろう。
<放送予定>
7月5日(日)14:00〜18:00[WOWOWプライム]生中継<無料放送>
「WOWOW公式 YouTubeでのライブ配信、SNS企画も実施!」
7月7日(火)19:30〜21:30[WOWOWプライム]リピート放送<無料放送>
「大会ダイジェストのほか、選手たちのオフショット映像も交えた再編集版! 」
辻村明志(つじむら・はるゆき)プロフィール
1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)がある。
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