宣言解除から1カ月 ゴルフ場のコンペ予約は増えるも大口予約はまだ先
緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置が解除されて1カ月が経過したコースの変化をリポート。
配信日時:2021年11月10日 15時30分
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が解除されて約1カ月。1万人を上限としていた大規模イベントの観客数の制限が解除され、酒類提供については認証店に限って通常営業が可能になるなど、コロナ感染対策への規制が緩和されつつある。
300万円ゲットで笑顔の葭葉ルミ
宣言解除前日の9月30日、ゴルフ場に今後の対応を問い合わせた時点では、年末にかけて落ち込んでいるコンペの数が回復するだろうと予測する声が返ってきた。それから時間が経ち、現状を改めて聞いた。
300万円ゲットで笑顔の葭葉ルミ
宣言解除前日の9月30日、ゴルフ場に今後の対応を問い合わせた時点では、年末にかけて落ち込んでいるコンペの数が回復するだろうと予測する声が返ってきた。それから時間が経ち、現状を改めて聞いた。
「『飲めないなら別のコースに』とおっしゃるお客様が多かったですよ」と言うのは、福島県にあるゴルフ場支配人。重点措置が出されていた期間は、行政の指導に基づき酒類の提供を控えた。その結果、予約数が減っただけでなくレストランの売り上げも落ちた。酒類の提供を再開してからは売り上げも徐々に戻り、コロナ前とまではいかないものの、例年の数字に近づいてきている。
同じく重点措置が出されていた山梨県は、9月12日と早い段階での解除。感染防止対策済みの店舗に限っては、アルコールを提供する店もほぼ通常通りの営業が可能と県の対応も話題になっていた。
同県にある「富士桜カントリー倶楽部」は、男子ツアー「フジサンケイクラシック」開催地として知られる。一度はプレーしたいコースと名前が挙がることも多いが、ここでもアルコールが飲めないことを理由に予約がキャンセルされることもあった。解除日翌日からアルコールを提供し始めたところ、利用客からは喜びの声が寄せられたという。
現在は予約が増加しコロナ以前よりも好調。3、4組のコンペが多く、12月中旬のクローズまで盛況となっている。
都内にあるコースでは、宣言明けからコンペ後のパーティーを受け始めた。解除を受けてアルコールを注文する客も多く、年末に向けてのコンペやそのあとのパーティーへの問い合わせも増加。福島、山梨、東京と聞いてみたがゴルファーの動向に地域差はあまりないことが分かった。
取材を進める中で、宣言中でもアルコールを提供していた東北地方のコースに話を聞くことができた。「通常通りアルコールを提供していましたが、注文する人は少なかったです」。アルコールを求めるゴルファーがいる一方で、自粛する人も少なくなかったようだ。
アルコールを避ける動きは当然、コンペ後のパーティーにもあらわれている。このコースでは、解除後のパーティー数は増加しているものの、表彰式はソフトドリンクで乾杯。食事はせず、賞品をもらって終了というスタイルが定着してきている。
全国の146コースを運営する、ゴルフ場運営最大手「パシフィックゴルフマネージメント株式会社(PGM)」にも状況を尋ねた。10月、11月(5日時点)での予約は昨年に比べて105%の伸びを見せて好調。年末年始の見通しも明るく、予約数は昨年に比べて120%。同社の広報担当者は「年末年始の予約が回復して好調を維持しています」と声を弾ませる。ただし、コンペのパーティー件数については昨年とほぼ同じ。19年との比較では30%程度とかなり落ち込んでいるという。
解除後のアルコールの提供については、コースのある自治体の指示を順守した。酒類を提供しないことでのキャンセルについて聞いてみると、「そういった話は特に聞いていませんが、今後のアルコールの販売は増えていくのではないでしょうか。ただ、飲酒運転の問題もありますし、平常時でも酒類の提供を強く押し出すことはしていません」。
同担当者は、コロナ禍で良いこともあったと話す。いわゆる、30代以下の若年層ゴルファーが昨年の1〜10月と比べ20%増えた。40代以上も10%の増加。女性ゴルファーに絞ってみても、30代以下が35%増と好調。
若い層が増えたことについて同担当者は、次のような見解を示している。「ゴルフは密にならないスポーツとして人気になりました。しかしそれだけではなく、スループレーなどプレースタイルの選択肢が広がったことも、予約につながっているのではないでしょうか。以前は、数か月前からコンペの予約でほぼ埋まっていました。それが現在は、コンペが少なくなったことで、プライベートの単組予約が取りやすくなっています」。突然思い立ち行動するといった、若い世代の嗜好に状況が合っているのかもしれない。
若年層ゴルファーを増やすのは業界としての課題。それが、コロナ禍という厳しい状況下にもかかわらず、明るい兆しを見せている。担当者も、「うれしくはありますが、複雑な思いもあります。この状況を維持するためには、プレースタイルが選択できるといった、様々な取り組みが必要と感じています」。
解除から1カ月が経ち、コンペの予約が伸びてきていること、アルコール販売が好調なことなどが分かった。しかし、話しを聞いたコースでは、企業などが主催する大口のコンペの予約はまだないという。大口の予約が入ってきてこそ、通常に戻ったと言えるのだろう。
同じく重点措置が出されていた山梨県は、9月12日と早い段階での解除。感染防止対策済みの店舗に限っては、アルコールを提供する店もほぼ通常通りの営業が可能と県の対応も話題になっていた。
同県にある「富士桜カントリー倶楽部」は、男子ツアー「フジサンケイクラシック」開催地として知られる。一度はプレーしたいコースと名前が挙がることも多いが、ここでもアルコールが飲めないことを理由に予約がキャンセルされることもあった。解除日翌日からアルコールを提供し始めたところ、利用客からは喜びの声が寄せられたという。
現在は予約が増加しコロナ以前よりも好調。3、4組のコンペが多く、12月中旬のクローズまで盛況となっている。
都内にあるコースでは、宣言明けからコンペ後のパーティーを受け始めた。解除を受けてアルコールを注文する客も多く、年末に向けてのコンペやそのあとのパーティーへの問い合わせも増加。福島、山梨、東京と聞いてみたがゴルファーの動向に地域差はあまりないことが分かった。
取材を進める中で、宣言中でもアルコールを提供していた東北地方のコースに話を聞くことができた。「通常通りアルコールを提供していましたが、注文する人は少なかったです」。アルコールを求めるゴルファーがいる一方で、自粛する人も少なくなかったようだ。
アルコールを避ける動きは当然、コンペ後のパーティーにもあらわれている。このコースでは、解除後のパーティー数は増加しているものの、表彰式はソフトドリンクで乾杯。食事はせず、賞品をもらって終了というスタイルが定着してきている。
全国の146コースを運営する、ゴルフ場運営最大手「パシフィックゴルフマネージメント株式会社(PGM)」にも状況を尋ねた。10月、11月(5日時点)での予約は昨年に比べて105%の伸びを見せて好調。年末年始の見通しも明るく、予約数は昨年に比べて120%。同社の広報担当者は「年末年始の予約が回復して好調を維持しています」と声を弾ませる。ただし、コンペのパーティー件数については昨年とほぼ同じ。19年との比較では30%程度とかなり落ち込んでいるという。
解除後のアルコールの提供については、コースのある自治体の指示を順守した。酒類を提供しないことでのキャンセルについて聞いてみると、「そういった話は特に聞いていませんが、今後のアルコールの販売は増えていくのではないでしょうか。ただ、飲酒運転の問題もありますし、平常時でも酒類の提供を強く押し出すことはしていません」。
同担当者は、コロナ禍で良いこともあったと話す。いわゆる、30代以下の若年層ゴルファーが昨年の1〜10月と比べ20%増えた。40代以上も10%の増加。女性ゴルファーに絞ってみても、30代以下が35%増と好調。
若い層が増えたことについて同担当者は、次のような見解を示している。「ゴルフは密にならないスポーツとして人気になりました。しかしそれだけではなく、スループレーなどプレースタイルの選択肢が広がったことも、予約につながっているのではないでしょうか。以前は、数か月前からコンペの予約でほぼ埋まっていました。それが現在は、コンペが少なくなったことで、プライベートの単組予約が取りやすくなっています」。突然思い立ち行動するといった、若い世代の嗜好に状況が合っているのかもしれない。
若年層ゴルファーを増やすのは業界としての課題。それが、コロナ禍という厳しい状況下にもかかわらず、明るい兆しを見せている。担当者も、「うれしくはありますが、複雑な思いもあります。この状況を維持するためには、プレースタイルが選択できるといった、様々な取り組みが必要と感じています」。
解除から1カ月が経ち、コンペの予約が伸びてきていること、アルコール販売が好調なことなどが分かった。しかし、話しを聞いたコースでは、企業などが主催する大口のコンペの予約はまだないという。大口の予約が入ってきてこそ、通常に戻ったと言えるのだろう。