第12回 ゴルフは移動が9割 「同じリズムで歩くこと」の意味【小田美奈のキャディ目線】
かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!
配信日時:2022年3月24日 02時30分
いよいよゴルフシーズン到来!ということで、きょうから使えるラウンドのコツを紹介。宮里藍の専属キャディを経て、現在某ゴルフ場でハウスキャディとして働いている小田美奈さんに聞いた「同じリズムで歩くこと」の意味とは。
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渋野日向子もスイングを意識して歩くリズムを変えていた!【写真】
お彼岸も終わり、いよいよ暖かい日が増えてきました。私が勤めるゴルフ場でも、半袖でプレーをされるお客様の姿がちらほら。あちらこちらで花が咲き始め、景色を見ることも楽しい時期です。そこで、たまにはカートを下りて、歩き方について考えながらゴルフをするのはいかがでしょうか。
ゴルフというスポーツは、動作の9割が移動。つまりはそこに意味、もしくは利用できるものを考えない手はありません。私が現役でプロキャディをしていた頃、リズムがあり、変化する風景があり、会話する余裕もある移動の時間には、選手のなかの何かを変えていくのに十分な要素があると考えていました。その中でも、一番影響があると感じていた「歩くリズム」についてお話したいと思います。
ツアー観戦経験者の方ならわかると思いますが、男子プロの歩くスピードは皆さんが思っているよりもかなり速いです。焦っているわけではなく、それが通常。女子ツアーから男子ツアーに戻ると、かなりその差を感じたものでした。しかし、それが当たり前になってしまえば、そのリズムが崩れることは何らかの影響によるものであると感じることができるようになります。
歩くリズムの速さには、時に感情が表れるもの。例えば、焦れば速くなり、何かを考えている時や疲れてきたときなどは遅くなるということ。逆に、歩くリズムを変えることでスイングのリズムが変わり、球筋が変わり、ゴルフの内容が変わってくることも。
一般ゴルファーの場合でも、流れが良いとなんとなく気持ちの良いショットが続き、待たされたり急かされたりすると調子を崩す…なんて経験、ありませんか?
いつもの自分の歩くリズムがわかれば、歩く速さが違っていることに気が付くこともできます。リズムが変化していることに気づいたら、元に戻すことを意識します。次に打つときまで歩いている時間はたっぷりあるので、その間に元の速さに戻し、身体を慣らすことが大切です。
これらのことができるのも、体に歩くリズムがしっかり染み込んでいてこそのもの。自分のリズムを知り、状況を考え、見直し、それを変えていくことができれば、9割の移動という時間に大きな意味が生まれてくると思うのです。
あまりにもうまくいかないときや、前の組と離れてしまったときなどは、カートを利用して一息つく努力をすることもハウスキャディとしてはおすすめさせていただきますが、せっかく気持ちの良い時期なので歩けるときは景色を楽しみつつ歩いていただけたらなと思います。もちろん、無理は禁物ですが。
メンタルに左右されることなく、一定のリズムで歩くことができるようになることが目標です。何事にも左右されないメンタルがあれば最高なのですが、なかなかそれは難しいですね。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝に貢献。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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渋野日向子もスイングを意識して歩くリズムを変えていた!【写真】
お彼岸も終わり、いよいよ暖かい日が増えてきました。私が勤めるゴルフ場でも、半袖でプレーをされるお客様の姿がちらほら。あちらこちらで花が咲き始め、景色を見ることも楽しい時期です。そこで、たまにはカートを下りて、歩き方について考えながらゴルフをするのはいかがでしょうか。
ゴルフというスポーツは、動作の9割が移動。つまりはそこに意味、もしくは利用できるものを考えない手はありません。私が現役でプロキャディをしていた頃、リズムがあり、変化する風景があり、会話する余裕もある移動の時間には、選手のなかの何かを変えていくのに十分な要素があると考えていました。その中でも、一番影響があると感じていた「歩くリズム」についてお話したいと思います。
ツアー観戦経験者の方ならわかると思いますが、男子プロの歩くスピードは皆さんが思っているよりもかなり速いです。焦っているわけではなく、それが通常。女子ツアーから男子ツアーに戻ると、かなりその差を感じたものでした。しかし、それが当たり前になってしまえば、そのリズムが崩れることは何らかの影響によるものであると感じることができるようになります。
歩くリズムの速さには、時に感情が表れるもの。例えば、焦れば速くなり、何かを考えている時や疲れてきたときなどは遅くなるということ。逆に、歩くリズムを変えることでスイングのリズムが変わり、球筋が変わり、ゴルフの内容が変わってくることも。
一般ゴルファーの場合でも、流れが良いとなんとなく気持ちの良いショットが続き、待たされたり急かされたりすると調子を崩す…なんて経験、ありませんか?
いつもの自分の歩くリズムがわかれば、歩く速さが違っていることに気が付くこともできます。リズムが変化していることに気づいたら、元に戻すことを意識します。次に打つときまで歩いている時間はたっぷりあるので、その間に元の速さに戻し、身体を慣らすことが大切です。
これらのことができるのも、体に歩くリズムがしっかり染み込んでいてこそのもの。自分のリズムを知り、状況を考え、見直し、それを変えていくことができれば、9割の移動という時間に大きな意味が生まれてくると思うのです。
あまりにもうまくいかないときや、前の組と離れてしまったときなどは、カートを利用して一息つく努力をすることもハウスキャディとしてはおすすめさせていただきますが、せっかく気持ちの良い時期なので歩けるときは景色を楽しみつつ歩いていただけたらなと思います。もちろん、無理は禁物ですが。
メンタルに左右されることなく、一定のリズムで歩くことができるようになることが目標です。何事にも左右されないメンタルがあれば最高なのですが、なかなかそれは難しいですね。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝に貢献。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。