思ったよりも飛んでいない。スライス回転がいつもより強い。それらの原因が、外的要因によるものか、スイングによるものかを考える際、芯にしっかり当たっているのかどうかを判断するのに、インパクトの音が重要な情報となる。宮里藍の専属キャディを経て、現在某ゴルフ場でハウスキャディとして働いている小田美奈さんに聞いた、インパクトの音からわかること。
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どうして上田桃子はトゥ寄り、稲見萌寧はヒール寄りに当たる？【写真】

お客様の中に、たまにフェース面にボールをどこで打ったかわかるシール、『インパクトマーカー』というものを付けていらっしゃる方がいます。フェース面のどこに当たったのか、その色が変わることで教えてくれるそれは、ゴルフショップで試打をする際にも貼られるので、見たことがある人は多いと思います。

フェースのどこに当たっているかを知ることは、どこにヘッドが下りて来ているかを知るうえで重要な情報。打った後にそのシールを確認することで、自分のスイングが今どうなっているかを知る目安にもなります。

多くのゴルファーは、打感でどの辺りに当たった判断をしていると思います。打った時の感触は、とても大切な情報です。しかし、キャディの場合はそれを感じることができません。それでもフェース面のどこに当たっているか、どんな風に当たっているかは大事な情報。そのため、インパクトの音で判断するようにしています。

フェース面のどこにどのように当たったかの情報は、球がどちらの方向にどんな球筋で行くかを知るうえで必要な情報です。出球の方向を確認しながらインパクトの音で球の回転を知ることで、ボールがどんな球筋を描き、どの辺りに飛んでいくかをある程度知ることができるからです。

ボールの頭を叩いてしまった音、ダフッたときの音など、わかりやすいものはもちろん、ヒールに当たった音や先っぽに当たった音も、慣れれば微妙な違いを判別できるようになります。ラフからフライヤーをしているかどうかも、音でわかります。クラブによって差はありますが、ヒールの時はくぐもった音、こすった時の擦れるような音など、その特徴はほぼ同じです。ウッド、アイアン、パターでも、それぞれにその判断ができる音があります。

インパクトの音が教えてくれる情報は非常に多いので、フェース面にボールを落として、どんな音が出るか、確認してみるといいかもしれません。

■小田美奈／おだみな　元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。