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    ゴルフ前夜の入浴は諸刃の剣「睡眠を妨げることも」【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    ゴルフ前日は、お風呂に入って心地よく眠りたいもの。しかし場合によって、かえって睡眠を妨げることもあるという。「いい睡眠には、湯温、時間、タイミングが大事です」という順天堂大学医学部の小林弘幸教授に、ぐっすり眠るための入浴法をお聞きした。

    配信日時:2023年5月4日 22時30分

    • ゴルフライフ
    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    「ラウンド前夜はゆったり過ごし、最低5時間はいい睡眠を取りましょう」と、お話しを前回いたしました。今回は、ゆったり過ごすために欠かせない入浴について考えてみましょう。

    皆さんはゴルフへ行く前の晩、どんな入浴をしていますか?
    A 寝る直前に熱めのお風呂に浸かり、体を温める
    B 帰宅後、浴室に直行してシャワーだけさっと浴びる
    C 食休み後、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
     
    ■ややぬるめの湯船に15分浸かるのが理想
     
    それぞれのやり方で体を清潔にし、心身ともリラックスするのが一番ですが、自律神経を整えていい睡眠につなげるのにオススメなのはCです。ここで大事なのは、ややぬるめの湯船にある程度の時間浸かること。
     
    それによって少しずつ体が温まり、血管が拡張して血行が促進されるからです。私の場合ですと、冬場は40~41度に設定したバスタブに15分入ります。42度だと熱すぎます。さらに春を過ぎて気温が上がってきたら、39~40度に調整します。
     
    最初の5分は首まで浸かり、あとの10分はみぞおちの辺りまで。トータル15分ほどで、うっすら汗をかくくらいが目安です。
     
    血流がよくなると副交感神経の働きもよくなってリラックスモードに入ります。お風呂から上がって少したつと交感神経の働きが落ち着いて自律神経のバランスが整い、ぐっすり眠れます。ゴルフ当日の目覚めもすっきりするでしょう。
     
    ■熱い湯で寝る直前にシャワーだけでもOK
     
    C以外の二つは、睡眠に悪影響を与えてしまいます。特に気をつけていただきたいのはAです。42度以上の熱いお湯に入ると体に力が入ります。それは、交感神経が急に高まって血管が収縮しているからなのです。
     
    自律神経は乱れて血圧が上がり、鼓動が速くなるなど体への負担が大きくなりますので、ゴルフ前夜に限らず熱いお風呂は避けるべきです。
     
    入浴時間も軽視できません。お風呂に入ると多かれ少なかれ交感神経が上がり、心身は興奮状態にあります。ですから、お風呂から上がってすぐ布団に入ったのに、なかなか寝つけなかったということにもなるのです。
     
    先ほどもいいましたが、夜は副交感神経が高まり、交感神経が落ち着いてくることで自律神経のバランスが整います。入浴後少し時間がたち、体の興奮やほてりが冷める過程で自然にゆっくり両者が入れ替わるから心地よく眠りにつけるのです。
     
    ゴルフ前日こそ、布団に入る1時間前には、お風呂から上がって静かに過ごしましょう。
     
    また、暖かくなってくるとBのケースも多くなると思いますが、シャワーだけの入浴もお勧めできません。体の深部体温を下げ、副交感神経の働きを低下させてしまい、リラックスできないからです。
     
    いい睡眠にもつながりません。それを逆に利用して、ラウンド後にゴルフ場で汗を流すときは、湯船に浸からずシャワーだけ浴びるようにすれば、帰りの運転で眠くなりにくくていいでしょう。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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