＜長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント　最終日◇8日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(7,127ヤード・パー72)＞

　国内男子ツアー「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」。トータル12アンダー首位タイからスタートしたイ・キョンフン(韓国)が、最終日7つスコアを伸ばす圧倒的なゴルフを見せて、トータル19アンダーでプロ初優勝を飾った。

イ・キョンフンのプロフィールなど

　最終日最終組でスタートしたイは、序盤から同組の金亨成(キム・ヒョンソン)(韓国)と競い合うようにバーディ合戦を展開。8番のボギーで一歩後退したものの、10番、13番、14番とバーディを奪いキムをとらえると、17番で「決定的だった」と語るセカンドショットで1メートルにつけバーディ。単独首位で迎えた最終ホールでもセカンドをグリーンサイドまで運びバーディフィニッシュ。右拳を振り下ろし喜びを爆発させた。18番グリーンから下りると韓国プロ仲間から背中を叩かれる手荒い祝福。石川遼ばりの赤いパンツで決めた新星は輪の中でもみくちゃにされた。

　イは石川遼と同じ20歳。アマチュア時代は松山英樹、薗田峻輔、川村昌弘といった面々と技を磨きあい、K・J・チョイ、Y・E・ヤンといった母国の英雄にあこがれてプロに転向。先輩プロの誘いを受けて昨年の日本ツアーQTに挑戦し見事トップ通過を果たすと、今季はここまで3試合でトップ10入りを果たすなどその実力を発揮。そして、今大会でゴルフを始めた13歳からわずか7年で日本ツアー優勝の快挙を成し遂げた。

　300ヤード近い平均飛距離に、アイアンからショートゲームまで高レベルで安定している姿は昨年の賞金王ベ・サンムン(韓国)とかぶる。今大会の優勝で賞金ランキングは2位に浮上。ベ、そして金庚泰(キム・キョンテ)(韓国)が初優勝を挙げたのをきっかけに賞金王まで登りつめたように、この大型ルーキーが韓国勢3人目の頂点に立つ可能性も十分にある。「最終目標はPGAツアーで優勝すること。もっと日本で沢山学んでからアメリカにいきたい」と謙虚なコメントを残したが、日本の頂点に立てばその先に広がるのは夢の舞台。それを意識していないはずはない。