＜日本オープン　初日◇11日◇那覇ゴルフ倶楽部(7,176ヤード・パー71)＞

　シード落ちから復活のきっかけをつかんだのもこの「日本オープン」だった。鷹の台CCで開催された2011年大会。予選会から出場し3日目を単独首位で終えた佐藤信人は、最終日こそスコアを落としたものの3位フィニッシュ。ビッグタイトルでの活躍が効いて3年ぶりのシード権を手にすると、舞台を沖縄・那覇GCに移して開幕した「日本オープン」初日を1オーバーで回り首位タイスタートを決めた。

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　シード復帰を果たしたものの、今季はここまで予選通過わずかに4試合。「ここまで稼げないとは…。実力をまったく出せていないとは思えないけど、ツアーのレベルも上がっているし、良いゴルフしないと予選を通れない」と苦しい状況の中で大一番を迎えた。

　この日は10番、12番でバーディを奪うと、その後はじっと我慢のゴルフ。「辛いなというか、しんどいというか、気が狂いそうというか」。それでも、強風の中3つのボギーにとどめ、「良いスコア…なんだと思う」とまずは初日を上位で終えたことに胸をなでおろした。

　ツアー通算9勝。メジャータイトルも3つ保持するベテランは腰痛の悪化やパターイップスに苦しめられ、近年は精彩を欠いていた。シード選手として戦う今季も、ティショットに悩みを抱え満足のいくプレーができているわけではない。しかし、戦う気力は衰えていない。「去年みたいにかみ合えば一発はあると思う」。2年越しの日本オープン制覇へ、賞金ランキング111位の42歳が鋭い目を前に向けた。