最終組のプレーを見届けてアテストエリアから出てきた岩田を待っていたのは、11年分の手荒い祝福。大学で同級生の宮里優作、毎年合宿を共にする谷口徹が涙ながらに浴びせてくるウォーターシャワーを全身で受け止めて、ポーカーフェイスの33歳は初めて大きな笑顔を弾けさせた。
切れ味鋭いショットに、ツアー仲間もうらやむパッティングセンス。しかし、有り余るポテンシャルとは裏腹に誰よりも期待されてきた勝利からは見放され続けてきた。それでも、そんな雌伏の時を苦しみに感じたことはなかった。「そんなに苦労してきたわけではない。好きですからゴルフが」。どれだけ優勝のチャンスを逃しても、シードを落としそうになっても、ポーカーフェイスに思いは隠してただ黙々と自分と向き合い続けた。
今振り返れば「6年前に勝たなくて良かったと思う。当時だったら調子に乗ってその後シード落ちしていたかもしれない」。プロ生活11年での初優勝にも「短くも長くも感じていない」と特別な思いはない。それは、そのポーカーフェイスのように何にも揺るがない“岩田寛のゴルフ”を作るための時間。そこに優勝という勲章が加わっても、「変わりたくないですね。今までやってきたことを明日からもいつも通りやるだけ」。
ウィニングボールは“いつも通り”18ホールプレーを記録してくれたボランティアのマーカーさんに惜しげもなくあげた。その行動にこそ、何にも揺るがない強さを見せた岩田の11年の歩みが表れていた。
切れ味鋭いショットに、ツアー仲間もうらやむパッティングセンス。しかし、有り余るポテンシャルとは裏腹に誰よりも期待されてきた勝利からは見放され続けてきた。それでも、そんな雌伏の時を苦しみに感じたことはなかった。「そんなに苦労してきたわけではない。好きですからゴルフが」。どれだけ優勝のチャンスを逃しても、シードを落としそうになっても、ポーカーフェイスに思いは隠してただ黙々と自分と向き合い続けた。
今振り返れば「6年前に勝たなくて良かったと思う。当時だったら調子に乗ってその後シード落ちしていたかもしれない」。プロ生活11年での初優勝にも「短くも長くも感じていない」と特別な思いはない。それは、そのポーカーフェイスのように何にも揺るがない“岩田寛のゴルフ”を作るための時間。そこに優勝という勲章が加わっても、「変わりたくないですね。今までやってきたことを明日からもいつも通りやるだけ」。
ウィニングボールは“いつも通り”18ホールプレーを記録してくれたボランティアのマーカーさんに惜しげもなくあげた。その行動にこそ、何にも揺るがない強さを見せた岩田の11年の歩みが表れていた。