それを見た池田のスイッチも、ここで入った。池田にとっては正岡は先輩ながら実績では下回る相手。17番は2.5メートルのパーパットを残す場面。「あそこでバーディ、ボギーだと並ばれる。仮に外すと流れが向こうに行くのもわかっている。自分が正岡選手を引っ張ってる以上は、リードするのは許さないと感じたパーパット。あれを入れたのは見事。口には出さないけど、“負けねぇぞ”という見せた場面。正岡選手にしてみたら“勇太やっぱりすげー”と思わされた場面だったと思う」
■凝縮された池田勇太の底力と人間味
3日目だったため、優勝争いという雰囲気にはならなかったが、池田の勝負師としての一面が見えた上がり2ホールだった。17番で主導権を渡さなかった池田は、18番でも先に正岡にアプローチを寄せられるも、きっちりバーディを奪って1打リードを保ったままフィニッシュして見せた。「あそこでダラッとしないのが、賞金王という立場を自覚している選手の素晴らしいところ」。年間を通じてそうしたプレーを貫いてきたことが現在の結果にも表れている。
シードがかかった正岡を盛り上げたい気持ちと、負けられない意地。「池田勇太の人間味が色濃く出た試合だったと思う。正岡選手を引っ張っていかないととか、いろんな思惑が渦巻いていた中、しっかり1つ1つ処理しているのが見事だった。池田選手は不器用だけどゴルフ界のことをものすごく考えているし、人間としても成長していると思う。表現の仕方は上手くないかもしれないけど、純粋だと思う。そういうところがすごく良いと思う」池田の底力と人間味が凝縮された今季3勝目だった。
【解説・田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める】
■凝縮された池田勇太の底力と人間味
3日目だったため、優勝争いという雰囲気にはならなかったが、池田の勝負師としての一面が見えた上がり2ホールだった。17番で主導権を渡さなかった池田は、18番でも先に正岡にアプローチを寄せられるも、きっちりバーディを奪って1打リードを保ったままフィニッシュして見せた。「あそこでダラッとしないのが、賞金王という立場を自覚している選手の素晴らしいところ」。年間を通じてそうしたプレーを貫いてきたことが現在の結果にも表れている。
シードがかかった正岡を盛り上げたい気持ちと、負けられない意地。「池田勇太の人間味が色濃く出た試合だったと思う。正岡選手を引っ張っていかないととか、いろんな思惑が渦巻いていた中、しっかり1つ1つ処理しているのが見事だった。池田選手は不器用だけどゴルフ界のことをものすごく考えているし、人間としても成長していると思う。表現の仕方は上手くないかもしれないけど、純粋だと思う。そういうところがすごく良いと思う」池田の底力と人間味が凝縮された今季3勝目だった。
【解説・田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める】