しかし、連続バーディを奪った終盤の16番パー5と17番パー3では、こんなエピソードも。「16番（の3打目）は『ピンに打っちゃいけないよ』ってキャディさんに言われながら、アプローチがピンにいってしまって、ちょっとオーバーしてしまった」。それでも5メートルのバーディパットをしっかり決めきる。

続く17番のティショットでも「そこもキャディさんに『ピンを狙っちゃいけないよ』って言われて。でもピンの方向に打ってしまった」。それを60センチにつけるスーパーショットでバーディに。セーフティにいきたいキャディの意思には反したが、河本の攻めの気持ちが良い方向に働いた。

スコアをスタートの2オーバーに戻した最終18番では、ティショットを左の深いラフに入れてピンチを迎えた。「キャディさんに『手前20ヤードのクラブでいいから』って言われて、8番アイアンを持って、上手く転がして打ちました。（3打目の）アプローチも本当に上手く打てて、キャディさんも褒めてくれたんです」。

最後は微妙なパーパットが残ったが、「キャディさんが『あのアプローチは良かったから、自分に自信を持って打ったら最後は入るよ』って言ってくれた。本当にバックナインは気持ちでスコアをつくれたと思います」。無理をせずにマネジメントした結果、見事なパーセーブでラウンドを締めた。

今大会は初出場で予選通過。メジャーでは「ANAインスピレーション」に続いて2試合連続の決勝進出となった。「うれしいですけど、とにかく自分の精一杯のゴルフをこの舞台でするというのが今週の目標。どれだけ自分の実力が通用するのか、もっと足りない部分を知りたいので、とにかく精一杯のプレーをしたいなと思います。トップ5に入れるように、明日はアンダーパーで回れるように頑張りたい」と、まだまだ現状に満足はしてない。

それでも今日の自己採点について聞かれると、「今日のゴルフは、後半は95点ぐらいも付けられますけど、前半でちょっともったいないミスがあったりしたので70点ぐらいかなとは思います。でも気持ちが120点なのでいいと思います」。最後は河本らしい表現で締めた。