そういえば、さすがタイガーの組だけあって、何人も警備がついているのですが、彼らもタイガーが打つときだけは一挙手一投足を見守っていました。そりゃ見たいですよね、中々無いチャンスですもん（仕事はもちろんちゃんとしていました）。

タイガーの組に付くときはとにかく急いで行ったのであまり考えていませんでしたが、ホールを経るごとに、バーディを奪うたびに「これ優勝しちゃったらどうするんだろ」という気持ちが込み上げてきました。世界的なビッグニュース。その場にはいるけど、英語はさっぱり分からない（2週間笑顔で乗り切りました）私にできることはなんだろう。デスクからは「とにかくタイガーにべったり付いていろ」と言われていたけど…。ということで事細かに、一挙手一投足を見てメモを取ることだけはしっかりやろうと頑張りました。

結果はご存じの通り、残念ながら優勝できず2位。それでも最後にバーディを獲るあたりはさすがです。ギャラリーも惜しみない拍手を送っていました。それにキャップを取って応えるウッズ。日が沈み始めたのも含めて、とても素晴らしいシーンでした。

ウッズに勝ったのはアメリカの長距離砲ブルックス・ケプカ。同組のアダム・スコットのパットを残して先にウイニングパットを打ったのは「すごく短かったし、彼のパッティングの邪魔をしたくなかったから（となりの船越先生《♯13参照》に翻訳してもらいました）」だそうです。とはいえ、いきなりお先に打ったから、カメラマンのみなさんはさぞ困惑したでしょう。最後のガッツポーズを撮るために72ホール以上歩いていると言っても過言ではないのに…。でも、それを考慮してもスコットのパターを邪魔したくなかったんでしょうね。

そんなケプカさんはこれで198万ドルを獲得。日本円で2億円以上です。そしてグリーン上では綺麗な彼女さんと喜びを分かち合っていました。ドライバーを持てば350ヤード以上飛ばす力を持っています。こういう人を素直に祝福できることが、大人への第一歩だと思います（冗談です。1年でメジャー2勝。本当におめでとうございます！）。

そしてウッズ。勝てませんでしたが、とても素晴らしいプレーを見せてくれました。私を含め、今日のプレーを見た人は一生忘れないでしょう。次のマスターズでは、グリーンジャケットを羽織ってください！（その前に年間王者になっているかも）。