世界を代表するアスリートして、常に注目を浴び続けてきたウッズも42歳。世間一般でいわれるピークを越えてからの復活劇に、「この勝利はものすごく大きい。私の近くにいた人たちは、私がどれだけ苦しんできたか知っている。彼らが本当に助けてくれた」と、周囲のサポートに感謝した。

最終ホールは、久しく見ることができなかった光景が広がった。ウッズ復活劇を見ようと押し寄せた大勢のギャラリーがフェアウェイに入りこみ、まるで優勝行進のように、ウッズと同組のローリー・マキロイ（北アイルランド）がグリーンに向かう後ろに続いた。「後ろを振り返ったら、フェアウェイの半分はギャラリーで埋まっていた」と、かつてのフィーバーを思い起こさせる光景に白い歯を見せた。

「歩くことも、座ることもできなかった」という腰の激痛と闘い、第一線に戻り完全復活。そんなウッズの戦いをそばで見続けてきた子どもたちに、ようやく勝利の瞬間を見せることができたことを喜ぶ。「子どもたちも私が何をしているか、理解できるようになっている。彼らが覚えているような年齢で優勝していなかったので、彼らにとってもこの勝利はこれまでと違うと思う」。

これでツアー通算82勝のサム・スニードの記録にあと2つと迫った。「80勝できたことはとても大きい。まだサムが私の上にいるけど、いつか抜けるかもしれない。42歳でまたプレーできることを幸運に思う。周りの人が支えてくれたからだ」。家族をはじめ、ウッズ復活を信じてきた人たち、世界中のタイガーファンが待ち望んでいた勝利。一度地に落ちたスーパースターが、再び主役の座に戻ってきた。