<アーノルド・パーマー招待 3日目◇9日◇アーノルド・パーマーズ ベイヒルC&L(フロリダ州)◇7466ヤード・パー72>
強風が吹いた3日目。右ドッグレッグの10番パー4(401ヤード)で、ローリー・マキロイ(北アイルランド)はドライバーを手にした。木とギャラリーの上を越えたマキロイのティショットはフォローの風に乗ってグリーン手前から転がると、なんと前の組のジャスティン・ローワー(米国)らがプレー中のグリーンにオン。大歓声がコースに響いた。
同ホールでの1オン達成は2003年にショットリンクが導入されて以来初。マキロイは「グリーンの近くに行けばいいと思って打った。まさか乗るとは思っていなかった」とうれしい誤算だった。
約20メートルから2パットにまとめてこの日初バーディを奪った。これが起爆剤となり、12番パー5も20メートルに2オンしてバーディ、13番パー4では8メートルを沈めると、上がり3ホールは圧巻の3連続バーディ。前半は2つ落としていたが、バックナインで「30」をマークし、一気に上位へ駆け上がった。
「10番でグリーンに乗ったのは初めて。ここ2年ほどで飛距離は伸びているんだ。後半の良い勢いになった」とマキロイ。10度目の出場となる今大会では2018年に勝利を挙げており、過去に6度のトップ10と好相性を誇っている。
4打差を追いかける最終日に向けては「コンディション次第」としながらも「このコースで追い上げを目指すと、簡単にコースの罠に落ちてしまう」と慎重な姿勢を見せる。「アグレッシブなラインで攻めると、硬いグリーンでショートサイドに行ってしまう。あしたはどれだけ我慢できるかが大事になる」。逆転勝利を目指す。(文・武川玲子=米国在住)