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    元シャフトメーカー社員が、厳しい目で『ディアマナZF』を試打してみた!

    つい最近まで某シャフトメーカーに長年従事していた、自身も競技ゴルファーの甲斐哲平氏。古巣とはライバルだった、三菱ケミカルの新作『ディアマナZF』を厳しい目で試打すると?

    配信日時:2019年7月8日 04時06分

    • ギア
    目次 / index
    • 外ではグレーに見えますが、光の加減でホログラムに
    • 「フジクラの40g台より、手元側が太いはず」(甲斐氏)
    • ライバル社にいただけあって、調子の表記に疑問を感じるそう…
    • 「ボクのエースの『エボ4』にも近い気がするんだよなぁ・・・」(甲斐氏)
    • ブラインドで手渡した【70X】ですが、やっぱりど真っ直ぐ……(泣)
    • 走るのに、先端は動かない。だから、打点を外してもフェースがブレないそう
    この記事の写真 7 枚を見る

    シルバー&ホログラム。『ディアマナZF』のコスメに脱帽

    外ではグレーに見えますが、光の加減でホログラムに

    外ではグレーに見えますが、光の加減でホログラムに

    既に何度もお伝えしている三菱ケミカルの新作『ディアマナZF』シリーズ。マニアックチーム試打では、40g台をお伝えしたが、『ディアマナ』と言えば、元々アスリートブランド。というわけで、今回は競技者でもある、元シャフトメーカー社員だった甲斐哲平氏に試打を依頼することにした。理由は言うまでもなく、最新シャフトに最も厳しい目を向けられるはずの人物だから。

    「シャフトのテスターとして長年やってきたので、厳しく三菱の新作を見たいと思います。コスメは相変わらずいいですね、シルバーで映り込みをするデザイン。ロゴ部分がホログラム調で、質感がいいです。この部分だけで欲しくなってしまうゴルファーは多いと思います」(甲斐氏)

    と、「厳しくいく」と言いつつも、のっけかからコスメに褒め言葉が飛び出す甲斐氏。今作『ディアマナZF』について、「事前に情報を見ていない」と言い、筆者が情報を与えようとすると「前情報は要りません。余計な先入観が入ってしまうので、あくまで打った感想で厳しくいきたいので」と、テスターとしてのプライドを覗かせる。

    「下のフレックスからいきましょう。今回『ディアマナ』初の40g台を出したんですよね? しかも、40g台だけでR2、R、SR、S、Xと5フレックスもあるんでしょう? なんか、フジクラやマミヤがやっていたことのお株を奪いにきた印象ですね……。じゃあ、【40R2】から打ってみましょうか」(甲斐氏)

    甲斐 「これ、手元側が太くないですか?」

    「フジクラの40g台より、手元側が太いはず」(甲斐氏)

    「フジクラの40g台より、手元側が太いはず」(甲斐氏)

    ウォーミングアップ無しの1球目から強めの中弾道ドローを放つ甲斐氏。開口一番「これ、グリップ側がしっかりしてる。もしかして、手元側が太くないですか? フジクラの40g台よりも手元が太い気がするなぁ〜」と、打ち込んでいく。ヘッドはタイトリスト『TS1』をセレクトしたが、「めっちゃ振りやすいです。なんか、ヘッドもマッチしてますよね」。

    「グリップが太いせいもあって、フジクラやマミヤの40g台よりもしっかりしている印象はあります。単純に軽量シャフトだからといって、つかまりや高弾道をプラスさせるような軟派な印象はないですね。これは、三菱の『ディアマナ』ブランドだから、当然かもしれませんけど、古巣だったらこうは作りません……」(甲斐氏)

    ※カタログ値で『ディアマナZF』40R2のバット部は15.35mm、『エボV』の474R2は15.20mm

    次なるフレックスを聞くと、「少し飛ばして【40X】で行きましょう」とのこと。これも1球目から、ストレートに飛びだし、5ヤードほどフェードする中・高弾道を放つ。「当たり前ですけど、いきなり硬くなりました(笑)でも、これ、まったく球がよじれない。普通、嫌な感じのショットだと、ボクの球は途中から大きくスライスしたり、フックしたり、飛び出してから曲がるはずなのに。なんか、全然弾道がよじれない気がする」とのこと。

    そして、「すごく走るというか、ついてくる感じです。粘って遅れてくるんじゃなく、三菱なのに走る感じ。でも、インパクトではしっかり押せる。だからよじれないんじゃないかなぁ〜。これ、飛ばせるシャフトだと思いますよ」と語る。

    甲斐 「表示の【中元】はおかしい(笑)」

    ライバル社にいただけあって、調子の表記に疑問を感じるそう…

    ライバル社にいただけあって、調子の表記に疑問を感じるそう…

    次は50g台に移行。まず、【50R】を打つが「やっぱりやさしい」と、なめらかなしなりと、復元の良さを体感し、またもや左に3ヤード曲がるストレートドローを連発する甲斐氏。「やっぱり、よじれない。なんだろう、このシャフト……」とつぶやいている。

    次は【50X】【50TX】【50S】と、一気に打った。その全てのフレックスを1球目から、どストレート弾道を放つ甲斐氏。どのフレックスを打っても毎回「よじれんなぁ〜」となるため、筆者は困惑し始めた。なにしろ、ヘッドは『TS1』の9.5°で変わらないのに、フレックスを替えても毎回曲がらないなど、これまでの取材経験では考えられない。そうこうしていると、元シャフトメーカー社員らしい鋭い指摘が飛び出す。

    「これ、三菱はカタログに【ミッドハイ】って書いてますよね。これが中元なんて、おかしいって(笑)まぁ、メーカーによって調子の表記はさまざまですけど、これを中元と呼んでいいんですかね? 手元側が明らかにしっかりだし、これだけ走るというか先調子っぽいフィーリングもあるのに、【中元】はないでしょ、【中元】は(笑)」(甲斐氏)

    ※カタログ値でキックポイントは45%(Tipから)

    フジクラの歴代『スピーダーエボリューション』とも「似たシャフトが無い」と甲斐氏。「軽量のRやSRは強いて言うなら『エボ3』に近いかもしれませんが、『ディアマナZF』は走るけど、先端も硬くて押せる。フジクラに似たもの……、う〜ん、全部打ってから考えます」。さて、60g台以上はどう評価するのか!?
    次ページ
    ⇒甲斐氏に、筆者が前代未聞の要求

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