【初心者必見】最低限守りたいゴルフマナーを状況別に徹底解説
「ゴルフはマナーに厳しい」というイメージがあるかと思います。確かに、マナーが多いのは事実です。しかし、どれもゴルフ場を気持ちよく利用するためには守るべきものばかり。本記事では、ゴルフにおいてマナーを守るべき理由に加え、これだけは押さえておくべきというマナーを一覧で紹介しています。
配信日時:2023年10月6日 01時48分
1.ゴルフ場でマナーを守るべきたった1つの理由
ゴルフ場を利用する上でマナーを守るべき理由は、他人に迷惑をかけないためです。ゴルフは、基本的に審判がいないスポーツ。誰の目がなくても、ルールはもちろん、マナーやエチケットを守ることで競技が成り立っています。
そんななかで、「自分だけ守らなくても変わらない」と思ってマナー違反をしていると、かえって目立つことになり、他の人の気分を害したり、プレーの進行を遅らせたりといったことにつながりかねません。
始めたばかりの人は「細かすぎる」と思うかもしれませんが、お互いが気持ちよくゴルフ場を利用するために、ルールはもちろん、マナーやエチケットは遵守しましょう。
2.ゴルフで守るべきマナー一覧
ゴルフを楽しむうえで必ず覚えておきたいマナーを一覧にしました。それぞれのマナーをクリックすると解説部分に遷移できます。
【1】来場時のマナー
ゴルフ場を訪れるときにも気をつけるべきマナーがあります。ここでは2つ紹介します。
- ・1時間前にはゴルフ場に到着する
- ・キャディバッグに名札をつける
1時間前にはゴルフ場に到着する
ゴルフ場のスタッフが余裕を持ってクラブの運搬、積み込みをする時間を確保するためにも、余裕を持って1時間前には到着するようにしてください。また、早く着けば練習する時間を十分に確保できます。ショットやアプローチ、パターをラウンド前に確認できれば、自信を持ってラウンドに臨めます。キャディバッグに名札をつける
キャディバッグには必ず名札、ネームプレートをつけるようにしてください。ゴルフ場では基本的に、入口でキャディバッグを預け、カートに積み込んでもらいます。このとき、キャディバッグに名札、ネームプレートがついていないと誰のものか判別できません。特にゴルフを始めたばかりでキャディバッグを知り合いからもらったり、ネットで中古品を買ったりした場合、名札やネームプレートがついていないことがあります。ゴルフ用品店やECサイトで簡単に購入できるため、ラウンド前に購入しておきましょう。万が一忘れてしまったときは、スタッフに伝えると紙のネームプレートをつけてもらえます。ただし、この紙はあくまでも仮のものですので、ラウンド後に自分のものをつけるようにしてください。
【2】服装のマナー
ゴルフ場の行き帰り、そしてプレー中の服装のマナーを解説します。
- ・ドレスコードを守る
- ・ウェアの裾をズボンに入れる
- ・コース内ではゴルフシューズを履く
ドレスコードを守る
ゴルフ場の行き帰りは、ジャケットを着用するなど、ドレスコードを遵守してください。多くのゴルフ場で、ドレスコードとしてジャケットの着用を定めています。特に名門と呼ばれるコースでは、入退場時にジャケットを着用していないと注意されることもあるでしょう。また、Tシャツ、ジーパン、サンダルといったカジュアル過ぎる服装も避けてください。最悪の場合、利用を拒否されることもあり得ます。
ただし、夏場はジャケットの着用が任意となるケースもありますし、そもそもドレスコードを定めていない場合もあります。前日までにゴルフ場の公式サイトを確認するか、電話で問い合わせておくと安心です。
ウェアの裾をズボンに入れる
コース到着後は、ゴルフウェアに着替えて、裾をズボンに入れるようにしてください。ゴルフでは昔からタックイン(シャツの裾をズボンに入れること)が基本です。ただし、近年はゴルフのカジュアル化から、タックアウトを前提としたウェアや、タックアウトを許容するゴルフ場が増えています。着こなしの問題でもあるため、絶対にズボンに裾を入れなさい!とは言い切れませんが、伝統的な着こなしを意識するのであれば、タックインが無難でしょう。
コース内ではゴルフシューズを履く
プレー中はスニーカーや運動靴ではなく、ゴルフシューズを着用してください。1番の理由は、スニーカーや運動靴には、グリーンの芝を枯らす雑菌が付着している可能性があることです。近年は、スパイクレスシューズが人気を博していますが、コースの行き帰りで履いたら、必ず履き替えましょう。また、スニーカーや運動靴は芝の上でのグリップ力が低く、滑ってまともにショットできず、転んでケガにつながるリスクもあります。
【3】クラブハウス内でのマナー
意外と知らない人も多いクラブハウス内でのマナーを2つ紹介します。
- ・帽子やサングラスを外す
- ・シューズの汚れを落とす
帽子やサングラスを外す
昼休憩や食事のときなどクラブハウス内では、サングラスや帽子といった外で身に付けるものは外すようにしましょう。一般的なマナーとして、室内では帽子を脱ぐものです。しかし、近年は帽子がファッションの一部となっていることもあり、室内で帽子を脱がない人も増えています。今後変わる可能性もありますが、ゴルフ場においては、未だに室内で帽子を脱ぐことがマナーとなっていると把握し、遵守しましょう。
シューズの汚れを落とす
クラブハウス内を綺麗に保つため、シューズの汚れを落としてからクラブハウスに入りましょう。コース内に出れば、芝や土がシューズに付着することは避けられません。そのままクラブハウスに入れば、床やカーペットが芝だらけになったり、泥汚れがついたりします。クラブハウスがそういった状況になったら、心地よく利用できるでしょうか?必ずコースからクラブハウスに戻るときは、備え付けの洗い場で汚れを落としてから入ってください。
【4】コース内全般のマナー
ホールアウトするまで、基本的なプレー中のマナーを4つ紹介します。
- ・芝が削れたら目土する
- ・クラブを数本持って歩く
- ・3分探して見つからなければ諦める
- ・タオルを首に巻かない
芝が削れたら目土する
ショットしてターフがとれたときや、ダフってしまったときなど、芝が削れたら必ず目土してください。削れたまま放置するとフェアウェイがでこぼこになるだけでなく、芝が枯れることにもつながります。コースを保護するためにも、セカンドショット以降は目土袋を持ち歩く習慣をつけましょう。クラブを数本持って歩く
ショットに向かうときは、使う可能性のあるクラブを数本持って行くようにしてください。多くのゴルフ場が乗用カートを導入していますが、コース内に乗り入れられる場所は少なく、舗装されたカート道だけ走行できるケースが一般的です。もし1本だけを持って行ってしまうと、思っていた距離と違った場合に、クラブを取りに戻る時間が発生し、スロープレーにつながりかねません。円滑なラウンドのためにも、複数のクラブを持って歩くよう心がけましょう。
3分探して見つからなければ諦める
スロープレーを防ぐため、3分ボールを捜索して見つからない場合は次のショットに進むようにしてください。「規則18.2a(1)球が紛失となる場合」においても、3分(ケースによっては4分)捜索して見つからない場合紛失となると定められています。あると思っていたボールが見つからないのは悔しいかもしれませんが、諦めてください。ボールの捜索時間に関するルールについては、「【2023年ゴルフルール改正】ボールの捜索時間3分から延長できるケースが明記された」にて詳しく解説していますので、ご覧ください。
タオルを首に巻かない
特に夏場、滴り落ちる汗をすぐに拭けるようにと、首にタオルをかけている方もいますが、マナー違反となるため注意してください。確かに便利ではありますが、ジャケットなどと同様にドレスコードとして明記されているので、遵守しましょう。【5】ティイングエリアでのマナー
ティショットする場所で守るべきマナーを2つ解説します。
- ・同伴者がプレーするときに騒がない
- ・相手の視界になるべく入らない
同伴者がプレーするときに騒がない
特にティイングエリアでは、ティショットする人がプレーに入ったら騒いではいけません。ゴルフは、わずかな雑音が集中を途切れさせ、ミスにつながるスポーツ。友人だから許されるだろうと会話をやめないケースも見られますが、ティショットしている側からすれば気になります。もちろん、ティイングエリアに限った話ではありません。セカンド以降も、全員が気持ちよくラウンドできるよう、他の人がプレーしているときは静かにして、ショットに集中できるようにしましょう。
相手の視界になるべく入らない
騒ぐのと同様に、スイング中に視界に何か入ると気になってしまうため、なるべくティショットする人の背中側で順番を待つようにしましょう。どうしても視界に入ってしまう場合は、ショットする人の気が散らないよう、動かずに見守るようにしてください。【6】バンカーでのマナー
バンカーからショットするときのマナーを解説します。
- ・バンカーには低いところから入る
- ・ショット後に砂をならす
バンカーには低いところから入る
バンカーに入るときは、急斜面になっているところではなく、緩やかな低いところから入りましょう。急斜面となっている分、踏んだ途端に砂が崩れてしまい、元の形に戻すことが難しくなってしまいます。砂が少なくなれば、急な斜面であっても止まりやすくなるため、後続の人が難しい状況からのショットを強いられる可能性が高まります。迷惑をかけないため、ボールが近くにあったとしても、低いところから入るようにしてください。
ショット後に砂をならす
バンカーショットしたあとは、近くに置いてあるレーキを使って砂をならしてください。そのままにすると、後続の人がバンカーに入れたときに、ショット跡や足跡でボールが止まってしまい、難易度の高いショットを打つことになります。【7】グリーン上でのマナー
グリーン上で気をつけるべきマナーを3つ紹介します。
- ・グリーン上で走らない
- ・ボールマークを直す
- ・同伴者のラインを踏まない
グリーン上で走らない
グリーンは芝が3ミリ~5ミリ程度と他の場所よりも薄くなっており、グリーン上で走ったり、スパイクの裏を引きずって歩いたりすると芝が傷つくため、絶対にやめましょう。芝が傷つくと、ボールが意図しない方向に変わる、失速するなど、同伴者や後続組に迷惑をかけることとなります。グリーン上では、どんなに急いでいたとしても走らないでください。
ボールマークを直す
ボールがグリーンをとらえた際、ボールマーク(ピッチマークともいう)ができるため、必ずグリーンフォークで直してください。ボールマークは、グリーン表面にできたくぼみのこと。ボールマークをそのままにすると回復に時間がかかり、グリーンがでこぼこになってしまいます。荒れたグリーンでのパットは思い通りにいかずストレスがかかるものです。他の人はもちろん、次回コースを訪れる自分のためにも必ずボールマークを直してください。
同伴者のラインを踏まない
カップを狙うときボールが通るであろうラインを踏んでしまうと、スパイク跡で芝目が少し変わる可能性があるため、絶対に踏まないでください。自分のボールがグリーンの奥にあるときは、他の人のボールの位置を確認しながら大回りして移動するといいでしょう。また、自分のパット後、カップからボールを拾い上げるときや再度マークするときなども、相手のボールの位置を見て、ラインを踏まないよう注意が必要です。
【8】事故を防止するためのマナー
ゴルフ場内での事故を防止するため、守るべきマナーを4つ紹介します。
- ・隣のホールに飛んだら「フォア―」と叫ぶ
- ・前の組との距離を確認してショットする
- ・ショットするときに同伴者に一声かける
- ・帽子をかぶる
隣のホールに飛んだら「フォア―」と叫ぶ
ショットが大きく曲がって隣のホールに飛んだ場合、必ず大声で「フォアー」と叫んでください。「フォアー」は、周囲にいる人に危険を知らせる掛け声です。この声が聞こえれば、頭を守ったり、物陰に隠れたりといった行動をとれるため、打球事故の防止につながります。隣接するホールがあるか分からなくても、コース内に収まらないと思ったら「フォア―」と叫ぶ習慣をつけておくと安心です。
前の組との距離を確認してショットする
打ち込み事故防止のために、必ず前の組との距離を確認してからショットしましょう。小さなゴルフボールといえど、遠く離れた場所から飛んできて直接当たればかなりの衝撃です。当たり所が悪ければ、大きなけがにもつながるリスクがあります。どんなに詰まっていても、自分が打ちたい飛距離+50ヤード程の距離になるまでは、絶対にショットしないでください。
ショットするときに同伴者に一声かける
自分がショットするとき、前方にいる同伴者に「打ちます」と声をかけてからショットするようにしましょう。男性の7番アイアンの平均ボールスピードは秒速45メートルほど。時速に換算すると、なんと時速162キロというスピードが出ます。至近距離で同伴者にぶつかれば大きな事故になる可能性はかなり高いでしょう。同伴者がこちらを見ていてもいなくても、一声かけると身構える準備ができ、事故のリスクは大きく減らせます。
帽子をかぶる
飛んできたボールが頭に当たったときの衝撃を少しでも和らげるため、帽子は必ずかぶるようにしてください。小さなボールでも、高い場所から落ちてくればかなりの衝撃となります。少しでも衝撃を緩和し、大きな事故にならないよう、帽子を着用することが重要なのです。また、直射日光を遮り、熱中症を予防する観点からも帽子は有用です。日本人特有の黒髪は熱を吸収しやすく、直射日光が当たるとわずかな時間で頭部の温度が上昇します。頭部の温度が高いままになれば、熱中症のリスクも高まってしまいます。ラウンド中、特に夏場は積極的に帽子を着用することがおすすめです。
3.まとめ
ゴルフには守るべきマナーがいくつもあります。マナーが多すぎて面倒だと思ったり、自分くらい守らなくても大丈夫と思ったりする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、多くのゴルファーがマナーを守るなかで、マナーを守っていないと悪目立ちしてしまうでしょう。一人一人がマナーを守れば、ゴルフ場をきれいに保ち、快適なプレーができます。少し面倒だと思う部分もあるかもしれませんが、マナーを守ってゴルフを楽しみましょう。
始めたばかりの方、若い方にとって、いきなりすべてのマナーを守ることは難しいかもしれません。回数を重ねるごとに、段々とマナーを守れるように心がけてください。「周りの人に迷惑をかけない」という当たり前の気持ちがあれば、すぐにマナーを守れるようになるはずです。