パターインサートにドライバーのテクノロジーを採用!? 不思議でお得な『BP-1 パター』
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年10月3日 22時15分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ブリヂストンスポーツは『BP-1 パター』を2024年9月6日に発売。ワイドソールヘッドにショートネックの『BP-2 パター』、角型ヘッドにダブルベントネックの『BP-3 パター』、その女性用『BP-3 LD パター』が同時発売になります。『BP-1 パター』は。スタンダードなブレードタイプであるアンサー型です。
シリーズ全体のコピーは“接点の科学から生み出した「バイティングフェース」をパターに採用 滑らずにスピンを抑え、インパクトでの安定をもたらす ラインに乗りやすい高性能パター”です。
いきなり、「バイティングフェース」というテクノロジーが出てきます。ドライバーで採用されて、スピンを抑える効果の高さを証明したテクノロジーですが、パターでは、ウェットなシーンや、インパクトでミスがあっても安定した転がりを生み出す効果があるようです。
『BP-1 パター』で、最も注目するテクノロジーは「HYBRID CANTLEVER INSERT(ハイブリッド カンチレバー インサート)」です。U字を逆さにした片持ち梁構造をアルミ合金で作り、内側にはシリコンを入れて打感を良くして、上部は固定、下部は解放して、フェースサイドが上部を支点にして少し動くようになっているのです。これによって、順回転を促進し転がりが良くなるとのことです。気持ちの問題かもしれませんが、指で押すと下部は後退する感覚があります。
『BP-1 パター』は、いわゆるブレードタイプで、アンサー型です。オーソドックスというか、基本の1本です。ヘッドが小さめでシャープ、クランクネックに歪みもなく、丁寧に作られています。伝統的な形状だからこそ、適当に作れば目立ってしまうのです。『BP-1 パター』は、細かいところまで、綺麗に仕上げてあり、好感が持てました。
オーソドックスなヘッドだから、新しいテクノロジーがわかりやすいのだと考えました。ワクワクしながら、試打をしました。試打した日は、薄曇りで、気温は24℃~29℃。やや風あり。グリーンは8.5フィートというコンディションでした。使用したボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『BP-1 パター』の打音ですが、音量はほんのりと大きめです。音質は、高音で硬質、単音で美しい音質です。打ち応えは、カチッとして素朴。手応えは敏感で、クリアな芯感が楽しめます。
【方向性】
『BP-1 パター』の方向性は、ブレードが好きな人にはスタンダード。そうでない人には少し被って見えるかもしれません。良くも悪くも、ブレードらしさが剥き出しになっています。
【距離感】
『BP-1 パター』は、転がりが良いパターに分類されますが、何も引かずに、何も足さないブレードというタッチで打てます。助けてもらっていることに慣れている人には、難しいと感じるかもしれません。良い意味で繊細なタッチを楽しめるパターは、減ってきているので貴重だとも思いました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『BP-1 パター』は、不思議でお得なパターです。不思議なところは、打感です。芯に当たるとクリアな感触で、カチッとした打音なので、初速が強く転がりそうだと予測するのですが、フェースに乗る刹那があるのです。決して嫌な感触ではなく、むしろ、良い感じなのですが、あまり経験したことがない感触に戸惑います。でも、すぐに慣れて、プラス要素になりました。
お得な部分は価格が安いことです。『BP-1 パター』は、直販サイトでは30,800円(税込み)ですが、ネットで見ると2万円台前半で購入できるようです。この機能と出来なら、普通は4万円を超えると思います。約半額で手に入るとは、このご時世で夢のような話です。
ひと昔前まで、パターは比較的安いクラブで、調子が悪かったり、気分転換などで新しくすることは珍しくありませんでした。オーソドックスなものは一通り打っていて、新しい様々なパターも幅広く打っている経験があるオールドゴルファーが多く、金持ちだから、と誤解しているケースがありますが、パターは消耗品という感覚の時代が長く続いていたから、今よりも何倍も簡単にそういうことが可能だっただけなのです。
令和の時代になってパターは気軽に変更したり、予備のパターを蓄えたりしづらくなりましたが、スタンダードなパターは、練習用に持っていても損はしないものなので、良いものを理解する意味でもオススメしています。『BP-1 パター』は、まさに、そういう意味で所有していても良い1本だとオススメできます。アンサー型のパターは、現在のパターの多くの系譜の始まりに位置しています。基準として考えることはよくあるからです。
さらに、『BP-1 パター』は、高機能です。現在、市場にあるブレード型の高額なパターと比較しても、負ける気がしません。助けてくれるやさしさよりも、自分のテクニックを活かしていく出力装置として優秀なので、誰でも使えるというわけではありませんが、だからこそ、練習して使えるようになれば、自分のレベルアップになるのです。
久しぶりに、アンサー型のパターを試打したのですが、かなり興奮しました。そして、面白いと感心しました。最新と伝統の融合に拍手です。『BP-1 パター』は、アンサー型を好きなゴルファーと、よく知りたいと考えているゴルファーにオススメします。相性が良く、実力も伴えば、『BP-1 パター』は、いわゆるゾーンに入ったパットを経験させてくれる1本になります。
【試打ギアスペック】
『BP-1 パター』
ヘッド素材 SUS304ステンレス+タングステン
インサート A6061アルミ合金+シリコン
ヘッド重量 355cc
ロフト 3.5度
ライ角 70度
長さ 34インチ
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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