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    ウソ!? 全米シニア2位・藤田寛之は「年齢に抗うことを辞めた」 1Wシャフトは70g→50g台に、アイアンは飛び系にチェンジ!

    今週スコットランドでは、カーヌスティ・ゴルフリンクスを舞台に海外シニアメジャー「全英シニアオープン」が開催。日本からは藤田寛之と佐藤えいちが参戦する。藤田は先月末の「全米シニアオープン」ではプレーオフに敗れて2位に入ったのは記憶に新しい。55歳になってもなお世界に挑戦し続ける男は、クラブへの考え方を変えて大きな力としている。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年7月26日 03時00分

    • ギア
    • 藤田寛之
    • クラブセッティング
    ドライバーは、『ヤマハ RMX VD プロトタイプ』(10.5度)に『ディアマナ BB 53S』を採用
    ドライバーは、『ヤマハ RMX VD プロトタイプ』(10.5度)に『ディアマナ BB 53S』を採用 (撮影:ALBA)
    • フェアウェイウッドは減らして、PWが立っている分、下の番手を厚くしている藤田のセッティング
    • 3Wを抜いて、5Wを使用するケースが多い。17度の5Wを0.5度立てて16.5度で使用している
    • 昨年からヤマハ『RMX VD/M』アイアンを使用。これまでのツアーモデルよりもロフト角が2度ほど立っているストロングロフト設計
    • 5番アイアンは、より上がりやすさを求めてグラファイトデザインの『ラウネプロ』のカーボンシャフトを使用
    • PWのロフトが44度になったため、50度、54度、58.5度と下の番手を厚くした
    • ドライバーではヘッドを浮かしてロフトを立ててアドレスするのが、藤田流
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    今週スコットランドでは、カーヌスティ・ゴルフリンクスを舞台に海外シニアメジャー「全英シニアオープン」が開催。日本からは藤田寛之と佐藤えいちが参戦する。藤田は先月末の「全米シニアオープン」ではプレーオフに敗れて2位に入ったのは記憶に新しい。55歳になってもなお世界に挑戦し続ける男は、クラブへの考え方を変えて大きな力としている。

    藤田の軽量化されたシャフト、飛び系アイアン、美しいスイングをお届け【写真】

    レギュラーツアー通算18勝のうち12勝は40代で挙げ、43歳の2012年には初めて賞金王を獲得した藤田。52歳まで23年間レギュラーツアーの賞金シードを保持し続けた。翌22年からは軸足をシニアに移し、同年の賞金ランキングは2位。国内シニアの賞金ランキング上位の資格で得られる海外メジャー出場を一つの目標とするようになった。

    先月はあと一歩というところで“メジャーチャンピオン”の称号を逃したが、日本ゴルフファンを喜ばせるには十分な活躍だった。大会中のデータを見てもドライビングディスタンスは出場選手中41位(270ヤード)だったが、フェアウェイキープ率は驚異の96%で1位。パーオン率も81%で2位の数字を残し、「藤田=ショットの精度が高い」を印象づけた。

    渡米前のスイング調整もうまくハマったのも要因の一つだが、「クラブの力も大きい」と振り返る。藤田のキャディバッグと覗くと、フェアウェイをとらえ続けたドライバーのヘッドはヤマハ『RMX VDプロトタイプ』と相変わらずだが、シャフトは発売前のディアマナの新モデル『ディアマナBB』が挿さっていた。

    新シャフトは三菱ケミカルの「第六世代ディアマナシリーズ」といわれ、クセのないいわゆる“青”系シリーズの最新モデル。女子ツアーでは桑木志帆が使用して悲願の初優勝を手にしている。

    藤田は渡米の前週に試して即替え。「“青マナ”は昔使っていて印象がよかった。今までは動きがあってボールコントロールしやすい“白マナ”系の(ディアマナ)WBを使っていましたが、よりしっかり感があってスクエアに当たりやすいと思って替えました。ボール初速も出ている気がしますね」。スイングとマッチしてスクエアにとらえられる感触が米国でその威力を発揮した。

    新モデルを即投入したことにも驚いたが、そのスペックにも変化があった。「今年から50グラム台にしました」とBBの『53S』をチョイス。40代の頃は、「重いモノを振っていないと徐々に振れなくなってくる」という考えで70グラム台のシャフトを使い続けていた。同世代が60グラム、50グラムに移行しているにも関わらずだ。

    そして50歳が近くなると60グラム台に移行していたが、ついに50グラム台を使い始めた。「やっぱり年齢に合わせてアレンジしています…アイアンも飛び系ですし」と笑顔を見せる。

    使用するアイアンにもアレンジが加わっている。昨年からヤマハ『RMX VD/M』。これまで使用してきたツアーモデルよりも番手ごとのロフト角が2度ほど立っているストロングロフト設計だ。いわゆる“飛び系”に分類されるモデルである。「(ツアーモデルより)ロフトは立っていますが、ボールの高さが出て飛距離は出るし、ランディング角度があるのでグリーン上でも止まりやすいんです」とクラブの恩恵を受けてグリーン上で止められるようになった。

    アイアンのシャフトはトゥルーテンパーの『AMTツアーホワイト』を使用中だが、こちらも「数種類をテスト中」である。ただ5番アイアンは、より上がりやすさを求めてグラファイトデザイン『ラウネプロ』のカーボンシャフトを使用している。シニアを中心に人気のカーボンシャフト『ラウネ』よりもトルクを抑えたモデルで、しっかり感が藤田の手に馴染んだ。

    ストロングロフトのアイアンに替えたことでクラブ構成にも変化があった。これまでは52度と58.5度のウェッジ構成だったがPWのロフトが44度になったため、50度、54度、58.5度と下を厚くした。その代わりに3番ウッドを抜いて、17度の5番ウッドを0.5度立てて使用している。ロフト的には4番ウッドだ。コースによっては3番ウッドを入れることもあるが「全米シニアオープン」では3番ウッドを抜いて戦った。

    レギュラーツアーを主戦場としているときは、「自分自身にもっともっと」とシャフトは重いものを使ったり、トレーニングをして自分を追い込んでいた。「年齢に抗う時期は過ぎました。今はボールの高さ、スピン性能、飛距離とかそっちをクラブに求めています。少しずつ体に負担がかからず、道具に助けてもらおうと。自分が頑張れない代わりに、クラブに仕事をしてもらっています」。これまで培ってきた技術に加えて、クラブに仕事してもらうことで自分のゴルフを進化させているのだ。今週は米国とは違うコースで自然との闘いも大きいが、再び日本のゴルフファンを寝不足にしてもらいたい。

    【藤田寛之のクラブセッティング】
    1W:ヤマハ RMX VD プロトタイプ(10.5度/ディアマナ BB 53S)
    5W:ヤマハ RMX(20年モデル・16.5度/ディアマナ WB 63S)
    3,4U:タイトリスト TSR3 ユーティリティメタル(21,24度/AMT ツアーホワイト S200)
    5I:ヤマハ RMX VD/M(ラウネ プロ)
    6I~PW:ヤマハ RMX VD/M(AMT ツアーホワイト S200)
    50,54,58.5度:タイトリスト ボーケイ SM10(DG EX ツアーイシュー S200)
    PT:スコッティキャメロン ニューポート2 プロトタイプ
    BALL:タイトリスト PRO V1

    ◇ ◇ ◇
     
    ●アプローチはスコアメイクの肝と言える。ウェッジ選びに困る人は、関連記事【フェースを開いて激スピンで止める? ザックリを防いでミスなく寄せる? 最新ウェッジ30機種を完全解剖】を読めば、アナタのベストウェッジが分かる!

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