国産アイアンの意地と技術力を強く感じる『スリクソン ZXi5 アイアン』 打感と出球が合致して距離感を出しやすい!
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年11月27日 10時45分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ダンロップは、『スリクソン ZXi5 アイアン』を2024年11月9日に発売。『スリクソン ZXi5』のコピーは、“「i-FORGED」がもたらすスリクソン史上最高の打感と、進化した「MAINFRAME」により驚異のボールスピードを実現。操作性と寛容性のバランスに優れたZXi5 アイアン。”です。
目立つのはソールです。「TOUR V.T. SOLE」というテクノロジーは、ソール形状とバンス角の最適な設計でインパクト時の抜けの良さを向上させるそうです。V字ソールに、ネック付近の段差は、以前にも見たことがあるものですが、より進化しているとのことです。
『スリクソン ZXi5』は、幅広い層のゴルファーが使用する前提ですから、色々なスイングに対応するバンス角が必要です。そういう意味で、新しいソールは期待させます。
「PROGRESSIVE GROOVES」は、最適なスピンを生み出す番手別設計になっています。そして、名称にも入っている「i-FORGED」というテクノロジーが、打感と飛距離性能を向上させているそうです。バックフェースの上部を「コンデンス鍛造」にしたことで剛性の違いでたわみを作って初速を上げる「MAINTRAME」が進化し、最適化されたフェースの肉厚設計とフェースの熱処理が打感と飛距離性能をアップさせるということなのです。
『スリクソン ZXi5』の7番アイアンのロフトは31度です。オーソドックスなアイアンのロフトの34度と比べると、ほぼ1番手分立っていますから、いわゆる飛び系アイアンとカテゴライズもできます。最新のテクノロジーがあって、本格的なチューニングを経て、スペックは大衆化している雰囲気が満点のアイアンが、『スリクソン ZXi5』です。
試打した『スリクソン ZXi5』は「Diamana ZXi for IRON カーボンシャフト」のSフレックスが装着した、5番~PWの6本です。試打した日は、気温19℃~26℃で、曇り、微風でした。ボールは打ち慣れていてクラブだけの影響に集中出来る『TOUR B X』を使用しました。
【打感・打ち応え】
『スリクソン ZXi5』は、ちょうど良い大きさの音量で、音質は濡れた鞭系と硬質系のミックスで単音です。打ち応えは、独特の乗り感があって、抜けの良さも飛び抜けています。手応え、芯感はクリアで、敏感でかなり気持ちが良いです。
【弾道・球筋・スピン性能】
『スリクソン ZXi5』の弾道は、高めの中弾道です。基本的にはストレート系が得意ですが、小さく曲げるのには敏感。伸びがある弾道で、スピン性能は強烈で、かかり過ぎという感じでした。
【距離性能】
『スリクソン ZXi5』の飛距離は、ロフト通りで、クラシックなロフトのアイアンよりほぼ1番手飛びます。飛ばさないテクニックに反応が良いので、距離感が作りやすいのが特徴。番手間に大きな空きがない所もプラス評価です。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『スリクソン ZXi5』は、色々な部分でちょうど良い感じを極めているアマチュアでもスコアが出やすいアイアンです。バックフェースの打点の裏の膨らみが、個人的にはツボで、良い感じだと、打つ前から気持ちが上がりました。
実際に打ってみると、ソールは歴代最高に機能してくれて、打ち込んだときの抜けはお見事です。ヘッドの大きさも、大き過ぎず、小さ過ぎず、ちょうど良く、ラフなどでもストレスなく打てました。
『スリクソン ZXi5』は、縦距離の反応が良くて、距離感が出しやすいことにビックリしました。結果として、ストレートに狙いやすくて、距離感も合うので、平均スコアよりも良いスコアでプレーできました。
アイアンの試打の場合、多くは平均より悪いスコアになるので、『スリクソン ZXi5』は、スコアに貢献するアイアンだと言えます。
課題になるのは、スピン性能をどう使うか、ということだと思います。『スリクソン ZXi5』は、歴代最高にスピンがかかりますので、球足を計算して攻めるのではなく、キャリーで攻略する必要があります。当然ですが、これには慣れが必要で、経験値がイメージを強くするので、いきなりは難しいゴルファーもいます。元々、キャリーで攻めるアイアンショットが得意だというゴルファーに『スリクソン ZXi5』はオススメします。
数字の大小で上位アイアンがメーカーごとに違うのに混乱することがありますが、『スリクソン ZXi5』には上位機種として『スリクソン ZXi7 アイアン』があります。間違えないようにしましょう。『スリクソン ZXi5』は、やさしいほうの『スリクソン ZXi』です。
最後に、『スリクソン ZXi5』の打感について書きます。独特の乗り感と文中に書きましたが、芯感を手応えとして感じながら打つのは快感でした。打感と出球が合致しているという意味で、とても良く出来ています。国産アイアンの意地と技術力を強く感じて、誇らしくなりました。
打感にこだわるのは日本のゴルファーの特徴かもしれませんが、良い打感はアイアンの性能の一つだと思っていますので、『スリクソン ZXi5』は素晴らしい、ということを強調したいと思います。
【試打ギアスペック】
『スリクソン ZXi5 アイアン』
ヘッド素材 #5~#7=軟鉄(S20C)+タングステンニッケル合金
#8~PW=軟鉄(S20C)
フェース素材 クロムパナジウム鋼
ロフト角 #5/24度、#6/27度、#7/31度、#8/35度、#9/39度、PW/44度
シャフト Diamana ZXi for IRON カーボンシャフト (S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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