なぜ『ゼクシオ』グローブは滑らない? その密着力が「日本繊維機械学会賞」の技術賞を受賞
ダンロップのグローブ技術について。
配信日時:2024年7月23日 03時17分
ダンロップが、グローブに関するアナウンス。「住友ゴム工業(株)は、昨年11月に発売した『ゼクシオ』のゴルフグローブ(メンズモデルGGG-X020、レディスモデルGGG-X021W)に搭載された技術が評価され、一般社団法人日本繊維機械学会が主催する『日本繊維機械学会賞』の技術賞を受賞しました」と、同社。
『ゼクシオ』グローブ(GGG-X020)はどんな技術的優位点が評価されたのか?
「同学会賞は繊維並びに繊維機械に関する研究または技術開発の中で、創意があり、技術的に高い価値を有する業績を挙げた同学会の会員を対象としています。今回の受賞は、ゴルフにおけるルールを満たしながらスイング中のグリップのずれを低減させる技術を評価されたものになります。スイング中のグリップのずれは、手とグローブ(掌裏面)の間で起こっている点、グローブ(掌表面)とグリップの間に隙間がある点の2点に着目し技術開発を進め商品化を行いました。上記観点から作られたグローブは、これまでの商品にはなく新規性、革新性があり、特許出願済です」(同社広報)
同グローブは、3層の部分別肉厚設計になっており、グローブとグリップの間にできる隙間を減らし密着度(接地面積)を従来比1.3倍に高めている。これは、同社の開発陣がゴルファーのグリップの握り方を圧力センサーで調べた結果、手のひら部分に隙間が多いことが判明したため。同社販売企画の松川氏は握力の弱い女性にも勧めつつ、密着力の高いグローブのメリットをこう説明する。
「グリップ力というのは“握る力×密着力”で決まります。密着力が低いと強く握らないといけなくなり、余計な力が入ってスイングしてもヘッドが走りませんし、安定しません。反対に、密着力が高いと、強く握らなくてもグリップがしっかりします。つまり、小さい力で振れるので、力まずにスイングできる。それが結果的に、軌道の安定などスイングのパフォーマンスを向上させるのです」
また、従来のグローブは突起を付けるなどして【表面】に高摩擦素材を使うのが一般的だったが、同社は手とグローブの間で起きるズレ改善にも着目。親指部分の【裏側】にも高摩擦素材を採用するなどして、より少ない力でも滑りづらくなっている。全国的な猛暑にて、手汗などで滑りやすさが増す季節だが、強く握らずに済むモノを賢く選びたい。