「ZOZO」がPGAツアーのスポンサーに。テクノロジーが未来のゴルファーを救う?【記者の目】
「ZOZO」がPGAツアーのスポンサーに。テクノロジーが未来のゴルファーを救う?【記者の目】
配信日時:2018年11月21日 04時27分
ファッション通販ZOZOが、PGAツアーのスポンサーとなることが20日に発表された。来年10月24〜27日に行なわれる「ZOZO CHAMPIONSHIP」の開催地はなんと、同社の地元・千葉県の習志野CC。国内初のPGAツアー開催で、賞金総額約11億円、優勝賞金も2億円近く、国内ゴルフ業界では過去最大のイベントとなる。
同社の前澤友作社長は、「世界的な認知拡大が目的。どうせなら人がまだやっていないこと、新しい挑戦がしたかった」と、PGAツアー初のファッション業界によるスポンサー契約を決心。1試合の開催に11億円かかる巨額費用を6年間も契約したという。同時に、自身も競技歴があり、「ハンデは最高で5くらい」と、熱意系ゴルファーであることも明かしていた。
■ファッションと“テクノロジーを使った”見たことのない大会に
前澤社長は「ファッションとテクノロジーを使った大会にしたい。世界的に見たことのない大会にすれば注目も集まる」と、意気込んでいた。世界に「ZOZO」を認知拡大するため、70億円近い巨額のPRコストをかけ、その投資価値を最大化しようとしている。
元ミュージシャンで、20年前にファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営するスタートトゥデイを創業した前澤社長。昨年の11月には業界初の採寸用ボディスーツ『ZOZOスーツ』の無料配布を発表し、ファッション通販業界に衝撃を与えた。通販ユーザーのこれまでの悩みだった「購入して服が届いたが、体にサイズが合わない」という問題をテクノロジーで根本解決したのだ。
これまでにも、コーディネートされた服が届く『おまかせ定期便』や、まとめて後払い可能の決済サービス『ツケ払い』など、次々にユーザーのためにサービスを開発。時代を先取りした戦略が功を奏し、年間購入者数は約722万人(2018年3月期)、商品取扱高は2,705億円(同)と成長に導き、公私共に様々な話題を提供している。(女優・剛力彩芽さんとの交際、月旅行などなど)
そして、今回のスポンサー発表会見では、業界初の採寸用ボディスーツ『ZOZOスーツ』を展開してきた同社を「1人1人に合わせてクラブ提供するフィッティングに似ている」と、ゴルフ業界との共通点を挙げていた。
■ゴルフアパレルはもちろん展開中。ギアは現状ボールのみだが…
「今年で創業20周年となる弊社は、今年度より私たち自らがデザイン、製造、販売を手がけるファッションブランド「ZOZO」をスタートしております。体型計測技術を用い、あらゆるお客様の体型にフィットした洋服を作りお届けするのがコンセプトのブランドです。
ゴルフが国籍や性別や年齢や体型の違いを越えて世界中の人々を熱狂させ繋いでくれるように、私たちのブランド「ZOZO」も、大きい小さいとか、長い短いとか、そうした体型の違いを越えて、世界中の皆さまに愛されるブランドに育てていきたいと思っています」(前澤社長)
この発言と、ゴルフ好きという前澤社長のキャラクターから、筆者は勝手な期待をしてしまう。今回のゴルフ業界への応援は当然有り難いことだが、単なるPRではなく、どうせならビジネスに結びつけて欲しいと。
現状の『ZOZOTOWN』では、ゴルフアパレルはもちろん展開済み。キャディバッグや小物まで多くの商品を取り揃えているが、ゴルフクラブの展開はない。(ゴルフギアでは、ボールのみ)ここに同社のテクノロジー開発で、一人ひとりに最適なクラブ販売が可能になる未来の夢を見てしまう。
『ZOZOスーツ』を着てアプリと連動するだけで詳細な体型計測ができるのと同じように、『ZOZOセンサークラブ』のようなもので、ベストなクラブの提案ができないだろうか。既に、ミズノは振るだけでスイングDNAを見極め、推奨シャフトやヘッドを提示する『シャフトオプティマイザー3D』をフィッティングに活用している。
ただし、このサービスはフィッターが常駐する専門店でなければ受けられない上、ミズノの製品のみしか、購入できない。最適なシャフトやヘッドが振るだけで絞り込めるのはいいことだが、ミズノを含む、すべての商品から最適なものを選びたいのがゴルファーの本音だ。
ゴルフクラブは高額な割に「買ったけど合わなかった」という、非常にリスクの高い買い物。ましてやシャフトなどは、プロゴルファーでさえ「よく分からない」という複雑なもの。通販ユーザーの長年の悩みを『ZOZOスーツ』で解決したように、ゴルフクラブというリスクの高い買い物にも、画期的なテクノロジー開発が進むことを期待したい。
Text/Mikiro Nagaoka
同社の前澤友作社長は、「世界的な認知拡大が目的。どうせなら人がまだやっていないこと、新しい挑戦がしたかった」と、PGAツアー初のファッション業界によるスポンサー契約を決心。1試合の開催に11億円かかる巨額費用を6年間も契約したという。同時に、自身も競技歴があり、「ハンデは最高で5くらい」と、熱意系ゴルファーであることも明かしていた。
■ファッションと“テクノロジーを使った”見たことのない大会に
前澤社長は「ファッションとテクノロジーを使った大会にしたい。世界的に見たことのない大会にすれば注目も集まる」と、意気込んでいた。世界に「ZOZO」を認知拡大するため、70億円近い巨額のPRコストをかけ、その投資価値を最大化しようとしている。
元ミュージシャンで、20年前にファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営するスタートトゥデイを創業した前澤社長。昨年の11月には業界初の採寸用ボディスーツ『ZOZOスーツ』の無料配布を発表し、ファッション通販業界に衝撃を与えた。通販ユーザーのこれまでの悩みだった「購入して服が届いたが、体にサイズが合わない」という問題をテクノロジーで根本解決したのだ。
これまでにも、コーディネートされた服が届く『おまかせ定期便』や、まとめて後払い可能の決済サービス『ツケ払い』など、次々にユーザーのためにサービスを開発。時代を先取りした戦略が功を奏し、年間購入者数は約722万人(2018年3月期)、商品取扱高は2,705億円(同)と成長に導き、公私共に様々な話題を提供している。(女優・剛力彩芽さんとの交際、月旅行などなど)
そして、今回のスポンサー発表会見では、業界初の採寸用ボディスーツ『ZOZOスーツ』を展開してきた同社を「1人1人に合わせてクラブ提供するフィッティングに似ている」と、ゴルフ業界との共通点を挙げていた。
■ゴルフアパレルはもちろん展開中。ギアは現状ボールのみだが…
「今年で創業20周年となる弊社は、今年度より私たち自らがデザイン、製造、販売を手がけるファッションブランド「ZOZO」をスタートしております。体型計測技術を用い、あらゆるお客様の体型にフィットした洋服を作りお届けするのがコンセプトのブランドです。
ゴルフが国籍や性別や年齢や体型の違いを越えて世界中の人々を熱狂させ繋いでくれるように、私たちのブランド「ZOZO」も、大きい小さいとか、長い短いとか、そうした体型の違いを越えて、世界中の皆さまに愛されるブランドに育てていきたいと思っています」(前澤社長)
この発言と、ゴルフ好きという前澤社長のキャラクターから、筆者は勝手な期待をしてしまう。今回のゴルフ業界への応援は当然有り難いことだが、単なるPRではなく、どうせならビジネスに結びつけて欲しいと。
現状の『ZOZOTOWN』では、ゴルフアパレルはもちろん展開済み。キャディバッグや小物まで多くの商品を取り揃えているが、ゴルフクラブの展開はない。(ゴルフギアでは、ボールのみ)ここに同社のテクノロジー開発で、一人ひとりに最適なクラブ販売が可能になる未来の夢を見てしまう。
『ZOZOスーツ』を着てアプリと連動するだけで詳細な体型計測ができるのと同じように、『ZOZOセンサークラブ』のようなもので、ベストなクラブの提案ができないだろうか。既に、ミズノは振るだけでスイングDNAを見極め、推奨シャフトやヘッドを提示する『シャフトオプティマイザー3D』をフィッティングに活用している。
ただし、このサービスはフィッターが常駐する専門店でなければ受けられない上、ミズノの製品のみしか、購入できない。最適なシャフトやヘッドが振るだけで絞り込めるのはいいことだが、ミズノを含む、すべての商品から最適なものを選びたいのがゴルファーの本音だ。
ゴルフクラブは高額な割に「買ったけど合わなかった」という、非常にリスクの高い買い物。ましてやシャフトなどは、プロゴルファーでさえ「よく分からない」という複雑なもの。通販ユーザーの長年の悩みを『ZOZOスーツ』で解決したように、ゴルフクラブというリスクの高い買い物にも、画期的なテクノロジー開発が進むことを期待したい。
Text/Mikiro Nagaoka