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    「バラつかないぶっ飛び系アイアン」ダンロップ『ゼクシオ クロス』について担当者に聞いてみた【記者の目】

    「バラつかないぶっ飛び系アイアン」ダンロップ『ゼクシオ クロス』について担当者に聞いてみた【記者の目】

    配信日時:2019年1月9日 10時16分

    • ギア
    ダンロップ『ゼクシオ クロス』(3月9日発売)
    ダンロップ『ゼクシオ クロス』(3月9日発売)
    • ゼクシオ史上最薄のチタンフェース、しかもスピードグルーブ付き!
    • ヤマハ『インプレスUD+2』の8I同士で比べてみました!
    • ソール幅の違いが歴然でした…(右が『ゼクシオ クロス』)
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    ダンロップから新商品発売の連絡が届いた。そして、広報担当者と商品企画の担当者・鎌田将太氏から新商品についての説明があった。

    「圧倒的な高初速設計フェースと独自の専用重心設計により、飛距離と直進性を高い次元で両立させた『ゼクシオ クロス』を3月9日から発売します。希望小売価格はカーボン装着が1本24,000円+税、スチール装着が1本19,000円+税です」(同社広報)

    ■「とにかく飛ばしたい人向けです」(鎌田氏)

    既存の『ゼクシオテン』とはどう違うのか? 対象者についてこう説明する。

    「『ゼクシオ クロス』は“ドライバーはもちろん、アイアンでもとにかく飛ばしたい”“150ヤードをショートアイアンで狙いたい”というゴルファーに圧倒的な飛距離を提供します。【飛び系アイアン】と言われるストロングロフトを使う方の悩みである【球のバラつき】を抑える直進性も備えた、ゼクシオが新たなコンセプトで提案するアイアンです」(同社広報)

    また、商品企画の担当者・鎌田氏は「大体同じ番手で『テン』と『クロス』で10〜15ヤードくらい『クロス』が飛ぶと考えてもらって問題ありません。人によっては20ヤード違うテスターも。7Iのロフトは『テン』が29°、『クロス』は25°ですから」と語る。

    ■ぶっ飛び系では唯一無二のチタンフェース

    「ロフトが立っているだけではなく、今回は徹底的にフェースの反発にこだわり、ゼクシオ史上最薄の2ミリのチタンフェースです。(ゼクシオテンは2.25ミリ)ロフト27°以下のぶっ飛び系アイアンでチタン製フェースは他になく、加えて【スピードグルーブ】というフェース裏側の外周に溝を彫り込み、さらにたわみを大きくして反発を高めた上、エリアも広くしています」(鎌田氏)

    確かに、ヤマハインプレスUD+2』(ロフト26°)を代表に、プロギア『eggアイアンPC』(ロフト25°)、ブリヂストン『JGR HF1』(ロフト26°)など、ぶっ飛び系アイアンはマレージングフェースだ。ダンロップは『ゼクシオテン』もチタンフェースだが、ぶっ飛び系の『ゼクシオクロス』はそのチタンフェースにさらに磨きをかけたと言う。

    飛ぶことは分かった。だが、それは他社のぶっ飛び系アイアンも同じこと。今回ダンロップが強調する【球のバラつきを抑え、直進性が高い】と強弁する理由とは何なのか。

    ■「左右も上下も慣性モーメントが大きいんです」

    「ご覧のとおり、『ゼクシオクロス』のソール幅はものすごく広く、重心を深くしています。しかも、このソールのトゥ側内部に重い【Super Toe Weight】が入っていて、フェースとネックの余剰重量をヘッドに最適配分しています。

    何のためかと言えば、ヘッド左右の慣性モーメントを大きくするため。打点がバラついてもヘッドの挙動を安定させ、高い直進性を発揮しますし、それだけではありません。この幅広ソールで後ろに重心をもって来ると、上下の慣性モーメントも上がります。直進性はもちろん、縦距離のバラつきにも強くなっています」(鎌田氏)

    鎌田氏の口からはメリットばかりが強調されるが、筆者は大ヒット中のぶっ飛び系アイアン、ヤマハインプレスUD+2』の性能の良さをよく知っている。「バラつかないぶっ飛び系」に疑念を向け続けた。

    「確かにおっしゃる通り、『インプレスUD+2』と比べると、クラブ長さが1番手短いというスペック的なデメリットがあります。でも、これには理由があり、ゼクシオユーザーをこれまで見てきて培ってきた経験のもと、あえてこの長さにしています。やはり、ミート率の高さ、使いやすい最適な長さでなければ【バラつかないぶっ飛び系】を追求できませんから。飛びだけではダメなんです」(鎌田氏)

    ■『UD+2』よりロフトが立っていて短くても大丈夫?

    ここまで聞いていて、ギア担当の筆者として、当然の質問をせざるを得ない。「大ヒット中の『インプレスUD+2』よりロフトが1°立っていて、1番手も短いのにきちんと球を上げられるのか?」と。

    「そう来ると思いました。でも、打ってもらえば必ず体感頂けるはずです。『ゼクシオテン』の純正シャフト『MP1000』と比べると、『ゼクシオクロス』の純正シャフト『MH1000』は先端部を柔らかくしています。それに、ソール幅を広く、深重心に設計されていますので、ゼクシオユーザーが球を高く打ち出せます。

    【ランディング角】という、地面に対してどの角度で落ちてくるかの指標でも、すごく止まりやすい大きなランディング角がアマチュアの試打データで出ています。ここもこれまでのぶっ飛び系アイアンとの違いを出したかったところですね」(鎌田氏)

    最後に、悔し紛れに意地悪な意見が口をついた。「でも、上がるかもしれませんが、幅広ソールにした分、アドレス時に後ろ側が見えてスッキリ構えられない人もいませんか?『インプレスUD+2』は、そこが代替わりするごとに改善してますから!」と。

    「その設計意図は、メーカーによって分かれるのは当然だと思います。弊社としては、ゼクシオユーザーで飛ばしたい人に最高の結果が出る飛びを提供し、バラつかない直進性の高いぶっ飛び系アイアンを追求した結果です。顔に関しては、安心感かスッキリか、ゴルファーにとってベストは一つではないと思います」(鎌田氏)

    一連の説明を聞いて「ゼクシオユーザーが本当に使いやすいぶっ飛びアイアンは、ダンロップにしか作れない」。筆者にはそう聞こえた。鎌田氏は筆者の疑念にまったく引き下がる気配はなかった。

    Text/Mikiro Nagaoka

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