テーラーメイド、使用総数より“契約フリー率”で性能アピール?【記者の目】
テーラーメイド、使用総数より“契約フリー率”で性能アピール?【記者の目】
配信日時:2019年1月28日 01時00分
<ファーマーズ・インシュランス・オープン 最終日◇27日◇トリーパインズGC(米国カリフォルニア州)>
世界ランク1位のジャスティン・ローズが、トータル21アンダーで優勝。世界一のさらなる先を目指すためにHONMAと契約したことを明かしたが、疑念を持っていた世界中のゴルファーに自身の正しさを証明。(使用し始めてわずか2戦目で優勝)ローズが契約時に言っていたことはリップサービスではなく、自分の実力とギアの性能を冷静に把握した上での“本音”だった。
この大会では練習日の段階から、さまざまなギアの話題があった。リッキー・ファウラー(今大会1アンダーの66位タイ)のテーラーメイドとのボール契約に、タイガー・ウッズ(今大会10アンダーの20位タイ)の新セッティングなどなど。そして、この試合におけるドライバー使用状況についてテーラーメイドがTwitterに投稿している。
「今週のPGAツアー『ファーマーズ・インシュランス・オープン』で、テーラーメイドの ドライバーを使用している選手は33名。そのうち契約選手はわずか10名。それ以外の約70%の契約外選手は【性能で判断】し、テーラーメイドを選んでくれました」(テーラーメイドJAPANツイッター)
これまで長らく続けてきたツアー使用率(使用者数)No.1主義はやめてしまったのか、その座はここ2戦では定位置をタイトリストに明け渡している。今年は、使用総数よりも「クラブ契約フリーに性能で選ばれる率の高さ」で『M5』の性能をアピールする狙いのようだ。
■ラーム『M5』で飛距離は伸びた?
本当に言葉どおりになっているのか? まずは契約プロだが、5位タイになったジョン・ラームのスタッツを見てみる。計測ホールのドライビングディスタンスは、初日が287y(FWキープ50%)、2日目が307.8y(64.29%)、3日目が298.5y(85.71%)、最終日307y(64.29%)と、昨季の平均308.9y(16位)だったラームにしては少々物足りない数字。では、パー3以外のオールドライブを見てみよう。
【2日目】
1H:297y、2H:300y、4H:294y、5H:297y、6H:304y、7H:314y、9H:321y、10H:265y、12H:287y、13H:304y、14H:295y、15H:283y、17H:304y、18H:292y
【3日目】
1H:296y、2H:267y、4H:270y、5H:320y、6H:281y、7H:321y、9H:327y、10H:280y、12H:290y、13H:311y、14H:290y、15H:303y、17H:280y、18H:304y
【最終日】
1H:299y、2H:270y、4H:291y、5H:308y、6H:307y、7H:324y、9H:324y、10H:303y、12H:293y、13H:302y、14H:291y、15H:310y、17H:304y、18H:308y
初日のショットトラッカーデータは収集されていない。昨季の平均308.9yは『M4』と『2017 M2』の併用での数字だが、今のところ『M5』の【injected ツイストフェース】は、FWキープ率で効果を発揮した形か。
■マキロイ『M5』でどんな感じ?
同じく5位タイのローリー・マキロイはどうか。計測ホールは初日が320y(FWキープ64.29%)、2日目が299.5y(35.71%)、3日目が315y(64.29%)、最終日が335y(57.14%)と、昨季平均319.7y(1位)だった飛ばし王にしては少々物足りなく、同様にパー3以外のオールドライブを見てみる。
【初日】
1H:315y、2H:256y、4H:304y、5H:314y、6H:317y、7H:320y、9H:336y、10H:289y、12H:312y、13H:314y、14H:306y、15H:306y、17H:315y、18H:311y
【3日目】
1H:313y、2H:327y、4H:298y、5H:317y、6H:312y、7H:332y、9H:332y、10H:274y、12H:304y、13H:320y、14H:302y、15H:302y、17H:271y、18H:302y
【最終日】
1H:294y、2H:251y、4H:332y、5H:297y、6H:305y、7H:320y、9H:339y、10H:294y、12H:315y、13H:317y、14H:306y、15H:307y、17H:319y、18H:319y
2日目のデータが取れていないが、当たると330ヤードを余裕で超える辺りは昨季の飛ばし王・マキロイならでは。2日目以外はまずまずのFWキープも披露し、こちらも『M5』で飛距離と安定性の両方を手にしたように見える。
■飛ばし屋のルーク・リストは?
ここまではテーラーメイドの看板プロだったが、契約フリーと見られる選手はどうなのか? アイアンとウェッジがタイトリストの飛ばし屋、ルーク・リストは『M4』で314.6y飛ばしていた昨季から『M5』に替えて飛距離を伸ばしたのだろうか。
【初日】
1H:301y、2H:280y、4H:323y、5H:304y、6H:320y、7H:310y、9H:328y、10H:325y、12H:301y、13H:315y、14H:305y、15H:306y、17H:298y、18H:318y
【3日目】
1H:314y、2H:315y、4H:298y、5H:317y、6H:317y、7H:316y、9H:318y、10H:309y、12H:293y、13H:321y、14H:298y、15H:304y、17H:297y、18H:306y
【最終日】
1H:314y、2H:277y、4H:314y、5H:326y、6H:290y、7H:318y、9H:332y、10H:319y、12H:309y、13H:311y、14H:314y、15H:306y、17H:323y、18H:312y
2日目のデータはないものの、ほぼ昨季と同じ平均314y付近へ球を運んでいることがよく分かる。ただし、ツアープロがドライバーを選ぶ理由は、飛距離だけではなく、飛ばし屋ほど曲がった時のケガが大きいため、方向性や安定性を重視する傾向が強い。『M5』が評価される点には、どうもその辺りが大きく影響しているような気がしてならない。
また、決して選手の契約内容はオープンにはならない上、ドライバー単体契約という選手も数多く存在してきた。リストの契約内容についての正確なところは分からない上、それをこれまで数多くの選手と行ってきたテーラーメイドだけに、今後も単純なドライバー使用率にとらわれず、クラブ契約フリー選手の動向を注視していく。
Text/Mikiro Nagaoka
世界ランク1位のジャスティン・ローズが、トータル21アンダーで優勝。世界一のさらなる先を目指すためにHONMAと契約したことを明かしたが、疑念を持っていた世界中のゴルファーに自身の正しさを証明。(使用し始めてわずか2戦目で優勝)ローズが契約時に言っていたことはリップサービスではなく、自分の実力とギアの性能を冷静に把握した上での“本音”だった。
この大会では練習日の段階から、さまざまなギアの話題があった。リッキー・ファウラー(今大会1アンダーの66位タイ)のテーラーメイドとのボール契約に、タイガー・ウッズ(今大会10アンダーの20位タイ)の新セッティングなどなど。そして、この試合におけるドライバー使用状況についてテーラーメイドがTwitterに投稿している。
「今週のPGAツアー『ファーマーズ・インシュランス・オープン』で、テーラーメイドの ドライバーを使用している選手は33名。そのうち契約選手はわずか10名。それ以外の約70%の契約外選手は【性能で判断】し、テーラーメイドを選んでくれました」(テーラーメイドJAPANツイッター)
これまで長らく続けてきたツアー使用率(使用者数)No.1主義はやめてしまったのか、その座はここ2戦では定位置をタイトリストに明け渡している。今年は、使用総数よりも「クラブ契約フリーに性能で選ばれる率の高さ」で『M5』の性能をアピールする狙いのようだ。
■ラーム『M5』で飛距離は伸びた?
本当に言葉どおりになっているのか? まずは契約プロだが、5位タイになったジョン・ラームのスタッツを見てみる。計測ホールのドライビングディスタンスは、初日が287y(FWキープ50%)、2日目が307.8y(64.29%)、3日目が298.5y(85.71%)、最終日307y(64.29%)と、昨季の平均308.9y(16位)だったラームにしては少々物足りない数字。では、パー3以外のオールドライブを見てみよう。
【2日目】
1H:297y、2H:300y、4H:294y、5H:297y、6H:304y、7H:314y、9H:321y、10H:265y、12H:287y、13H:304y、14H:295y、15H:283y、17H:304y、18H:292y
【3日目】
1H:296y、2H:267y、4H:270y、5H:320y、6H:281y、7H:321y、9H:327y、10H:280y、12H:290y、13H:311y、14H:290y、15H:303y、17H:280y、18H:304y
【最終日】
1H:299y、2H:270y、4H:291y、5H:308y、6H:307y、7H:324y、9H:324y、10H:303y、12H:293y、13H:302y、14H:291y、15H:310y、17H:304y、18H:308y
初日のショットトラッカーデータは収集されていない。昨季の平均308.9yは『M4』と『2017 M2』の併用での数字だが、今のところ『M5』の【injected ツイストフェース】は、FWキープ率で効果を発揮した形か。
■マキロイ『M5』でどんな感じ?
同じく5位タイのローリー・マキロイはどうか。計測ホールは初日が320y(FWキープ64.29%)、2日目が299.5y(35.71%)、3日目が315y(64.29%)、最終日が335y(57.14%)と、昨季平均319.7y(1位)だった飛ばし王にしては少々物足りなく、同様にパー3以外のオールドライブを見てみる。
【初日】
1H:315y、2H:256y、4H:304y、5H:314y、6H:317y、7H:320y、9H:336y、10H:289y、12H:312y、13H:314y、14H:306y、15H:306y、17H:315y、18H:311y
【3日目】
1H:313y、2H:327y、4H:298y、5H:317y、6H:312y、7H:332y、9H:332y、10H:274y、12H:304y、13H:320y、14H:302y、15H:302y、17H:271y、18H:302y
【最終日】
1H:294y、2H:251y、4H:332y、5H:297y、6H:305y、7H:320y、9H:339y、10H:294y、12H:315y、13H:317y、14H:306y、15H:307y、17H:319y、18H:319y
2日目のデータが取れていないが、当たると330ヤードを余裕で超える辺りは昨季の飛ばし王・マキロイならでは。2日目以外はまずまずのFWキープも披露し、こちらも『M5』で飛距離と安定性の両方を手にしたように見える。
■飛ばし屋のルーク・リストは?
ここまではテーラーメイドの看板プロだったが、契約フリーと見られる選手はどうなのか? アイアンとウェッジがタイトリストの飛ばし屋、ルーク・リストは『M4』で314.6y飛ばしていた昨季から『M5』に替えて飛距離を伸ばしたのだろうか。
【初日】
1H:301y、2H:280y、4H:323y、5H:304y、6H:320y、7H:310y、9H:328y、10H:325y、12H:301y、13H:315y、14H:305y、15H:306y、17H:298y、18H:318y
【3日目】
1H:314y、2H:315y、4H:298y、5H:317y、6H:317y、7H:316y、9H:318y、10H:309y、12H:293y、13H:321y、14H:298y、15H:304y、17H:297y、18H:306y
【最終日】
1H:314y、2H:277y、4H:314y、5H:326y、6H:290y、7H:318y、9H:332y、10H:319y、12H:309y、13H:311y、14H:314y、15H:306y、17H:323y、18H:312y
2日目のデータはないものの、ほぼ昨季と同じ平均314y付近へ球を運んでいることがよく分かる。ただし、ツアープロがドライバーを選ぶ理由は、飛距離だけではなく、飛ばし屋ほど曲がった時のケガが大きいため、方向性や安定性を重視する傾向が強い。『M5』が評価される点には、どうもその辺りが大きく影響しているような気がしてならない。
また、決して選手の契約内容はオープンにはならない上、ドライバー単体契約という選手も数多く存在してきた。リストの契約内容についての正確なところは分からない上、それをこれまで数多くの選手と行ってきたテーラーメイドだけに、今後も単純なドライバー使用率にとらわれず、クラブ契約フリー選手の動向を注視していく。
Text/Mikiro Nagaoka