「世界で1.7ヤード伸びた」USGAとR&Aが「2018ディスタンスレポート」を発表【記者の目】
「世界で1.7ヤード伸びた」USGAとR&Aが「2018ディスタンスレポート」を発表【記者の目】
配信日時:2019年1月30日 01時53分
USGAとR&Aが「2018ディスタンスレポート」を発表。2018年の世界の主な7つのツアーのドライビングディスタンスが約1.7ヤード増加したという。毎年発表されるこのレポートでは、2017年に大幅な伸びが観測され、同7ツアーの平均で3ヤード伸びていたが、大幅な伸びを記録した翌年も1.7ヤード伸びる結果となっていた。
観測されているのは、PGAツアー(計測ホールと、オールドライブ)、ヨーロピアンツアー(欧州男子)、JGTO(日本男子)、Web.comツアー(米国下部)、PGAツアーチャンピオンズ(米国シニア)、LPGA(米国女子)および欧州女子ツアー。
■各ツアーの平均飛距離、最も伸びたのはPGAツアーの計測ホール
【2017】【2018】
欧州男子 291.7 294.7(+3y)
米国男子(計測) 292.5 296.1(+3.6y)※
同(全ホール) 285.1 286.9(+1.8y)
日本男子 282.6 282.9(+0.3y)
Web.com 302.9 304.9(+2y)
米国シニア 275.4 277.6(+2.2y)
欧州女子 246.1 246.7(+0.6y)
米国女子 252.6 252.7(+0.1y)
上記の同レポートのデータよると、すべてのツアーで距離が伸びたが、最も前年比の増加が激しかったのがPGAツアーの292.5から296.1ヤード(1.2%)の上昇。最も増加が少なかったのは、米国女子ツアーで、252.6ヤードから252.7ヤード(0.1%)。
なお、新星のキャメロン・チャンプが平均343.1ヤードを記録、ドライビングディスタンス1位になった昨季のWeb.comツアー。前年より2ヤード伸び、平均飛距離がなんと304.9ヤードに到達。PGAツアーの計測ホールと比較しても平均で8.8ヤード上回る結果となっている。
■全ツアーで飛距離UPも、スコアは軒並み悪化
ここまで飛距離が伸びれば、さぞかし平均スコアにも影響があるだろう。と、思うのが普通だが、レポートによれば平均スコアが悪化したツアーの方がはるかに多かった。(米国女子、日本男子、米国シニア、米国男子)
Web.comツアーは前年よりも平均スコアが良くなったが、2016年と同レベルまで戻っただけ。そして、一番平均スコアが良くなったのは、欧州男子ツアー。こちらは過去最高の平均スコアを記録していた。ただし、平均スコアは選手によってもコースセッティングによっても変化するものなため、飛距離の影響度がどれほどかは断言しづらい。
■50年前より41y、20年前より26y伸びたPGAツアー
最も細かいスタッツが記録されているPGAツアー。発表されたレポートから気になるデータを挙げていこう。まずは、昔との平均飛距離の違いについて。
キリのいい数字でいけば、50年前の1968年は約255ヤード、2018年が約296.1ヤード。実に50年間で平均飛距離が41ヤードも伸びていた。また、20年前の1998年の約270ヤードから26.1ヤード伸びた。ここ20年のクラブとボールの進化がいかに著しいかがよく分かる。
■PGAツアー、一番飛ばなかった層が急激UP!
また、昨年との違いで顕著なのが、【誰が飛距離を伸ばしたのか?】ということ。どのグループも飛距離を伸ばしているが、3枚目の画像に掲載されている、PGAツアーの飛距離レンジの異なるグループのうち、急激な伸びを記録している層が見て取れる。
ボトム10とボトム20、つまり一番飛ばない方から数えて20名が、軒並み6ヤード近くも伸ばした事実が興味深い。飛ばない選手がここまで急激に伸びた年は他になく、50グラム台の軽量シャフトを投入する選手が増えた影響かもしれない。
■PGAツアーの平均的な打ち出し条件は?
PGAツアーでは2007年からトラックマン計測の細かいスタッツがすべて公開されており、そのデータの平均値もレポートで確認できる。下記が2018年のデータで、()内に昨季のデータを記載した。PGAツアーの平均レベルがいかほどか? 弾道計測器をよく使う人は自分との違いを比べてほしい。
【2018年】
ヘッドスピード 50.83m/s(50.92)
ボールスピード 75.64m/s(75.46)
打ち出し角 11.1度(11.1)
スピン量 2641rpm(2578)
ちなみに、10年前の2008年の平均値は下記のようになっている。ヘッドスピードが平均0.6m/s遅く、ボールスピードは1.8m/sも遅かった。なお、10年前の平均飛距離は約287ヤード。2018年の296.1ヤードより8〜9ヤード飛ばなかった。
【2008年】
ヘッドスピード 50.2m/s
ボールスピード 73.85m/s
打ち出し角 11.3度
スピン量 2670rpm
Text/Mikiro Nagaoka
観測されているのは、PGAツアー(計測ホールと、オールドライブ)、ヨーロピアンツアー(欧州男子)、JGTO(日本男子)、Web.comツアー(米国下部)、PGAツアーチャンピオンズ(米国シニア)、LPGA(米国女子)および欧州女子ツアー。
■各ツアーの平均飛距離、最も伸びたのはPGAツアーの計測ホール
【2017】【2018】
欧州男子 291.7 294.7(+3y)
米国男子(計測) 292.5 296.1(+3.6y)※
同(全ホール) 285.1 286.9(+1.8y)
日本男子 282.6 282.9(+0.3y)
Web.com 302.9 304.9(+2y)
米国シニア 275.4 277.6(+2.2y)
欧州女子 246.1 246.7(+0.6y)
米国女子 252.6 252.7(+0.1y)
上記の同レポートのデータよると、すべてのツアーで距離が伸びたが、最も前年比の増加が激しかったのがPGAツアーの292.5から296.1ヤード(1.2%)の上昇。最も増加が少なかったのは、米国女子ツアーで、252.6ヤードから252.7ヤード(0.1%)。
なお、新星のキャメロン・チャンプが平均343.1ヤードを記録、ドライビングディスタンス1位になった昨季のWeb.comツアー。前年より2ヤード伸び、平均飛距離がなんと304.9ヤードに到達。PGAツアーの計測ホールと比較しても平均で8.8ヤード上回る結果となっている。
■全ツアーで飛距離UPも、スコアは軒並み悪化
ここまで飛距離が伸びれば、さぞかし平均スコアにも影響があるだろう。と、思うのが普通だが、レポートによれば平均スコアが悪化したツアーの方がはるかに多かった。(米国女子、日本男子、米国シニア、米国男子)
Web.comツアーは前年よりも平均スコアが良くなったが、2016年と同レベルまで戻っただけ。そして、一番平均スコアが良くなったのは、欧州男子ツアー。こちらは過去最高の平均スコアを記録していた。ただし、平均スコアは選手によってもコースセッティングによっても変化するものなため、飛距離の影響度がどれほどかは断言しづらい。
■50年前より41y、20年前より26y伸びたPGAツアー
最も細かいスタッツが記録されているPGAツアー。発表されたレポートから気になるデータを挙げていこう。まずは、昔との平均飛距離の違いについて。
キリのいい数字でいけば、50年前の1968年は約255ヤード、2018年が約296.1ヤード。実に50年間で平均飛距離が41ヤードも伸びていた。また、20年前の1998年の約270ヤードから26.1ヤード伸びた。ここ20年のクラブとボールの進化がいかに著しいかがよく分かる。
■PGAツアー、一番飛ばなかった層が急激UP!
また、昨年との違いで顕著なのが、【誰が飛距離を伸ばしたのか?】ということ。どのグループも飛距離を伸ばしているが、3枚目の画像に掲載されている、PGAツアーの飛距離レンジの異なるグループのうち、急激な伸びを記録している層が見て取れる。
ボトム10とボトム20、つまり一番飛ばない方から数えて20名が、軒並み6ヤード近くも伸ばした事実が興味深い。飛ばない選手がここまで急激に伸びた年は他になく、50グラム台の軽量シャフトを投入する選手が増えた影響かもしれない。
■PGAツアーの平均的な打ち出し条件は?
PGAツアーでは2007年からトラックマン計測の細かいスタッツがすべて公開されており、そのデータの平均値もレポートで確認できる。下記が2018年のデータで、()内に昨季のデータを記載した。PGAツアーの平均レベルがいかほどか? 弾道計測器をよく使う人は自分との違いを比べてほしい。
【2018年】
ヘッドスピード 50.83m/s(50.92)
ボールスピード 75.64m/s(75.46)
打ち出し角 11.1度(11.1)
スピン量 2641rpm(2578)
ちなみに、10年前の2008年の平均値は下記のようになっている。ヘッドスピードが平均0.6m/s遅く、ボールスピードは1.8m/sも遅かった。なお、10年前の平均飛距離は約287ヤード。2018年の296.1ヤードより8〜9ヤード飛ばなかった。
【2008年】
ヘッドスピード 50.2m/s
ボールスピード 73.85m/s
打ち出し角 11.3度
スピン量 2670rpm
Text/Mikiro Nagaoka