アダム・スコットが投入した【奇妙なハート型】パターはどこの何? 心も救う?
アダム・スコットが投入した【奇妙なハート型】パターはどこの何? 心も救う?
配信日時:2019年3月1日 00時54分
<ザ・ホンダ・クラシック 初日◇28日◇PGAナショナル チャンピオンコース(米国フロリダ州)◇7125ヤード・パー70>
米国男子ツアー「ザ・ホンダ・クラシック」の第1ラウンドが終了。6アンダー・単独首位にはジョナサン・ベガス(ベネズエラ)が立った。首位と2打差・2位タイにはザック・ジョンソン(米国)、アーニー・エルス(南アフリカ)らの4人。3打差・6位タイには2017年覇者のリッキー・ファウラー(米国)、ブルックス・ケプカ(米国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)ら14人が続いた。小平智は2オーバー・86位タイとなった。
アダム・スコットの手に、見慣れぬ【ハート型】の赤パターが握られていた。その見た目は、ブレードの後ろに、中がくり抜かれたハート型部分がくっついたような形で、シャフトはヘッドの中心に挿さっている。“前後にも、左右にも”センターシャフトのよう。
このパターは、「L.A.B. GOLF」というアメリカの新興パターメーカーの『Directed Force 2.1 Red』という。個々のストロークに応じてカスタムフィッティングが可能で、ホームページには特徴が下記のように記されていた。
「トルクは業界の問題です。プレーヤーは何年もの間、彼らのパターの自然なヘッドローテーションと闘ってきました。大部分はまったくそれに気づいていません。ほとんどのゴルファーはクラブに不均一な手の圧力を加えることによってそれを修正することを学びました。(中略)私たちのエンジニアとゴルフのプロのチームは、不要なヘッドの回転とトルクをすべて排除する、まったく新しい方式とクラブバランスのアプローチを開発するために提携しました。
私たちは現代のパターのバランスを文字通り再発明しました。それをライ角バランスと呼び、手の調整なしでストローク中のスクエアを保ちます。結果、体の小さくて信頼性の低い筋肉群は弛緩し、より強く大きな筋肉でスピードと軌道がコントロール可能になります。ライ角バランシングは、比類のない安定性、ボールの方向および距離制御を備えた“振り子のような”ストロークを生み出すのです」(Directed Forceパターのホームページより)
また、商品特徴を説明する動画がYouTubeにも投稿されている。その中で紹介される、パターを手に持たずに取り付けた器具で振るデモンストレーションが興味深い。一般のパターはグリップを手に持たないためクルクルとヘッドが回転するが、同社のものはヘッドが微動だにせず。この奇妙な【ハート型】だけでなく、特殊なグリップにもその秘密があるという。
今まで手先の筋肉で抑え込んでいた、どんな形状のパターにも起こるフェース開閉。これは当たり前過ぎて、ゴルファーの誰もが疑問にすら思わなかったことでもある。奇妙な【ハート型】がそれを開放するならば、イップスに悩むプロからアマチュアゴルファーまで、多くを救うかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka
米国男子ツアー「ザ・ホンダ・クラシック」の第1ラウンドが終了。6アンダー・単独首位にはジョナサン・ベガス(ベネズエラ)が立った。首位と2打差・2位タイにはザック・ジョンソン(米国)、アーニー・エルス(南アフリカ)らの4人。3打差・6位タイには2017年覇者のリッキー・ファウラー(米国)、ブルックス・ケプカ(米国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)ら14人が続いた。小平智は2オーバー・86位タイとなった。
アダム・スコットの手に、見慣れぬ【ハート型】の赤パターが握られていた。その見た目は、ブレードの後ろに、中がくり抜かれたハート型部分がくっついたような形で、シャフトはヘッドの中心に挿さっている。“前後にも、左右にも”センターシャフトのよう。
このパターは、「L.A.B. GOLF」というアメリカの新興パターメーカーの『Directed Force 2.1 Red』という。個々のストロークに応じてカスタムフィッティングが可能で、ホームページには特徴が下記のように記されていた。
「トルクは業界の問題です。プレーヤーは何年もの間、彼らのパターの自然なヘッドローテーションと闘ってきました。大部分はまったくそれに気づいていません。ほとんどのゴルファーはクラブに不均一な手の圧力を加えることによってそれを修正することを学びました。(中略)私たちのエンジニアとゴルフのプロのチームは、不要なヘッドの回転とトルクをすべて排除する、まったく新しい方式とクラブバランスのアプローチを開発するために提携しました。
私たちは現代のパターのバランスを文字通り再発明しました。それをライ角バランスと呼び、手の調整なしでストローク中のスクエアを保ちます。結果、体の小さくて信頼性の低い筋肉群は弛緩し、より強く大きな筋肉でスピードと軌道がコントロール可能になります。ライ角バランシングは、比類のない安定性、ボールの方向および距離制御を備えた“振り子のような”ストロークを生み出すのです」(Directed Forceパターのホームページより)
また、商品特徴を説明する動画がYouTubeにも投稿されている。その中で紹介される、パターを手に持たずに取り付けた器具で振るデモンストレーションが興味深い。一般のパターはグリップを手に持たないためクルクルとヘッドが回転するが、同社のものはヘッドが微動だにせず。この奇妙な【ハート型】だけでなく、特殊なグリップにもその秘密があるという。
今まで手先の筋肉で抑え込んでいた、どんな形状のパターにも起こるフェース開閉。これは当たり前過ぎて、ゴルファーの誰もが疑問にすら思わなかったことでもある。奇妙な【ハート型】がそれを開放するならば、イップスに悩むプロからアマチュアゴルファーまで、多くを救うかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka