ヤマハ新『RMX』ついに解禁。今平、藤田、谷口が語る「世界・年齢・時代の変化と戦える1W」の条件とは?
ヤマハ新『RMX』ついに解禁。今平、藤田、谷口が語る「世界・年齢・時代の変化と戦える1W」の条件とは?
配信日時:2019年8月5日 11時15分
5日、ヤマハの新商品発表会が行われ、今平周吾、藤田寛之、谷口徹という元国内賞金王3人が登壇。司会進行は杉澤伸章キャディが務め、世界と日本の差をよく知る者同士での「世界と戦う上で必要なドライバー性能」についてディスカッションが行われた。
■なぜ、ゼロベースの開発見直しが必要なのか?
今回の『RMX』シリーズは、これまでの同社の従来の開発をゼロベースで見直したといい、ここ数年海外メーカーの革新性やプロの活躍の勢いに押されがちだったことを正直に認める。その状況を早々に受け止め、同社は「単純な進化ではゴルファーを満足させられない」と、徹底的な開発見直しを決意したと言う。
また、契約プロとのコミュニケーションも従来よりも時期を早め、「何が求められているのか?」「世界と戦えるドライバーとは何か?」を入念に協議。同社のこれまでの商品否定さえ厭わず、プロの本音を引き出したことにより、ゼロベースの見直しを選んだのだとか。登壇した同社製品企画担当の梶山駿吾氏がこう明かす。
「ここ数年、お客様から飛ぶとの評価が聞かれなくなった。褒められる中身が顔や打感といったフィーリング面が多くなって…。同時にここ数年、飛びや方向性などの性能面の評判は海外メーカーにシフトしました。これではメーカーとして終わる。だからこそゼロベースで開発を見直し、徹底的に飛びや方向性、性能への評価を取り戻す。今回の『RMX』はそんな商品です。
まず飛距離のために、フェースの外周にぐるっと一周リブを配置しました。従来のクラウンやソールをたわませる形では、インパクトのエネルギーロスがありましたが、この【ブーストリング】でボディ剛性を高め、たわみをフェース周辺に限定させると初速アップにつながりました。
加えて、『RMX220』はヘッド慣性モーメント5700g・cm2以上を達成。このヘッドより高い慣性モーメントを持つものは、過去のどこの商品とは言いませんが、1つしか存在しないはずです。全部を調べた訳ではないのですが、おそらく、これまでで2位に該当する慣性モーメントの大きさだと自負しています」(梶山氏)
■藤田&谷口「クビを覚悟で本音を伝えた」
このメーカーとしての危機感・覚悟は、Mr.ヤマハとも呼べる藤田寛之にもしかと伝わっていた。
「この間まで同じくらいの距離の選手が、なんで20ヤード、30ヤード前にいるのかと。やっぱり、時代が変わっていく中で(世界最先端に)ついていかないと。だからかなり本気で現場の(辛辣な)意見を伝えました。もう、自分はヤマハさんからクビになってしまうんじゃないか。それくらいの愛情の裏返しというか…、本音で伝えてきましたね」(藤田寛之)
これに谷口徹も「めちゃくちゃ言ったら、本当にクビになるんじゃないかと…。でも、少し遠慮したけど、けっこう言った」と応じる。今平周吾も今季4大メジャー全てに出場した経験から「飛距離が海外選手と20ヤードくらい離されるんですけど、少しでも近づきたいなと。やっぱりティショットで、すごく差を感じます。方向性重視でも(スコアは)いけるんですが、あんまり振らなくても距離が出てくれれば」と、飛ぶ1Wを渇望してきた。
「ボクらの時より、今は海外の飛ばす次元が違ってきてる。コースの難易度も高い中で、今平くんも違いを感じるんじゃないかなと。無理して飛ばそうとすると曲がるし、やっぱり普通のスイングで距離が伸びた方が、日本と同じ用にプレーできるんじゃないか」と、谷口は今平を気遣う。藤田も「この歳(6月で50歳)になると色々頼りたくなる。やっぱり道具とか、自分の努力は置いておいて、どうしても頼りたくなるのがこの歳かなと。少しでも飛ぶものがいい」と話す。
■50歳を迎え「飛距離の伸び代はクラブにしかない」
「元々クラブに関して100%フィーリング派だったけど、時代も変わってヘッドが大きくなってきて(考えが)変わってきた。昔は技術で真っすぐ打っていたけど、今はフィーリングだけじゃなく、数字の裏付けが大事。ボールスピードだったりスピン量だったり。だから、数字は絶対に見ます。あとの数字は自分の技術で合わせることができるけど、初速だけはそうはいかない。だから、ボールスピードを一番重視します」(藤田寛之)
かねてからボールを操ることに長けた“フィーリング魔神”と呼べる谷口でさえ、考えが変わってきたと応じる。
「最近までずっと小さいのがいいって言ってきたけど、他の(大型ヘッドの)選手と回ると、やっぱり初速が出るなとか感じる。なんで良くなったか?聞くと、クラブが変わったと。そして、まったく曲がんない。その前は曲がってたのに、クラブを替えて実際良くなってるのを見ると、いいなと思いますよね。
自分はトレーニングしても飛距離の伸びしろがないので、少しでもこういうもので若手に離されないようにと思いますね。実際、プロでもスコアも大事ですが、あのホールの2打目はPWだよ、とかよく自慢話をしますから。今の若手選手は3Wでも飛びますからね。3Wに負けるのだけは嫌だなと」(谷口徹)
■新『RMX120』を打った感想は?
そんな本音を聞いた上で、改めて新『RMX』の性能をどう感じたのか? 3人とも『RMX120』ドライバーをテストしているが、全員「確実に初速が上がった」と語る。谷口は「2m/s行かないくらいで、5、6ヤード伸びる」と語り、今平も「ボクも同じです」とフィーリング派の2人が語る。数字も重視する藤田は「71m/s前後から73m/sに伸びた」とした上で、それだけではないと語る。
⇒とんでもない慣性モーメント『RMX220』の特徴はこうなってます!
「まずは初速が上がりますから、飛距離も出ますし、今回のものは直進性が高いんですよね。前に前に飛ぶような、ラフから打つフライヤーのようにサイドスピンの少なさを感じますね。ちゃんとスクエアに当てられたら、勝手に真っすぐ飛んでいくというか、ヘッドが仕事をしてくれるクラブなんですよ。ヤマハの本気を感じるというか、変わりましたよね。
テストの回数も今までの3倍くらい増えて、とにかく結果を出すために何をしなければいけないか?にヤマハがこだわっている。ある種ボクら選手はモルモットですが、開発とプロ側の両輪が回って、これからもっと良くなると思う。中々ダメな部分を認めて、そこから先に行こうとするメーカーもそんなにないと思うんですよね」(藤田寛之)
昨今、どのメーカーも「プロゴルファーとアマチュアのドライバーに求めることは同じだ」と語る。飛距離と方向性の両方を求めるのは、洋の東西やプロ・アマを問わず、全ゴルファーが同じことである。そのことに気づき、過去を否定してでも取り組んだヤマハ新『RMX』シリーズ。発売は9月6日。打てば、その答えが分かる。
■なぜ、ゼロベースの開発見直しが必要なのか?
今回の『RMX』シリーズは、これまでの同社の従来の開発をゼロベースで見直したといい、ここ数年海外メーカーの革新性やプロの活躍の勢いに押されがちだったことを正直に認める。その状況を早々に受け止め、同社は「単純な進化ではゴルファーを満足させられない」と、徹底的な開発見直しを決意したと言う。
また、契約プロとのコミュニケーションも従来よりも時期を早め、「何が求められているのか?」「世界と戦えるドライバーとは何か?」を入念に協議。同社のこれまでの商品否定さえ厭わず、プロの本音を引き出したことにより、ゼロベースの見直しを選んだのだとか。登壇した同社製品企画担当の梶山駿吾氏がこう明かす。
「ここ数年、お客様から飛ぶとの評価が聞かれなくなった。褒められる中身が顔や打感といったフィーリング面が多くなって…。同時にここ数年、飛びや方向性などの性能面の評判は海外メーカーにシフトしました。これではメーカーとして終わる。だからこそゼロベースで開発を見直し、徹底的に飛びや方向性、性能への評価を取り戻す。今回の『RMX』はそんな商品です。
まず飛距離のために、フェースの外周にぐるっと一周リブを配置しました。従来のクラウンやソールをたわませる形では、インパクトのエネルギーロスがありましたが、この【ブーストリング】でボディ剛性を高め、たわみをフェース周辺に限定させると初速アップにつながりました。
加えて、『RMX220』はヘッド慣性モーメント5700g・cm2以上を達成。このヘッドより高い慣性モーメントを持つものは、過去のどこの商品とは言いませんが、1つしか存在しないはずです。全部を調べた訳ではないのですが、おそらく、これまでで2位に該当する慣性モーメントの大きさだと自負しています」(梶山氏)
■藤田&谷口「クビを覚悟で本音を伝えた」
このメーカーとしての危機感・覚悟は、Mr.ヤマハとも呼べる藤田寛之にもしかと伝わっていた。
「この間まで同じくらいの距離の選手が、なんで20ヤード、30ヤード前にいるのかと。やっぱり、時代が変わっていく中で(世界最先端に)ついていかないと。だからかなり本気で現場の(辛辣な)意見を伝えました。もう、自分はヤマハさんからクビになってしまうんじゃないか。それくらいの愛情の裏返しというか…、本音で伝えてきましたね」(藤田寛之)
これに谷口徹も「めちゃくちゃ言ったら、本当にクビになるんじゃないかと…。でも、少し遠慮したけど、けっこう言った」と応じる。今平周吾も今季4大メジャー全てに出場した経験から「飛距離が海外選手と20ヤードくらい離されるんですけど、少しでも近づきたいなと。やっぱりティショットで、すごく差を感じます。方向性重視でも(スコアは)いけるんですが、あんまり振らなくても距離が出てくれれば」と、飛ぶ1Wを渇望してきた。
「ボクらの時より、今は海外の飛ばす次元が違ってきてる。コースの難易度も高い中で、今平くんも違いを感じるんじゃないかなと。無理して飛ばそうとすると曲がるし、やっぱり普通のスイングで距離が伸びた方が、日本と同じ用にプレーできるんじゃないか」と、谷口は今平を気遣う。藤田も「この歳(6月で50歳)になると色々頼りたくなる。やっぱり道具とか、自分の努力は置いておいて、どうしても頼りたくなるのがこの歳かなと。少しでも飛ぶものがいい」と話す。
■50歳を迎え「飛距離の伸び代はクラブにしかない」
「元々クラブに関して100%フィーリング派だったけど、時代も変わってヘッドが大きくなってきて(考えが)変わってきた。昔は技術で真っすぐ打っていたけど、今はフィーリングだけじゃなく、数字の裏付けが大事。ボールスピードだったりスピン量だったり。だから、数字は絶対に見ます。あとの数字は自分の技術で合わせることができるけど、初速だけはそうはいかない。だから、ボールスピードを一番重視します」(藤田寛之)
かねてからボールを操ることに長けた“フィーリング魔神”と呼べる谷口でさえ、考えが変わってきたと応じる。
「最近までずっと小さいのがいいって言ってきたけど、他の(大型ヘッドの)選手と回ると、やっぱり初速が出るなとか感じる。なんで良くなったか?聞くと、クラブが変わったと。そして、まったく曲がんない。その前は曲がってたのに、クラブを替えて実際良くなってるのを見ると、いいなと思いますよね。
自分はトレーニングしても飛距離の伸びしろがないので、少しでもこういうもので若手に離されないようにと思いますね。実際、プロでもスコアも大事ですが、あのホールの2打目はPWだよ、とかよく自慢話をしますから。今の若手選手は3Wでも飛びますからね。3Wに負けるのだけは嫌だなと」(谷口徹)
■新『RMX120』を打った感想は?
そんな本音を聞いた上で、改めて新『RMX』の性能をどう感じたのか? 3人とも『RMX120』ドライバーをテストしているが、全員「確実に初速が上がった」と語る。谷口は「2m/s行かないくらいで、5、6ヤード伸びる」と語り、今平も「ボクも同じです」とフィーリング派の2人が語る。数字も重視する藤田は「71m/s前後から73m/sに伸びた」とした上で、それだけではないと語る。
⇒とんでもない慣性モーメント『RMX220』の特徴はこうなってます!
「まずは初速が上がりますから、飛距離も出ますし、今回のものは直進性が高いんですよね。前に前に飛ぶような、ラフから打つフライヤーのようにサイドスピンの少なさを感じますね。ちゃんとスクエアに当てられたら、勝手に真っすぐ飛んでいくというか、ヘッドが仕事をしてくれるクラブなんですよ。ヤマハの本気を感じるというか、変わりましたよね。
テストの回数も今までの3倍くらい増えて、とにかく結果を出すために何をしなければいけないか?にヤマハがこだわっている。ある種ボクら選手はモルモットですが、開発とプロ側の両輪が回って、これからもっと良くなると思う。中々ダメな部分を認めて、そこから先に行こうとするメーカーもそんなにないと思うんですよね」(藤田寛之)
昨今、どのメーカーも「プロゴルファーとアマチュアのドライバーに求めることは同じだ」と語る。飛距離と方向性の両方を求めるのは、洋の東西やプロ・アマを問わず、全ゴルファーが同じことである。そのことに気づき、過去を否定してでも取り組んだヤマハ新『RMX』シリーズ。発売は9月6日。打てば、その答えが分かる。