フェースは真っすぐでも「ライ角」が合っていないと、球は曲がるしスイングも崩れる【クラブ選びの基礎】
スイングがどんなに良くても、ライ角が合っていないと球は真っすぐ飛ばない。アイアンショットが曲がる人は、ライ角を疑ってみよう。
配信日時:2024年6月19日 04時15分
今回は、ライ角の話です。ライ角とは、クラブを構えたときにできる地面とシャフトの角度。アマチュアゴルファーの中には、ライ角に関して無頓着な人が多いようですが、クラブ選びにおいては重要なポイントになります。特に、地面にあるボールを打つアイアンの場合、ライ角が合っているかどうかでショットの内容が大きく変わります。
最も分かりやすい例で言うと、ライ角がアップライト(構えたときトゥ側が浮いている状態)だとボールは左に曲がり、フラット(ヒール側が浮いている状態)だと右に曲がります。つまり、ライ角が合っていないと、どんなにいいスイングをしたとしても真っすぐ飛ばないということです。
曲がった原因がライ角だということが分かっている場合はまだいいのですが、ほとんどの人は球が曲がると、何とか真っすぐ飛ばそうと、手先でインパクトを合わせようとしてしまいます。そしてそれが積み重なると、スイングそのものがおかしくなってしまいます。
極論になりますが、ライ角が合っていないクラブを使っている限り、上達の可能性はないといってもいいでしょう。
では、ライ角を合わせるためにはどうすればいいのか。
一般的には普通に構えたとき、「10円玉が2~3枚入る程度、トゥが浮いていればOK」といわれています。
トゥを浮かせるのは、インパクトゾーンでタテしなりが発生しトゥ側が下がる、いわゆるトゥダウンするから。その分、あらかじめ浮かせておきましょうということなのですが、実をいうとアベレージゴルファーのトゥダウンは、10円玉2~3枚では追いつかないくらい激しく、しかもトゥダウンの大きさは、人によって異なります。つまり、構えたときにライ角が合っていればいいというわけではないということ。大事なのは、インパクトのときにライ角が合っているかどうかということになります。
インパクト時のライ角がどうなっているかを知るためには、スイング時のライ角を正確に測定できるゴルフ計測器(GCクアッドなど)を使うしかありません。となると、当然、設備の整ったショップでライ角を合わせてから購入するか、フィッティングスタジオに持ち込むかしかないということになります。また、購入するモデルも、ライ角調整が可能なものを選ぶというのが絶対条件になります。
オススメは、カスタマー対応を行っているメーカーのモデルを購入することです。具体的には、7番か8番アイアン辺りで実際に打ってベストのライ角の数字を出してもらい、それを基準に各番手のライ角を調整してもらうことです。そうすれば、自分にマッチするモデルが手に入るし、誤差が出る心配もありません。
ネットで「ポチッ」とやるよりも高くついてしまいますが、その後のスコアや、練習に費やす時間、費用のことを考えると安いもの。スイングもきれいになりますよ。
■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼されて、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートする。
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