増える“購入可能”なプロトタイプ。アイアン市場に変化の見られた2019年【記者の目】
増える“購入可能”なプロトタイプ。アイアン市場に変化の見られた2019年【記者の目】
配信日時:2019年11月28日 06時16分
キャロウェイから石川遼、フランチェスコ・モリナリらが使用する『APEX MBツアーバージョン』の限定発売がアナウンスされ、直近では米国コブラも『RF PROTO』なるリッキー・ファウラーの要望を満たすプロトタイプと思しきリーク画像が出回っている。そこで、今年の春に端を発する“購入可能”なプロトタイプアイアンのトレンドを振り返ってみよう。
■ホンマ、テーラーが有名プロ用PROTOを発売
2019年春のトピックと言えば、まず、ホンマ『TW-MB ROSE PROTO』アイアンが挙げられる。ジャスティン・ローズは20年の長きに渡ったテーラーメイドとの契約から新たなる旅立ちを見据え、世界一のその先へいくため、自らが求める完璧なアイアンの制作に移った。そして選んだパートナーがホンマ。長い会話の中で生み出されたローズにとって完璧なアイアン『TW-MB ROSE PROTO』を、ホンマは実際に3月から販売した。
また、4月には「マスターズ」でタイガー・ウッズが復活のメジャー15勝目。この週から発売が発表されたテーラーメイド『P7TW』は、タイガーのこだわりが結集、寸分違わず同じものが生産できるスグレモノで、もうタイガーはエースアイアンを職人の手研磨ものから選び出す長いテスト期間を経なくてすむようになった。それまでは『TW-PHASE1』と呼ばれるプロトタイプを研磨職人と共に前年に完成させ使用していた。今年から『P7TW』のプロトタイプがツアーに投入され、タイガーだけでなく、トミー・フリートウッドが使用していた。発売されると初期ロットは瞬く間に世界で予約完売、中西直人らツアープロらも自腹購入で使用するなど“購入可能”なプロトタイプの最高峰かと思われた。
■PINGが軟鉄鍛造MB!?ミズノもケプカモデルを発売
そうこうしていると、7月にはミズノが海外モデルの『JPX919ツアー』を日本でも限定発売。プロトタイプの名が付くわけではないが、『JPX919ツアー』といえば、現在世界ランク1位のブルックス・ケプカのために作られた『JPX900ツアー』の後継作。クラブ契約フリーでボールストライカーであるケプカだけでなく、ジャズ・ジェーンワタナノンドや、イ・ミニョン、穴井詩(自腹で購入)ら契約フリー選手がこぞって使用し、ツアーで大活躍をはたしたこともあり、日本に入ってきた同作の在庫は一瞬で蒸発した。
⇒契約フリーのブルックス・ケプカ。なぜミズノのアイアン?
また、これまで軟鉄鍛造マッスルバックを販売したことのないPINGまでもが『ブループリント』を8月に発売。このモデルは昨年10月からルイ・ウーストハウゼンが『Blueprint Proto』として使用しており、その後は今年に入ってキャメロン・チャンプ他、世界中の多数のPING契約プロがこぞって欲しがったプロトタイプ。発売された製品版もプロトタイプとまったく同じデザインだった。
ホンマ、テーラーメイド、ミズノ、PING、キャロウェイ。そして、コブラ『RF PROTO』。その他のメーカーも含め、2020年もこの流れが続きそうな気配が漂っている。
Text/Mikiro Nagaoka
■ホンマ、テーラーが有名プロ用PROTOを発売
2019年春のトピックと言えば、まず、ホンマ『TW-MB ROSE PROTO』アイアンが挙げられる。ジャスティン・ローズは20年の長きに渡ったテーラーメイドとの契約から新たなる旅立ちを見据え、世界一のその先へいくため、自らが求める完璧なアイアンの制作に移った。そして選んだパートナーがホンマ。長い会話の中で生み出されたローズにとって完璧なアイアン『TW-MB ROSE PROTO』を、ホンマは実際に3月から販売した。
また、4月には「マスターズ」でタイガー・ウッズが復活のメジャー15勝目。この週から発売が発表されたテーラーメイド『P7TW』は、タイガーのこだわりが結集、寸分違わず同じものが生産できるスグレモノで、もうタイガーはエースアイアンを職人の手研磨ものから選び出す長いテスト期間を経なくてすむようになった。それまでは『TW-PHASE1』と呼ばれるプロトタイプを研磨職人と共に前年に完成させ使用していた。今年から『P7TW』のプロトタイプがツアーに投入され、タイガーだけでなく、トミー・フリートウッドが使用していた。発売されると初期ロットは瞬く間に世界で予約完売、中西直人らツアープロらも自腹購入で使用するなど“購入可能”なプロトタイプの最高峰かと思われた。
■PINGが軟鉄鍛造MB!?ミズノもケプカモデルを発売
そうこうしていると、7月にはミズノが海外モデルの『JPX919ツアー』を日本でも限定発売。プロトタイプの名が付くわけではないが、『JPX919ツアー』といえば、現在世界ランク1位のブルックス・ケプカのために作られた『JPX900ツアー』の後継作。クラブ契約フリーでボールストライカーであるケプカだけでなく、ジャズ・ジェーンワタナノンドや、イ・ミニョン、穴井詩(自腹で購入)ら契約フリー選手がこぞって使用し、ツアーで大活躍をはたしたこともあり、日本に入ってきた同作の在庫は一瞬で蒸発した。
⇒契約フリーのブルックス・ケプカ。なぜミズノのアイアン?
また、これまで軟鉄鍛造マッスルバックを販売したことのないPINGまでもが『ブループリント』を8月に発売。このモデルは昨年10月からルイ・ウーストハウゼンが『Blueprint Proto』として使用しており、その後は今年に入ってキャメロン・チャンプ他、世界中の多数のPING契約プロがこぞって欲しがったプロトタイプ。発売された製品版もプロトタイプとまったく同じデザインだった。
ホンマ、テーラーメイド、ミズノ、PING、キャロウェイ。そして、コブラ『RF PROTO』。その他のメーカーも含め、2020年もこの流れが続きそうな気配が漂っている。
Text/Mikiro Nagaoka