なぜ日本じゃなく、PGAショーで発表? ミズノ『ST200X』『ST200』ドライバー、3月20日世界同時デビュー
なぜ日本じゃなく、PGAショーで発表? ミズノ『ST200X』『ST200』ドライバー、3月20日世界同時デビュー
配信日時:2020年1月23日 02時11分
現地時間22日(水)から3日間、米フロリダ州で世界最大級のゴルフ見本市「PGAマーチャンダイズショー」が行われる。そして、21日のデモデーで、ミズノが世界戦略モデル『ST200X』『ST200』ドライバーを現地で正式発表を行った。ミズノといえば、日本でフラッグシップ『ミズノプロ』シリーズを持つメーカーだが、なぜ米国発信の『ST』なのか? 米国ミズノのクリス・ボシャール氏に詳しく話を聞いた。
▶「ZOZO」でこっそりテスト&絶賛されていた、ミズノ『ST200』を激写!国内男子で供給開始
「今回のドライバーは3月20日に世界同時発売となりますが、これは日本と米国で協力して1つのものを作り、この1個のリソースを使うという形。世界のミズノが一丸となり、このリソースを有効活用して戦うことが今後のあるべき姿、と描いています。開発面、マーケティング面のリソースを一気に集めて、世界と戦うイメージです。今はSNSの普及もあって、世界中に情報が瞬時に広がる時代。これまでと違い、日本で『ST』ドライバーを使って優勝したニュースが米国にも届いてくる。もちろん、逆もしかりです」(ボシャール氏)
■欧米モデル『ST』の新作『ST200』シリーズを世界戦略モデルとして逆流
元々ミズノの欧米モデルとして展開されていた『ST』シリーズ。『ST』とは「スピードテクノロジー」の略で、2018年の『ST180』から始まり、翌19年には『ST190』でキース・ミッチェルがPGAツアーで久々に優勝。元々アイアンに対する高い評価があった同社だが、『ST190』の性能の評価はプロ、アマ共に高く、一つの契機となっていた。
「ミズノはこれまで、アイアンでいうと日本で開発された素材・設計を米国でも活用していましたが、『ST200』ドライバーに関しては、これまでと逆。世界をリードするPGAツアーで通用するドライバーを米国で開発し、そしてそれに見合った評価が近年出てきた。これを日本に持ち込むことは、米国にいるスタッフからすると、とても嬉しく思います。
元々、PGAツアーでミズノのドライバー使用選手は少なく、当初『ST180』は選手から「ミズノのドライバーはスピンが多すぎる」との反応でした。そして『ST190』でスピンを減らすことはできたが、今度は「ミスへのやさしさが足りない」と。やさしさはMOIの大きさで計られますが、スピン減とMOIアップは一般的には難しいこと。それを同時に達成したのが『ST200』で、いい反応を得ています。
私が想像したより遥に早い過程です。『ST180』から大きく進化した『ST190』でキース・ミッチェルが優勝(2019年3月、ザ・ホンダクラシック)。すると、他の選手からはミズノのドライバーへ問い合わせが来はじめ、大きなジャンプがあった。『ST200』はそこから長い時間を要したわけではなく、『ST190』を少し上積みできたものと考えていたら、それ以上に低スピンとやさしさの両立を一気に達成できたと思っています」(同)
■技術革新は【βチタン】と徹底した【軽量化】
想像以上の進化を遂げた技術的な背景とは何なのか。ボシャール氏は、『ミズノプロ』で採用された禁断のフェース素材【βチタン】を挙げる。
「まずは挙げたいのは、βチタンのフェースであること。この素材なら、インパクト時にフェースが変形して元に戻る際、より多くの力をボールに伝えることができます。また『ST200』シリーズは、前作『ST190』と同じカーボンクラウンですが、『ST190』よりもカーボンを薄くし、20%の軽量に成功しました。そして、これまで日本のモデルでも取り入れてきた【ウェーブテクノロジーソール】(従来品の波型形状デザインをさらに深くする技術)に改良を加えました。これまでのものに比べフェースに近い位置に配置し、以前のものよりも幅を狭くしながら、より深くして前作よりも、より“たわむ”フェースになりました。
フェースにβチタンを使用すると強度が高まります。強度が高まれば、より薄くできる。そして薄くすることができれば、当然ながらその部分は軽くなります。カーボンクラウンも先ほど言ったように前作よりも軽く、さらにウェーブテクノロジーソールも幅を狭くしたことで軽量化が進みました。この3つの面を軽くすることで“余った重量”を利用し、これまでよりも深く、そしてやさしい重心をもつクラブを生み出すことができた。『ST200』はソール後方、『ST200X』は後ろとヒール側にウェイトビスを配置することで、そこに重心がかかるよう設計されています」(同)
ソールデザインがそっくりに見えるが、モデルごとの棲み分けはどうなっているのか?
「『ST200』はボールを左右に曲げたくなく、できるだけ真っすぐ、低スピンで飛ばしたい人向け。そしてヘッドスピードは速め、というユーザーを想定しています。『ST200X』はヘッドスピードが遅い人が使用することを想定していて、スライスに悩んでいる人でも、しっかりとボールがつかまるよう開発しました。真ん中よりもどちらかというと左にドローを打つことを望んでいるユーザー向けです。高弾道にするためライ角はアップライトで、ロフトも少し寝かせています」(同)
■デモデーのアマチュアの反応は?
デモデーとあって、多くの米アマチュアゴルファーから注目を集めていた『ST200』シリーズ。年配者だけでなく、若者ゴルファーもこぞって試打し、下記のように語っていた。中にはドラコン世界ランクに入ったという猛者もおり、「今回のデモデーで一番いいクラブ」との反応も。
「構えた時の顔も気に入ったけれど、なによりも打感が素晴らしいね。フェースがボールを弾くという感覚を、すごく感じることができた。それに、スピン量も少なくて風が強い中でも、ボールが浮き上がらずに、強く飛んだことに驚いたよ」(ミズノカラーの青色で決めた男子ゴルファー)
「ミズノといったらアイアンがすごく有名だけど、ドライバーは今まで使ったことがなかった。(デモデーで)初めて打ってみたけど、思った以上にいい感触だった。ミズノのウッドが打てるということで、今回会場に来ることを非常に楽しみにしていたんだ」(ゴルフ歴6年の20歳男性ゴルファー)
「ベリーグッドよ。今までミズノのドライバーは使ったことがなかったけれど、きょう打った中で一番いいクラブだと感じたわ。私がドライバーを選ぶ時に重要視するのは安定性の高さ。ショットごとにスピン量やキャリーにバラつきがないことが、すごく大事なの。それに照らし合わせてみても、すごくいい感じよ」(ドラコンの世界ランクでトップ10に入ったことがあると言う女性ゴルファー)
▶「ZOZO」でこっそりテスト&絶賛されていた、ミズノ『ST200』を激写!国内男子で供給開始
「今回のドライバーは3月20日に世界同時発売となりますが、これは日本と米国で協力して1つのものを作り、この1個のリソースを使うという形。世界のミズノが一丸となり、このリソースを有効活用して戦うことが今後のあるべき姿、と描いています。開発面、マーケティング面のリソースを一気に集めて、世界と戦うイメージです。今はSNSの普及もあって、世界中に情報が瞬時に広がる時代。これまでと違い、日本で『ST』ドライバーを使って優勝したニュースが米国にも届いてくる。もちろん、逆もしかりです」(ボシャール氏)
■欧米モデル『ST』の新作『ST200』シリーズを世界戦略モデルとして逆流
元々ミズノの欧米モデルとして展開されていた『ST』シリーズ。『ST』とは「スピードテクノロジー」の略で、2018年の『ST180』から始まり、翌19年には『ST190』でキース・ミッチェルがPGAツアーで久々に優勝。元々アイアンに対する高い評価があった同社だが、『ST190』の性能の評価はプロ、アマ共に高く、一つの契機となっていた。
「ミズノはこれまで、アイアンでいうと日本で開発された素材・設計を米国でも活用していましたが、『ST200』ドライバーに関しては、これまでと逆。世界をリードするPGAツアーで通用するドライバーを米国で開発し、そしてそれに見合った評価が近年出てきた。これを日本に持ち込むことは、米国にいるスタッフからすると、とても嬉しく思います。
元々、PGAツアーでミズノのドライバー使用選手は少なく、当初『ST180』は選手から「ミズノのドライバーはスピンが多すぎる」との反応でした。そして『ST190』でスピンを減らすことはできたが、今度は「ミスへのやさしさが足りない」と。やさしさはMOIの大きさで計られますが、スピン減とMOIアップは一般的には難しいこと。それを同時に達成したのが『ST200』で、いい反応を得ています。
私が想像したより遥に早い過程です。『ST180』から大きく進化した『ST190』でキース・ミッチェルが優勝(2019年3月、ザ・ホンダクラシック)。すると、他の選手からはミズノのドライバーへ問い合わせが来はじめ、大きなジャンプがあった。『ST200』はそこから長い時間を要したわけではなく、『ST190』を少し上積みできたものと考えていたら、それ以上に低スピンとやさしさの両立を一気に達成できたと思っています」(同)
■技術革新は【βチタン】と徹底した【軽量化】
想像以上の進化を遂げた技術的な背景とは何なのか。ボシャール氏は、『ミズノプロ』で採用された禁断のフェース素材【βチタン】を挙げる。
「まずは挙げたいのは、βチタンのフェースであること。この素材なら、インパクト時にフェースが変形して元に戻る際、より多くの力をボールに伝えることができます。また『ST200』シリーズは、前作『ST190』と同じカーボンクラウンですが、『ST190』よりもカーボンを薄くし、20%の軽量に成功しました。そして、これまで日本のモデルでも取り入れてきた【ウェーブテクノロジーソール】(従来品の波型形状デザインをさらに深くする技術)に改良を加えました。これまでのものに比べフェースに近い位置に配置し、以前のものよりも幅を狭くしながら、より深くして前作よりも、より“たわむ”フェースになりました。
フェースにβチタンを使用すると強度が高まります。強度が高まれば、より薄くできる。そして薄くすることができれば、当然ながらその部分は軽くなります。カーボンクラウンも先ほど言ったように前作よりも軽く、さらにウェーブテクノロジーソールも幅を狭くしたことで軽量化が進みました。この3つの面を軽くすることで“余った重量”を利用し、これまでよりも深く、そしてやさしい重心をもつクラブを生み出すことができた。『ST200』はソール後方、『ST200X』は後ろとヒール側にウェイトビスを配置することで、そこに重心がかかるよう設計されています」(同)
ソールデザインがそっくりに見えるが、モデルごとの棲み分けはどうなっているのか?
「『ST200』はボールを左右に曲げたくなく、できるだけ真っすぐ、低スピンで飛ばしたい人向け。そしてヘッドスピードは速め、というユーザーを想定しています。『ST200X』はヘッドスピードが遅い人が使用することを想定していて、スライスに悩んでいる人でも、しっかりとボールがつかまるよう開発しました。真ん中よりもどちらかというと左にドローを打つことを望んでいるユーザー向けです。高弾道にするためライ角はアップライトで、ロフトも少し寝かせています」(同)
■デモデーのアマチュアの反応は?
デモデーとあって、多くの米アマチュアゴルファーから注目を集めていた『ST200』シリーズ。年配者だけでなく、若者ゴルファーもこぞって試打し、下記のように語っていた。中にはドラコン世界ランクに入ったという猛者もおり、「今回のデモデーで一番いいクラブ」との反応も。
「構えた時の顔も気に入ったけれど、なによりも打感が素晴らしいね。フェースがボールを弾くという感覚を、すごく感じることができた。それに、スピン量も少なくて風が強い中でも、ボールが浮き上がらずに、強く飛んだことに驚いたよ」(ミズノカラーの青色で決めた男子ゴルファー)
「ミズノといったらアイアンがすごく有名だけど、ドライバーは今まで使ったことがなかった。(デモデーで)初めて打ってみたけど、思った以上にいい感触だった。ミズノのウッドが打てるということで、今回会場に来ることを非常に楽しみにしていたんだ」(ゴルフ歴6年の20歳男性ゴルファー)
「ベリーグッドよ。今までミズノのドライバーは使ったことがなかったけれど、きょう打った中で一番いいクラブだと感じたわ。私がドライバーを選ぶ時に重要視するのは安定性の高さ。ショットごとにスピン量やキャリーにバラつきがないことが、すごく大事なの。それに照らし合わせてみても、すごくいい感じよ」(ドラコンの世界ランクでトップ10に入ったことがあると言う女性ゴルファー)