＜ザ・ノーザン・トラスト 最終日◇23日◇TPCボストン（米マサチューセッツ州）◇7308ヤード・パー71＞

米国男子ツアープレーオフシリーズ初戦の「ザ・ノーザン・トラスト」最終日。2日目に「60」をマークして一気に優勝戦線に浮上したDJことダスティン・ジョンソン（米国）が3日目に続きこの日もスコアを8つ伸ばし、トータル30アンダーで今季2勝目、通算22勝目を飾った。

これまでトータル30アンダー以上を記録したのは、31アンダーのアーニー・エルス（03年）、30アンダーのジョーダン・スピース（16年）がいるが、いずれもパー73で記録されたもの。DJがパー71で記録した5イーグル、23バーディ、3ボギーがいかに支配的だったかは、2位との差が11打という数字にも如実に表れている。

約1時間半の雷の中断があり、優勝もほぼ手中する中で再開された残り2ホールもそのプレーぶりは何も変わらず。今週2度イーグルを奪った18番では当たり前のように『SIM』ドライバーでフェアウェイを捉え、2打目を乗せてイーグル逃しのバーディを奪い、一人異次元の30アンダーに到達した。

優勝の要因を聞かれ「水曜日にパッティングのコツを見つけて、それが木曜日に良くて、日曜日まで好調が持続した」と話したDJ。手にしていたのは2016年モデルのテーラーメイド『SPIDER ITSY BITSY LIMITED』パター。当時の赤い市販品はベンドネックだったが、DJのものは黒でショートスラントネック。後の2017年の大ヒット作『スパイダーツアーブラック』に繋がるモデルである。（2017年、DJはこのパターで3連勝している）

⇒元々はジェイソン・デイ用に開発された16年製の『SPIDER ITSY BITSY LIMITED RED』

パターがもちろん勝因だが、それ以外のスタッツも軒並み1位。4日間のパーオン率は「90.28％」で1位、平均飛距離320ヤードは2位でSG：APPROACH to GREENは「12.122」を積み上げ1位だ。飛んで曲がらず、アイアンがキレる上にパットが入る。誰もが獲りたい試合を圧倒的なパフォーマンスで支配した36歳。この形状のパターでスイッチが入ったとなれば、しばらく無敵状態が続いてもおかしくない。