シン貧打爆裂レポート『スパイダー GTx TRUSS パター』
貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2023年3月29日 08時00分
ロマン派ゴルフ作家語る
『スパイダー GT TM1 パター』と比較して、個人的には周辺重量分散が進化したというよりも、逆に『スパイダー GTx TRUSS パター』は懐かしい感触が強くなったような気がします。想像するに「TRUSS ホーゼル」も軽くして、全体のバランスが良くなったからだと思いました。
後方重心が効けば、物理的には、引っ掛けにくくなって、ゴルファーを助けるというのがセオリーですが、開きやすさは感じずに、むしろ、フェースが敏感に閉じる印象です。この辺りは、両極端の別々の悩みのどちらのゴルファーにも効くような気がしました。
開くのが嫌な場合は、スッと閉じて助けて、閉じるが嫌な場合は、開き気味に挙動してくれる。慣性モーメントは数値が高いほどヘッドが開閉しにくくなる理論ですが、これが両刃の剣になるというわけです。
『スパイダー GTx TRUSS パター』は、オートマチック感が強くなって、やさしくなっています。その分、感性が敏感さと結び付いて、入り出したら止まらないみたいな想像はしづらくなりました。
しかし、試打ラウンドに付き合ってくれた親しい友人に打ってもらったところ、6ホール連続1パットという記録が出たのです。色々な距離、色々なラインを完璧に打っていました。入りまくる現象はしっかりと起きたのです。つまり、合うゴルファーが打てば、しっかりと機能する、ということなのだと思います。
『スパイダー GTx TRUSS パター』は、転がりが素直なパターで3パットを減らしたいと考えているゴルファーと、「TRUSS ホーゼル」を使ってみたいゴルファーにオススメです。前モデルよりも、転がりが素直になって、良い意味でスパイダーらしい癖がなくなりました。
ツアーパターというのは、基本的には合格点をクリアしない項目があっても、飛び抜けてレッドゾーンに入ってしまうプラスポイントがあるような個性があってこそ存在意義があると思います。『スパイダー GTx TRUSS パター』も、そういう自分だけにチューニングされているように感じさせる1本に仕上がっている、と感じました。
結果として、入れば勝ち、という世界で戦うパターとして『スパイダー GTx TRUSS パター』はブラッシュアップされているのです。
僕は、『スパイダー GT TM1 パター』のインプレ記事で購入を検討していると書きました。あのパターは、それほどの衝撃でした。昨年の夏の終わりからエースパターが絶好調になって、パター変更を考えられなくなったので、購入には至っていませんが、購入レベルにあるパターとして考えています。
約半年が経過して、進化した『スパイダー GTx TRUSS パター』を打って、改めて「TRUSS ホーゼル」の機能には拍手するしかありません。今後も、進化を続けることは間違いないので、本当に楽しみです。間違いなく、個別のゴルファー用に進化することが、今回の試打でわかったからです。
『スパイダー GTx TRUSS パター』は、ツアーモデルとしては、珍しいほどバランスが良いパターです。それがプラスになるゴルファーには、前モデルを半年で手放しても、購入すべきパターです。
試打クラブスペック
『スパイダー GTx TRUSS パター』
ヘッド素材:軽量アルミニウムボディ&ホーゼル(6061AL)
ステンレススチールダブルウィング(303SS)
フェース :PURE ROLL 3ミリ厚(ウレタン+アルミニウムビーム)
ロフト :3度
ライ角 :70度
長さ :34インチ(33インチもあり)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典の『貧打のアマでも打てる?人気クラブ・噂の検証』