41歳のカミロ・ビジェガスが9年ぶりV、アダム・スコットと同型パターが復活のカギ?
PGAツアー「バターフィールド・バミューダ選手権」に関するツアーレポート。
配信日時:2023年11月14日 03時52分
<バターフィールド・バミューダ選手権 最終日◇12日◇ポートロイヤルGC(バミューダ諸島)◇6828ヤード・パー71>
来季の出場権を争うフェデックスカップ・フォール第6戦「バターフィールド・バミューダ選手権」で、1打差の2位からスタートしたカミロ・ビジェガス(コロンビア)が連日の「65」をマークし、同じ41歳のアレックス・ノレンを逆転。トータル24アンダーで2014年8月の「ウィンダム選手権」以来の9年ぶりのツアー5勝目を挙げた。
ヴィジェガスの手には、分厚いツノ型でアダム・スコットと同型のL.A.B GOLF『MEZZ.1 MAX』の中尺が握られており、このパターは8月に当時43歳のルーカス・グローバーが復活の2連勝した時にも話題となった。1年半前からアダム・スコットが好んで使う“トルクフリー”でフェース開閉しないパターとして知られる。
L.A.B GOLFの代理店に話を聞くと、「ビジェガス選手は2022年8月頃にコンタクトしてきて『38㌅前後の長さのいいパターがないか』といろいろ探していました。両手を少し離して構えるスタイルなので『それに合わせたい』とのことでした」と明かす。仲のいいアダム・スコットのパターを見て興味を持ったのがきっかけだったとか。
「彼のパタースペックは『MEZZ.1 MAX』の長尺用ヘッド(500g前後)で長さは37.5㌅、ライ角は74度、グリップが『SuperStroke 3.0』(17㌅)です。これに落ち着いたのは今年3月頃。『MEZZ.1 MAX』のヘッドにはウェイトポートが8個と16個のものがあり、標準サイズのパターには8ポート、長尺やアームロックには16ポートを使うのですが、彼は16ポート。具体的な重量調整は不明ですが、かなり重めを使っていると言えますね」(同)
44歳のスコットとグローバーは長尺で、41歳のビジェガスは中尺での使用。8月のグローバーに続き今回のビジェガスと、ベテラン勢を復活優勝に導くのはなぜか。『MEZZ.1 MAX』を共同開発したスコット自ら他の選手へ薦めるなど、“親善大使”の役割もはたしているようだが?
「グローバー選手は『ショートパットの改善』が報道され、スコット選手もテクノロジーを気に入って共同開発していますが、実は米国本社もスコット選手と契約しているわけではないんです。私見ですが、ベテラン選手はあらゆるブランドの数多の形状の“普通の”パターを経験してきて、フェース開閉しない特殊なL.A.B.に行き着いたのが目立つのかなと。そもそも若くて強い選手は小さなメーカーを頼らずとも、大手メーカーから提供を受けられますし。
でも、ベテラン選手ほど色々試してきて道具のことを知り尽くしていますから、自分が本当に良いと思うものを自由に選びたいものですよね。先日、日本の『PGAティーチングプロゴールドシニア大会』で優勝した徳永雅洋選手からも、大会前に問い合わせがあり、手にしてすぐに試合に投入されたようです。長年ツアーに出ているプロほど、トルクフリーの効果を手に取った瞬間に、すぐ実感できるのだと思います」(同)
今年は中尺&カウンターバランスのオデッセイ『VERSA JAILBIRD』を使うリッキー・ファウラーの復活優勝も話題となったが、特殊な異型のL.A.B GOLFも負けていない。長尺ではないモノで結果を出したヴィジェガスの例を見て、続く選手が現れるだろうか。