『JPX 925 HOT METAL PRO』は7番で28度のぶっ飛び系なのに球を自由自在に曲げられる!
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年9月5日 10時15分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ミズノが2024年9月13日に『JPX 925 HOT METAL PRO』を発売。『JPX 925』シリーズは、4種類のアイアンがラインアップされていますが、『JPX 925 HOT METAL PRO』は、『HOT METAL』の名称がつく3つのアイアンの中では、最上位機種となります。
“JPX 925 HOT METAL の飛距離性能に、操作性をプラス。コンパクトなヘッドサイズのぶっ飛び系アイアン。”というコピーです。
前モデルまでは、『JPX』に『TOUR』というプロユースのアイアンがありましたが、今回からは廃止されました。自動的に『JPX 925 HOT METAL PRO』が、最もスコアに敏感なアイアンになります。
コピーでも明確ですが、『JPX 925 HOT METAL』と『JPX 925 HOT METAL PRO』はロフト角が変わりません。
テクノロジーも基本は『JPX 925 HOT METAL』と同じです。新テクノロジーの「コンターエリプスフェース」は、フェースの設計を一から見直して、フェースの中心を厚く(とは言っても2.4ミリ)、外側に向かって薄くしていき、再び外周を厚くするという構造です。最も薄い場所は、1.2ミリと極薄です。
「高強度素材 ニッケル・クロムモリブデン鋼」は、クロムモリブデン鋼も素材よりも約3割以上も高強度です。強度があるので薄く出来ますが、加工が難しいので、ミズノ以外のメーカーは手を出せないのです。
最後に、キャビティの最も深いところにタングステンを配置し、その下部のソール側に小さな隙間を作ったことで、フェースの反発力が上がったのです。
『JPX 925 HOT METAL PRO』は、『JPX 925 HOT METAL』と何が違うのでしょうか?
実は、前の週に『JPX 925 HOT METAL』を試打して、素晴らしい結果に感動したのです。『JPX 925 HOT METAL PRO』は、コースで打ってみなければ、違いがわからないのかもしれません。ちょっと不思議な気分で試打ラウンドに突入しました。
試打した日は、晴れで、気温は23℃~33℃。微風でした。使用したボールは、使い慣れていてクラブに集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『JPX 925 HOT METAL PRO』の打音ですが、ちょうど良い大きさで、音質は、硬質と濡れた鞭系のミックス音です。打ち応えは、弾き感があり、軽めです。手応えはクリアな芯感があり、敏感です。
【弾道・球筋・スピン】
『JPX 925 HOT METAL PRO』の弾道は、高弾道です。曲がりに敏感で、特にドローの反応の良さには驚きました。スピンはその場で止まろうとします。
【距離性能】
『JPX 925 HOT METAL PRO』のミドルアイアンは、クラシックなアイアンより2番手飛びます。ぶっ飛び系のアイアンで、ショートアイアンとウェッジが少し飛ぶので、番手間の隙間が小さくなったことに感心しました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『JPX 925 HOT METAL PRO』は、姉妹アイアンである『JPX 925 HOT METAL』と外観こそそっくりですが、コースで打つとかなり違うアイアンになっていてビックリしました。
両者を並べて比較する機会ががなかったので、正確にはわかりませんが、『JPX 925 HOT METAL PRO』のヘッドはシャープで小さく見えました。これが、ちょうど良い大きさで、とても良かったのです。
ひと言で書くと、『JPX 925 HOT METAL PRO』は、スピンが効くアイアンです。『JPX 925 HOT METAL』よりも打ち出しが低めで、高さも少し低めですが、ボールのスピン量が増えた関係でボールに少し伸びがあります。そして、驚異的に曲がります。特にドローの敏感さには驚きました。最近の飛距離が出るアイアンは、あまり曲がらない傾向が強いので、なんじゃこりゃ? と思いました。
しかし、それがわかれば、『JPX 925 HOT METAL PRO』は、ありそうでなかったぶっ飛び系アイアンとして面白いのです。持ち球で、曲げながらピンを攻めたいゴルファー、ぶっ飛びアイアンなのにスピンで止めたいゴルファー、昔のアイアンのように球筋を優先して打ちたいゴルファー、みんなにオススメです。
『JPX 925 HOT METAL PRO』のやさしさは『JPX 925 HOT METAL』のレベルを維持しているのです。ダフったときに助けてくれるアイアンとしての機能は、最高レベルにあります。ミスヒットしたときも同様です。方向には少し影響しますが、飛距離のロスはほとんどないのです。
『PRO』が付くアイアンは、市場にもたくさんありますが、『JPX 925 HOT METAL PRO』ほど、プロっぽいと感じさせるアイアンを僕は知りません。見事に突き抜けています。
『JPX 925 HOT METAL PRO』は、攻めるための戦闘力が高いアイアンです。多くのゴルファーにとっては、余計なことをしてくるお節介なアイアンだと嫌われるかもしれませんが、ぶっ飛び系のアイアンでありながら、テクニックをゴルファーであれば、老若男女が使える楽しいアイアンが『JPX 925 HOT METAL PRO』なのです。
【試打ギアスペック】
『JPX 925 HOT METAL PRO』
ヘッド素材 ニッケル・クロムモリブデン鋼(#5~#7は、+タングステンウェイト)
ロフト #5/22、#6/25、#7/28、#8/32.5、#9/37、PW/42、GW/48、SW54
シャフト N.S.PRO 950GH neo (S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
◇ ◇ ◇
●手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 川崎志穂がイップスを克服できた不思議な理論で、あなただけのアドレスを見つけよう! 関連記事「【診断】あなたのアドレスは本当に合っている?」では、アドレス診断を一挙公開中!
ヘッドスピード40m/sでも最新ギアを使いこなせる? ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典のシン貧打・爆裂レポート