あれ?ジェイソン・デイのアイアンに溝がない!
あれ?ジェイソン・デイのアイアンに溝がない!
配信日時:2017年3月2日 07時57分
世界ランク1位の座をダスティン・ジョンソンに明け渡してしまったジェイソン・デイ。今季はまだ勝ち星がなく、本来の姿とは程遠いといえるだろう。使用ギアを見てみると、今年の開幕戦からアイアンを変更していた。デイのアイアンといえば、ソールとフェースに溝の入ったものを長く愛用していたが、それが消えている。この新しいアイアンは何なのか?
テーラーメイドの情報によるとこうだ。
「ジェイソン・デイ選手が使用するのは『P750 TOUR PROTO』アイアンで、3月8日から予約受付する新製品です。ツアープロが好む打感・打球音を実現しつつ、やさしさや操作性を向上したカスタムメイド専用モデルで、大きめの『P770』アイアンも用意します。特長は、通常の3倍の圧力をかける独自の鍛造工程で、ホーゼル・フェース・ボディを一体成型したこと。また、フェースやグルーブもCNCによる正確な削り出しで平面性を引き上げ、ツアープロが好む打感・打球音にこだわっています。
『P770』アイアンは、ロングアイアン(#3-#7)のバックフェースに70gのタングステンウェイトを搭載し、低重心化とともにMOI(慣性モーメント)を高め、やさしさと高打ち出しを実現しました。ショートアイアン(#8-AW)はワンピースで打感・操作性を向上させています。一方、デイ選手が使う『P750 TOUR PROTO』アイアンは、『P770』よりも小ぶりでトップラインが薄め。ソールの接地面積も狭くして抜けが向上し、ロングアイアン(#3-#7)に5gのタングステンウェイトをソールのトゥ側に入れ、最適重心位置を調整しています」
また、同社のアイアンの代名詞であったフェースとソールの溝が消えた理由についてはこう語る。
「まず前提として、溝(フェーススロット&スピードポケット)があることで、スイートエリアが広がってミスヒットしてもボール初速が落ちない、球が曲がらないメリットがあります。結果的に安定した飛距離を出す効果が期待できます。ですが、今回プロ向けに開発されたこのモデルに関して言うと、プロはそもそもミスヒットが少ないこと、敢えて打点をずらすことでスピンコントロールが効き、結果、球を操りやすいとの理由で溝を搭載しておりません。アマチュア向けの製品に関しては引き続き効果のあるテクノロジーだと理解しています」
なるほど、ダスティン・ジョンソンやジャスティン・ローズなど、同社契約プロの多くは元々溝の入っていないモデルを好んでいたため、この理屈はよく分かる。ところが、デイだけはずっと溝入りの『Rsi TP』を長く愛用していた。
昨年その理由を同社に聞いた際、「デイ選手だけは元々高すぎるほどの高弾道でアイアンのスピン量が多すぎるという彼だけの弱点がありました。ですからスピン量を落とすため、3度ほどロフトを立てた上、溝の入ったモデルを選んでいます。溝の反発で若干スピン量を落とせることもよく知っているんですね。デイ選手のアイアンが他の選手に比べて異常に飛ぶのはそういった側面もあるんです」と語っていた。
今回のアイアンも2度ロフトを立てて使用しているが、前のような溝はない。この辺りはタングステンウェイトで低重心化されていることや、新しい『TP5Xボール』などに替えていることも影響して、適正スピンを手に入れているのかもしれない。
今週のWGCメキシコ選手権は標高が高いことからセカンドショットの距離感が難しいと言われている。デイがもしこの大会で上位に来るならば、アイアンの適正スピン量の問題は解決していると見ていいだろう。そして、3月は一昨年も1勝、昨季2連勝をはたした大得意な月でもある。マスターズに向けて大本命のこの男。アイアンの調子に要注目である。
テーラーメイドの情報によるとこうだ。
「ジェイソン・デイ選手が使用するのは『P750 TOUR PROTO』アイアンで、3月8日から予約受付する新製品です。ツアープロが好む打感・打球音を実現しつつ、やさしさや操作性を向上したカスタムメイド専用モデルで、大きめの『P770』アイアンも用意します。特長は、通常の3倍の圧力をかける独自の鍛造工程で、ホーゼル・フェース・ボディを一体成型したこと。また、フェースやグルーブもCNCによる正確な削り出しで平面性を引き上げ、ツアープロが好む打感・打球音にこだわっています。
『P770』アイアンは、ロングアイアン(#3-#7)のバックフェースに70gのタングステンウェイトを搭載し、低重心化とともにMOI(慣性モーメント)を高め、やさしさと高打ち出しを実現しました。ショートアイアン(#8-AW)はワンピースで打感・操作性を向上させています。一方、デイ選手が使う『P750 TOUR PROTO』アイアンは、『P770』よりも小ぶりでトップラインが薄め。ソールの接地面積も狭くして抜けが向上し、ロングアイアン(#3-#7)に5gのタングステンウェイトをソールのトゥ側に入れ、最適重心位置を調整しています」
また、同社のアイアンの代名詞であったフェースとソールの溝が消えた理由についてはこう語る。
「まず前提として、溝(フェーススロット&スピードポケット)があることで、スイートエリアが広がってミスヒットしてもボール初速が落ちない、球が曲がらないメリットがあります。結果的に安定した飛距離を出す効果が期待できます。ですが、今回プロ向けに開発されたこのモデルに関して言うと、プロはそもそもミスヒットが少ないこと、敢えて打点をずらすことでスピンコントロールが効き、結果、球を操りやすいとの理由で溝を搭載しておりません。アマチュア向けの製品に関しては引き続き効果のあるテクノロジーだと理解しています」
なるほど、ダスティン・ジョンソンやジャスティン・ローズなど、同社契約プロの多くは元々溝の入っていないモデルを好んでいたため、この理屈はよく分かる。ところが、デイだけはずっと溝入りの『Rsi TP』を長く愛用していた。
昨年その理由を同社に聞いた際、「デイ選手だけは元々高すぎるほどの高弾道でアイアンのスピン量が多すぎるという彼だけの弱点がありました。ですからスピン量を落とすため、3度ほどロフトを立てた上、溝の入ったモデルを選んでいます。溝の反発で若干スピン量を落とせることもよく知っているんですね。デイ選手のアイアンが他の選手に比べて異常に飛ぶのはそういった側面もあるんです」と語っていた。
今回のアイアンも2度ロフトを立てて使用しているが、前のような溝はない。この辺りはタングステンウェイトで低重心化されていることや、新しい『TP5Xボール』などに替えていることも影響して、適正スピンを手に入れているのかもしれない。
今週のWGCメキシコ選手権は標高が高いことからセカンドショットの距離感が難しいと言われている。デイがもしこの大会で上位に来るならば、アイアンの適正スピン量の問題は解決していると見ていいだろう。そして、3月は一昨年も1勝、昨季2連勝をはたした大得意な月でもある。マスターズに向けて大本命のこの男。アイアンの調子に要注目である。