昨年から米国女子ツアーに参戦し、今季こそシード獲得を狙う吉田優利。彼女のセッティングの詳細をレポートしたい。
ドライバーは『B1ST』(10.5度)に『スピーダーNXグリーン 60S』シャフトを採用。吉田のセッティングをギアに詳しいクラブフィッター吉川仁氏に解説してもらった。
「ドローヒッターの彼女は、クラブでなくスイングで球をつかまえたい意図が見られます。重心距離が短くて操作性が高いヘッドで、フェース管理したいのでしょう。シャフトの『スピーダーNXグリーン 60S』はつかまりがいいモデルでも、ヘッドが暴れないのでラインが出せます」
面白いのは外ブラのフェアウェイウッド。3Wは『SIM2 MAX』(15度)に『スピーダーNXグリーン 50S』を採用。5Wは『パラダイム Aiスモーク MAX』(19度)に『スピーダーNXグリーン 60S』を採用している。
「3Wの『SIM2 MAX』は飛距離が出やすくて、いろいろな弾道に打ち分けられる有能なモデル。スピンをかけることも可能ですね。5Wの『パラダイムAi スモーク MAX』は弾道の高さを出したいデルですね。3Wはコロがしてグリーンに乗せて、5Wはスピンと高さでグリーンに止めたいのでしょう」
ユーティリティは、『ツアーB JGR』(22度)に『ATTAS EZ370 75S』シャフトを採用。「これは非常につかまりが良くて上がるモデルですね。米ツアーの硬いグリーンだとつかまりも打ち出し高さもクラブに求めているのが分かりますね」。2019年モデルを愛用し続けているということは、相当信頼を寄せていることが分かる。
アイアンは昨年に日本で大ヒットした軟鉄鍛造の『241CB』モデルを投入。シャフトは『KBS ツアー90S』を長く愛用しているという。
「このアイアンはトップラインが真っすぐの和顔で構えやすい。昔から知っている”BSの顔”ですね。打感が柔らかいのがプロやアマに非常に受けていますね。『S20C』という炭素量が少ない非常に柔らかい軟鉄を使用した点が大きいですね。ソールは前後を削って庵、抜けが抜群にいいです」
シャフトの『KBS ツアー90S』はタメが強い吉田のスイングに合った愛用モデルだ。「手元がしっかりしていて、先端にかけて柔らかくなるモデル。ほどよく先が動いてつかまえやすい。彼女は手元調子よりは手元が硬いモデルが合いますね」。
ウェッジでは48・52・58度に『BRM2』ヘッドと『KBS ツアー90S』シャフトを採用。「複合素材の構造で、重心を上に配置しているので、ポッコンが防げるウェッジですね。それに顔がセミグースなので、押し込んで打てます。シャフトがやや先が動くタイプなので、しなってバンスが滑ってくれるんです」。
アスリートモデルを駆使する吉田優利。彼女のセッティングにはドローヒッターとしての面白い工夫が詰まっていた。
【吉田優利のクラブセッティング】
1W:ブリヂストン B1ST(10.5度/スピーダーNXグリーン 60S)
3W:テーラーメイド SIM2 MAX(15度/スピーダーNXグリーン 50S)
5W:キャロウェイ パラダイム Aiスモーク MAX(19度/スピーダーNXグリーン 60S)
4U:ブリヂストン ツアーB JGR(22度/ATTAS EZ370 75S)
5I~PW:ブリヂストン 241CB(KBS ツアー90S)
48・52・58度:ブリヂストン BRM2(KBS ツアー90S)
PT:オデッセイ GIRAFFE-BEAM DW
BALL:ブリヂストン ツアーB X
◇ ◇ ◇
川崎の14本のセッティングを分析。関連記事【24年シーズン3勝・川崎春花の14本を分析! なぜ1WもUTもアイアンも古いモデルを使うのか?】を読めば、強さの秘密がわかります。