日本一「計測器に厳しい男」にラプソード『MLM2 PRO』を買った理由を聞くと、耳が痛すぎた
65歳の「試打マシーン」こと、マーク金井は弾道計測器にもうるさいことこの上ない。そんな男がラプソードを購入した理由が深かった!「一般ゴルファーもメーカーも弾道計測器の使い方を間違えてる!」と毒霧噴射する理由とは?
配信日時:2024年3月15日 02時22分
計測器に厳しい、マーク金井が惚れ込んだ!
――弾道計測器の黎明期からその進化を見続けてきたマーク金井。30年以上前から試打テストに利用し始め、スタジオ「アナライズ」の設立から『ベクター』『フライトビジョン』『ディテクト』などを購入し、プロギア『レッドアイ』など高額な計測器を使用してきた。ほぼ全てを試してきた日本一計測器に厳しい男が、ラプソードに惚れ込んだと聞き、理由を聞いた――
編集部(以下、編) 弾道計測器に最も厳しいというか、「人間試打マシーン」の異名も持つマークさんは、そもそも計測器要らずですよね? なぜ10万円以下の『MLM2 PRO』を買う必要があるんです? もっと高い弾道計測器も購入して持ってますよね?
マーク金井(以下、マ) 値段じゃないんですよ。ボクが必要とする性能に納得したら、何百万でも買うよ。「ラプソード」のブランド名は、野球のメジャーリーグでも話題だから知ってる人もいるかもしれないけど、まだ日本のゴルファーには有名じゃないから、意外に思われるのも無理はないかもしれないね。
編 毎日ニュースで話題の大谷翔平とか、ダルビッシュ有とか、そういったメジャーリーガーの活躍から気になったのではない? マークさんは野球好きだし、ミーハーな部分もありますよね?
マ いや、それが違うんだよ。でも、野球にも例えられるよ。去年、岡田監督の阪神タイガースが優勝したけど、球速160キロを投げる剛速球投手というより、コントロールに優れた投手が活躍したでしょ? ゴルフも同じで、最速ばかりを追い求めて計測器を使うのは、上達どころか停滞しかないよ。
編 えっ、でも、PGAツアー選手たちは弾道計測器を使って、み~んな飛距離を伸ばしてスコアも良くなってませんか?
「一般アマもメーカーも、計測器の使い方を間違えてる」
マ それは、プロゴルファーの9割は「弾道計測器の使い方が正しい」からだよ。でも、一般ゴルファーやクラブメーカーは、ハッキリ言って弾道計測器の使い方を間違ってると思うよ。
編 え~~、さすがに毒舌すぎません? いったい何が間違いだと言うんですか?
マ マジメに計測器の話をすると、長くなるけどいい? ボクは30年以上前からここだけは本当にこだわってきたからね。君は知らないかもしれないけど、実は日本の『グリーンウェイ』という会社が弾道計測器の一番最初で、2番が『フジクラ』、その後ブリヂストンとかクラブメーカーも独自の弾道計測器を開発してきた歴史があるんだよ。最初の“計測器の走り”は全部共通していて、ボクの好きなカメラと同じで、【高速度カメラ方式】なんだ。
編 そう言えば、マークさんが買って使ってきたのって、全部カメラ式でしたよね?
マ そう。その後、15年くらい前から軍用から転じた【ドップラーレーダー式】で「初速を正確に測れると」一般に浸透したじゃない。でも、これ不思議なんだけど、レーダー式でどうやって正確なスピン量を【実測】するの? 計算式しかないじゃない。カメラ式は2点以上の座標を取るために、ボールにマーキングする作業が面倒だけど、スピン量はやっぱりその分、正確だよ。
編 たしかに、室内試打だとスピン量エラーとか、ダブル読みとか、ちょっと信用できない数字が出ることも多々ありますよね……。
「飛距離コンテストに終始していいのか?」
マ でも、逆にレーダー式にも利点があって、ボール初速や打出し角、屋外での放物線は【実測】するわけだから、両者に良いところがあるわけ。でもアマチュアって、室内の計測器で出た数字を盲信してしまう所があるじゃない。“計算”上の数字なんだけど、一発の飛距離を求めて試打して「飛距離コンテストになってる」と先日、ラプソードの山同社長も言っていて「まさに我が意を得たり!」と思ったよ。
編 その共感でラプソードを買ったということ?
マ まさか。去年のゴルフフェアで【カメラ式】と【レーダー式】が一台になったラプソード『MLM2 PRO』を見つけて「こんなモノが欲しかった!」と飛びついた。本当に、カメラ式も、レーダー式も、両方ともメリットとデメリットがあって、それが一つになって10万以下なことにまず驚いたよね。
マ カメラ式の高い機械でも、手間を省いてボールにマーキングせず【計算】値で数字を出すものもあるけど、ラプソードは安いのに違うんだよ。専用ボールでスピン量の実測精度を上げるために、こんなにドットを付けて「たとえ10万以下でも、正確な【実測】数字を提供したい」という、男気というか、心意気も選ぶ理由としては大きいね。
大事な「インパクトの、目視」ができる
編 なるほど。やっぱりマークさんにとって「スピン量を正確に測れる」のが最大の理由だったんですね!
マ いやいや、それだけな訳ないでしょ。一番重要なのは、カメラ式だから「インパクトが目視できること」に尽きる。本当は正面からカメラで撮るのが理想なんだけど、『MLM2 PRO』は後方から0.05秒のインパクトを高速度カメラで拾ってくれて、すぐ可視化してくれる。ここが何よりも大きいし、これだけでも10万の価値があるよ。
編 えっ、そこなんですか?
マ 当たり前じゃん。計測で一番大事なのは「自分がどんなインパクトをしたか」の確認でしょ? たまたま出たナイスショットの初速ばかり見てるから、そんな発言になるんだよ。お店も計測器を飛距離コンテストの道具に使う場合が少なからずあって、とにかく飛ぶクラブを薦める傾向があるよね。
目の前のお客さんや一般ゴルファーの上達のためを考えたら、本当は正しいインパクトの仕方や、「なぜその球が出て、どう改善するか?」を伝えるのが本当のサービスじゃないの? まぁでも、一般ゴルファー自身が飛距離コンテストを求めるとも言えるか……。そのために高い計測器を使ってるのが残念過ぎるよ。
編 マ、マークさん、業界全般じゃなくて、ボク個人に苦言してません?
「プロはインパクトの再現性のために使う」
マ いや、みな似たようなものだよ。9割のプロは自分のフェース・トゥ・パス(軌道に対するフェース向き)を感覚的に理解してるから、本来は計測器がなくても、感覚で自分のインパクトを修正できるんだよ。でも、野球もゴルフも最近の選手はさらに感覚とデータをすり合わせることで再現性アップに計測器を使ってるよね。でも、一般ゴルファーはそこを理解しない。せっかく高い計測器がそういう数字を出してくれても、店員もゴルファーも中身をほとんど見ない。だから、たまたま出たいい結果が再現できないじゃん。
ラプソード『MLM2 PRO』のハイスピードカメラだと、インパクトを可視化して、今みたいに打点がヒールに当たって急激に閉じて左に打出したりするのを【目視】できる。計測器だし、上達補助器だよね。ただの飛距離コンテストの道具じゃなくて、インパクトの改善に使える。ほら、変速的なスイングでも上手な人って多いだろう?逆に、綺麗なスイングでも下手な人がいるじゃん。インパクトに曲がる原因があるのに、そこ見ないでどうやって上達するの?
編 た、たしかに……。ただ同じ10万円くらいの機械でも、フェース・トゥ・パスなどを表示する機械もありますけど?
項目数より「リアルの判別」
マ その数字は【実測】値なのか、【計算】値なのか。それに、フェース・トゥ・パスを数字で表示しても、一般ゴルファーが、意味や中身を本当に理解できてると思う? 『MLM2 PRO』も欲を言えば正面からの絵が見たいんだけど、後方でもインパクトをスロー画像で見れば、誰でも目視して曲がる原因が直感的に分かるし、実際に起きたことを計算じゃなく、リアルに表示してくれるじゃない。
編 まぁ、仰る通りなんですけども……。
マ 以前、あるレーダー式のメーカーを追求したことがあるんだけど、「インパクトで2度オープンフェース」と表示された数字が【最初から開いて入ったのか?トウに当たり負けて開いたのか?】、それは「どちらか判別できない」と言い切ったよ。でも、カメラで見れば「実際どうか?」誰でもすぐ分かる。だから『MLM2 PRO』は、そこを目視できるだけで10万の価値があるよ。
編 我々一般ゴルファーはマークさんみたいに数字の正しさを判断できないし、特にボクは貧乏性なので「表示項目が多いとお得」と感じますが、計算上の表示項目が多いことより、実際どんな当たり方をしたか?の判別が大事ってことか……。
マ そう、目に見えない瞬間に曲がる原因があるんだから「飛んだ、飛ばない」じゃなく、その中身と本質を見なきゃ。だって、インパクトを目視して「何が起こったか?」知らなきゃ、改善のための対応が取れないじゃん。表示した数字を「本当に上達に活用してるか?」が大事だよ。
編 耳が痛い話ですね……。
PC不要!スマホと即データ連動
マ あと、個人的に『MLM2 PRO』はスマホやタブレットのアプリも随時アップデートしてPCが不要なのも嬉しい。すぐ自分のスマホに全部データを飛ばしてくれるから、すごく捗るよ。本体自体、軽くてコンパクトだから持ち運びやすいし、アプリのサブスク契約を追加すると、素振りなのにヘッドスピードも計測できる。単なる弾道計測器の枠を越えて、「上達器」と言いたくなるのも分かるだろう?
編 たしかに……。最新ドライバーは1本で10万円の時代なので、そういう意味じゃ長い目で見ると、かなりコスパのいい投資と言えそうですね。
マ 当たり前やん!カメラ式とレーダー式の2つが付いて10万切るなんて、破格過ぎるよ~~本当に。だから、アメリカの方が日本より合理的なゴルファーが多いから、『MLM2 PRO』も『MLM』も大ヒットしてるらしい。ボクのチャンネルを観てる人なんかは、練習器具も含めて「上達」に本気な人が多いから、これから日本もラプソードがアメリカみたいになるかもしれないね。
編 なるほど、ありがとうございました。
✦取材協力・アナライズ神田スタジオ
✦撮影・山代厚男
✦商品詳細はラプソードのWEBページを参照のこと