スコアが良くなるのは当たり前! 感性や感覚でもゴルフを楽しめる贅沢な『JPX 925 FORGED』アイアン
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年9月13日 00時25分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ミズノは2024年9月13日に『JPX 925 FORGED』を発売。“打感に加え、飛距離とやさしさも求めるゴルファーへ。ミズノ鍛造アイアン史上最高反発を実現。”というコピーです。
打感、飛距離、やさしさの3つを高次元で達成する贅沢なアイアンです。見方を変えると、思いっ切りハードルを上げたアイアンで、本当に大丈夫? とも考えてしまいます。
『JPX 925』シリーズのアイアンは、4種類です。3種類は飛距離性能を前面に打ち出した『HOT METAL』の名称のアイアンです。『JPX 925 FORGED』だけが、『HOT METAL』ではないのです。前モデルまでは、もう一つ『TOUR』という名称のアイアンがありましたが、今回からは廃止されました。
『JPX 925』からは、『Mizuno Pro』シリーズとの差別化を明確にするという意図があっての変更ということでした。『JPX 925 FORGED』は、いわゆる本格的なゴルファーのためのアイアンとして、以前にも増して気合いが入っているのだと推測できます。
『JPX 925 FORGED』の新テクノロジーは、「コンターエリプスフェース」です。フェースの設計を一から見直して、フェースの中心を厚く(とは言っても2.1ミリ)、外側に向かって薄くしていき、再び外周を厚くするという構造に変更しました。最も薄い場所は、1.5ミリしかありません。高反発で初速をアップさせて、高反発エリアを広くする効果があります。
そして、最も注目したのは、「グレインフローフォージド フルポケットキャビティ構造」です。前モデルまでの穴を彫るような「マイクロスロット構造」では不可能だった複雑な薄肉フェース設計を可能にして、ソールサイドに空洞部が作れたことで高初速が出せるようになりました。
『JPX 925 FORGED』は、クロモリブテン鋼の鍛造のネックとフェースとステンレススチールのバックフェースをはめ込んだ複合構造のアイアンなのです。(5番~7番)
気合いが入っているはずだと推測しましたが、ヘッドの大きさもシャープで、通なゴルファーを満足させる雰囲気も満点で素晴らしいです。ウキウキしながら、『JPX 925 FORGED』の試打ラウンドに突入しました。
試打した日は、晴れで、気温は23℃~33℃。微風でした。使用したボールは、使い慣れていてクラブに集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『JPX 925 FORGED』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさで、音質は硬質感が強めの濡れた鞭系のミックス。ショートアイアンは濁りが消えて澄んだ音になります。打ち応えは弾き感があり、ちょっと重さを感じさせます。手応えは澄んだ水の芯感でクリア。敏感です。
【弾道・球筋・スピン】
『JPX 925 FORGED』の弾道は、高めの高弾道です。少しだけつかまえる挙動がありますが、基本はストレート系で、曲がりにはやや鈍感です。スピンはツアーアイアンな感じで、その場に止まろうとするけど、少し前にいく、という感じです。
【距離性能】
『JPX 925 FORGED』のクラシックなアイアンより1番手キャリー+数ヤード飛びます。飛び系のアイアンです。番手間の隙間が綺麗に開くようになったのはお見事で、その分、ウェッジが少し飛ぶのは慣れが必要です。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『JPX 925 FORGED』で、一番良かった点は、ヘッドの大きさが小さすぎず、ちょうど良いのと、フェースがボールを包み込むような安心感がアドレスであることです。構えただけで上手く行きそうな予感をさせるイメージを活かせるアイアンです。
そして、1番手アップにプラスアルファの距離感で、ミスにもやさしさがあるアイアンとして、素晴らしい完成度です。「クロムモリブデン鋼」のアイアンとして、歴代のアイアンを引き継ぐ進化型として、打感とボールの弾道が完璧でした。
残念ながら『TOUR』の代わりとしては、ツアーアイアンらしいハードさよりも、オートマチックなやさしさ強いので、相応しくないと感じるゴルファーが多いと思いますが、「Mizono Pro」を選択すれば良いだけのことで、『HOT METAL』の上位機種としての仕上がりと性能には文句なく、拍手を贈ります。
『JPX 925 HOT METAL PRO』と『JPX 925 FORGED』の違いは、前者は飛距離特化型で上級者も使える操作性の高さが特徴で、後者は、飛びすぎないことで距離感を繊細にしているかわりに、曲げるという意味の操作性はオートマチックになっているのが特徴なのです。似ていますが使い勝手はかなり違うアイアンです。人によって、やさしさを感じるポイントが違うので、一つの項目だけでは判断が出来ません。
飛距離については、1番手アップのアイアンがスタンダードになりつつある現在、『JPX 925 FORGED』は、そういう意味で、スタンダードな『JPX 925』のアイアンと言うことなのだと思います。また、代表としての完成度はピカイチでした。
これから上手くなりたい若いゴルファーと、パワーがあってやさしすぎないアイアンを求めているゴルファーに『JPX 925 FORGED』はオススメです。正統派のアイアンというのは、ツアーモデル以外では少なくなってしまいましたが、『JPX 925 FORGED』は、見事に本格的なアイアンに仕上がっています。
『JPX 925 FORGED』は、ゴルフをハイレベルで楽しむためのアイアンです。スコアが良くなるのは当たり前で、それにプラスして、打感と気持ちが良い弾道を楽しめます。そして、自分のテクニックを発揮する面白さも味わえるのです。
やさしすぎるアイアンは、ミスを助けてくれる代わりに、打ち手のテクニックが発揮されたスーパーショットも異質なものとして吸収してしまうという欠点があります。『JPX 925 FORGED』は、そういう意味では、高性能のマイクとスピーカーのようなクラブです。打ち手のデータを詳細に把握して、ほんの少しだけ巧さを強調してスピーカーから出力してくれるという感じです。
『JPX 925 FORGED』は、贅沢なアイアンだと冒頭で書きました。スコアが良くなるのは当たり前で、プラスして、感性とか、感覚でも、ゴルフを楽しめる贅沢を可能にするのが、『JPX 925 FORGED』なのです。
【試打ギアスペック】
『JPX 925 FORGED』
ヘッド素材 #5~#7=クロムモリブデン鋼(SCM420)+ソフトステンレス(SUS431)
#8~GW=マイルドスチール(S25CM)
ロフト #5/24、#6/27、#7/30、#8/34、#9/38、PW/43、GW/48
シャフト N.S.PRO 950GH neo (S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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