メジャー初V・古江彩佳の劇的イーグルを生んだ『軟鉄鍛造アイアン+特殊素材シャフト』を激写‼
「アムンディ・エビアン選手権」で日本女子4人目のメジャー優勝者になった古江彩佳。最後の劇的イーグルを生んだアイアンショットの精度の高さに驚かされたが、その手に持っていたアイアンの詳細をレポートしたい。
配信日時:2024年7月17日 02時00分
「アムンディ・エビアン選手権」で日本女子4人目のメジャー優勝者になった古江彩佳。最後の劇的イーグルを生んだアイアンショットの精度の高さに驚かされたが、その手に持っていたアイアンの詳細をレポートしたい。
最終日の18番パー5で残り175ヤードから6番アイアンで打ったセカンドショットは、1ヤード手前に落ちれば池に消えていたが、「しっかり乗せられて、本当に良いイーグルパットでよかったなと思います」と本人も納得の一打となった。
劇的ショットを生み出したアイアンは、6I~PWでブリヂストンの『221CB』ヘッドにフジクラの『TRAVIL IRON 85-S』シャフトを採用。軟鉄鍛造のハーフキャビティで難しいモデルと思われるが、本人はどの性能を気に入って使用しているのだろうか? 古江のクラブを担当するブリヂストンゴルフのツアーレップに聞いた。
「アイアンの打感がやわらかくないと古江プロはダメなんです。シビアな感覚をアイアンに求めるので、軟鉄鍛造を使うのだと思います。実は彼女は、ドライバーもアイアンもハンドファーストに構える特徴があり、上からしっかり打てるタイプ。高重心ヘッドで幅狭いソールのヘッドだと芯に当たって押し込めるのだと思いますね」
『221CB』は軟鉄鍛造モデルで、フェース厚をブレードに向かいフローさせた高重心設計が特徴。打感もかなりソフトでツアープロに人気があるアイアンだ。
「彼女は幅広ソールのヘッドだと打てません。球をめくらせて高弾道に打てないんですね。あと、このモデルはソール形状が前と後ろが削られており、ソールに丸みが付いています。ヘッドが突っかからずにソールの抜けがいいと本人も言っています。米国でいろんな芝に対応できると感じて、去年5月に使用するようになりました」
アイアンシャフトは以前は『MCI BLACK』を使用していたが、昨年に『TRAVIL IRON 85-S』に変更している。アイアンには『TR プロト』と記されているが、中身は『TRAVIL IRON 85-S』とのこと。このシャフトの採用には、どういう意図があるのだろうか? フジクラの広報にも聞いてみた。
「このシャフトは、特殊な設計で作られています。カーボン素材の中に金属素材が先端に入り、ゴム素材も全体に入っています。先端がスチール並みにしっかりしておりヘッドが暴れません。また、中元調子で手元がしなって入射角がゆったりになる。結果、落下角度が大きくなるのが最大の特徴なんです。このシャフトだとスピン量をキープしたまま打ち出し角が高くなって、落下角度が付く。だから硬いグリーンでも球が止まりやすくなるのです。また、『TRAVIL』の方が『MCI BLACK』より張り感が少なく球も上がるということで使用しているそうです」
まさしく落下角度が少なかったら、危うく池ポチャの可能性もあった。それを生み出した要因の一つに、ヘッドとシャフトの性能も挙げられるだろう。古江が、今後の試合でどんなスーパーショットを見せてくれるのか目が離せない。
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