PGAツアーのPING契約プロ24人が好む「ドライバースペック」の“ど真ん中”とは?
アマチュアにも大人気のPINGのドライバー。我々とはかけ離れた、猛者ひしめくPGAツアー選手たちにとっての人気1Wスペックとは?
配信日時:2024年5月30日 00時08分
PINGのドライバーは我々アマチュアゴルファーにも大人気だが、比較的ヘッドスピードの速い人には、ローリー・マキロイの影響か、テーラーメイドやキャロウェイを選ぶ人が多い印象もある。そこで、今回はPING契約のPGAツアー選手24人の「人気ドライバースペック」を調べた。ヘッドスピードの速い人には参考になるだろうか。
■24人中19人が『G430 LST』を使用!
まずは、ヘッドから見ていこう。テーラーメイド勢では今年マキロイやフリートウッド、DJらが“コア”と呼ばれる真ん中モデルの『Qi10』を選ぶ選手が増えたが、PING勢は変わらずロースピンの『G430 LST』を選ぶ選手が24人中19人。(G430 MAX 10K、G425 LSTが2人ずつ、G430 MAXは1人)『G430 LST』を選ぶ19人のうち表示「9°」を選ぶのが6人で「10.5°」が13人だ。
リアルロフトで最も立った状態を好むのがトニー・フィナウの「7.75°」、最も寝たモノを好むのがテイラー・ムーアの「11.5°」となっている。ちなみに、24人の平均ヘッドスピードは「51.87m/s」で、ツアー最速の約56.78m/sのキャメロン・チャンプから、約47.25m/sのデビッド・リングマースとその幅も広い。
クラブの長さは24人中14人が「45.25㌅」を選択。次点が「45㌅」の4人で、重ヘッドでも短めを選択する選手は少なく24人の中に「45㌅以下」は皆無で、最長の「46㌅」が2人だった。スイングウェイト(バランス)は「D4」が最も多くて24人中10人。次点が「D3」の6人で、「D5」が4人、「D6」が3人と、他社に多い「D2」は皆無だ。
■24人中19人が「1㌅以上」チップカット!
シャフトに目を向けると、人気が3分していた。まず、一番人気が「三菱ケミカル」の7人で、「フジクラ」が6人、トゥルーテンパー傘下の「プロジェクトX」が6人で、「PING」のオリジナルシャフトも2人使用者がいる。重量帯は、メーカーを問わず60グラム台が圧倒的な人気で、24人中19人。70グラム台は3人だ。
フレックスはメーカーによっても、モデルによっても硬さの設定が異なるが、我々アマチュアゴルファーにとって「TX以上が過半数」と考えて間違いなさそう。というのも、24人中17人が「1㌅チップカット」し、2人が「1.5㌅チップカット」して先端剛性を上げているため。(0.5㌅カットは3人)
この辺りには「重ヘッドで高MOI」も関連しているのか。チップカットしていないのは僅か2名で、選手の大半に「1㌅カットが基本」となっている。フレックス記載で最も多いのが24人中11人の「TX」で、続いて7人が「X」だった。(それ以外にフレックスを数字で表記するメーカー、モデルも複数)
■ウェイト位置は21人が「ニュートラル」
最後に、バックウェイトの位置も確認すると、「ニュートラル」ポジションが24人中20人となっていた。元々、重心距離が極めて長いPINGのヘッドのためか、「フェード」ポジションにするのは1人のみ。ところが、バックウェイトの重さ自体には、好みが色々と分かれていた。
最も多いのが24中7人の「22㌘」で、次点が「17㌘」の6人。続いて軽めの「14㌘」が5人となっており、重めの「28㌘」は2人で、「25㌘」と「19㌘」が1人ずつだった。特にヘッドスピードの速い男子プロの場合、バックウェイトの重さはシャープな振り抜きを左右するため、多種のウェイトで最適に調整していることがよく分かる。
【24人の人気スペック・まとめ】
・『G430 LST』が19人
・そのうち表示ロフト「10.5°」が13人
・クラブ長さは「45.25㌅」が14人
・バランスは「D4」が10人
・シャフトは「三菱ケミカル」が7人
・フレックスは「TX以上」が過半数
・チップカットは「1㌅以上」が19人
・バックウェイトは「ニュートラル」が20人
・ウェイトの種類は「22㌘」が7人