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石坂「全てがドンピシャ!」新村「今までにない選択肢が増えた」契約プロがテーラーメイドの新モデルアイアンに“ぞっこん”の理由

石坂「全てがドンピシャ!」新村「今までにない選択肢が増えた」契約プロがテーラーメイドの新モデルアイアンに“ぞっこん”の理由

テーラーメイドは、2つの新モデルアイアン『P7CB』と『P770』を発表した。今までのPシリーズアイアンがさらに進化し、フィーリングや操作性、番手ごとの性能にとことんこだわって開発されているという。今回はツアー後半戦に向けて、新モデルのテストを行った石坂友宏と新村駿に、『P7CB』と『P770』の特性について直撃してみた。

所属 ゴルフライター
田辺直喜 / Naoki Tanabe

配信日時:2024年8月26日 01時00分

精悍なヘッドシェイプの中に、最先端のテクノロジーが注入された2つの新モデルアイアンはどんな性能に仕上がっているのか
精悍なヘッドシェイプの中に、最先端のテクノロジーが注入された2つの新モデルアイアンはどんな性能に仕上がっているのか

ヘッドの構造を徹底的に見直したテーラーメイドの意欲作

8月1日(金)、テーラーメイドは『P7CB』と『P770』という2つの新モデルアイアンをリリースした。

『P7CB』は軟鉄鍛造のキャビティアイアンで、ツアープレーヤーが求める心地良い打感と打音を追求したモデルとなっている。最大の特徴は、ソール部分を大きくくり抜き、「セラミックコア」や「タングステンウェイト」を番手別に細かく配置することで、それぞれの番手に合わせた細かな重心設計が可能になったこと。具体的には重心を高めに設計することで番手ごとに求められる適正スピンのボールを実現し、高い操作性を確保。さらに6番より上のクラブでは、トゥ側の低い位置に比重の重い「タングステンウェイト」を配置し、低重心化を進めながら、寛容性を高めている。

ヘッド下部の広範囲に軽量な「セラミックコア」や「タングステン」を内蔵する新構造を採用。細かな重心設計が可能になった

ヘッド下部の広範囲に軽量な「セラミックコア」や「タングステン」を内蔵する新構造を採用。細かな重心設計が可能になった

軟鉄鍛造でありながら、複雑な構造が可能となった要因は、テーラーメイド独自の加工技術「コンパクト グレイン フォージング」にある。『P7CB』は通常の2倍以上の2000トンプレス機を使用し3回鍛造した後に、「セラミックコア」を内蔵し、機械溶接後、さらに2回の鍛造を経て、ヘッドを完成させている。5度にも及ぶ鍛造を繰り返すからこそ、精度の高いヘッド形状が生み出され、さらに素材の密度が高まり、やわらかく研ぎ澄まされた独自のフィーリング性能を持たせることができるのだ。

『P7CB』はバックフェース中央部に厚みを持たせたことで、より心地良く深みのある打感に仕上がっているという

『P7CB』はバックフェース中央部に厚みを持たせたことで、より心地良く深みのある打感に仕上がっているという

一方で、『P770』は軟鉄中空のアイアンで、ショットの高い再現性にこだわったモデルになっている。最大の特徴は、番手別に内部構造を細かくコントロールするヘッド設計「FLTD・CGデザイン」を採用したことだ。これにより番手ごとに求められる打ち出し角、スピン量を徹底追求。さらにフェースの厚みを最適化した「クロモリ鋼L型フォージドフェース」を採用することで、オフセンターヒット時における弾道のバラツキを低減し、安定してグリーンを捉えられるアイアンに仕上がっている。

マッスルバックアイアンのようなシンプルなデザインの中に最先端のテクノロジーが凝縮された『P770』。やさしさによるショットの再現性の高さと適度な操作性を合わせ持つ高機能なアイアンとなっている

マッスルバックアイアンのようなシンプルなデザインの中に最先端のテクノロジーが凝縮された『P770』。やさしさによるショットの再現性の高さと適度な操作性を合わせ持つ高機能なアイアンとなっている

テーラーメイドのクラブ開発に長年携わってきた柴崎高賜氏は、2つの新モデルアイアンについて、“フィーリング性能と安定した飛びにとことんこだわっている”と話す。

「新しいアイアンを開発するにあたって、打感や打音を徹底的に改良しました。インパクト時に打点がズレることでヘッドにどんな振動が起こり、どんな変形が起こるのか解析し、それを防ぐようにヘッド内部の構造を工夫したのです。芯を外しても音が均一になるよう設計していますので、気持ち良く振り抜きながら、結果も出るアイアンに仕上がっています」

テーラーメイド ゴルフのハードグッズプロダクトシニアマネージャーの柴崎高賜氏

テーラーメイド ゴルフのハードグッズプロダクトシニアマネージャーの柴崎高賜氏

「アイアンでは番手ごとに求められる性能が変わります。下の番手では距離を細かく打ち分けるような操作性が求められますし、上の番手ではミスヒットでも距離が落ちにくい寛容性が必要となります。そのため、上の番手をやさしいモデルに置き換える“コンボセット”が近年のトレンドにもなっているわけです。今回の2つの新モデルアイアンは、内部構造で番手ごとの性能を高めていますし、ヘッドシェイプやフィーリング面においてもコンボセットを作りやすいようデザインも含め、細かな調整を行っています。契約プロの多くもコンボセットを採用していますし、テーラーメイドでは1本からクラブをカスタムオーダーできるようになっていますので、ぜひ試していただきたいです」

下の番手を操作性が高い『P7CB』、上の番手を寛容性の高い『P770』というコンボセットがおすすめだ

下の番手を操作性が高い『P7CB』、上の番手を寛容性の高い『P770』というコンボセットがおすすめだ

石坂友宏「トップラインがやさしくなった『P7CB』の顔がすごくドンピシャ!」

では、2つの新モデルアイアンを契約プロはどのように評価しているのか。プロ入り後から2年連続でシード権を保持している石坂友宏は、すでに『P7CB』を実戦投入するなど、その性能に惚れ込んでいるという。

いしざか・ともひろ。1999年生まれ、神奈川県出身。精度の高いショットと卓越したショートゲームを武器に2年連続でシード権を保持する実力者。初優勝に最も近い若手選手の1人

いしざか・ともひろ。1999年生まれ、神奈川県出身。精度の高いショットと卓越したショートゲームを武器に2年連続でシード権を保持する実力者。初優勝に最も近い若手選手の1人

「『P7CB』の6番からPWまでをバッグインして、ツアーを戦っています。前に使っていたモデルも気に入っていましたが、『P7CB』はP7MCよりもトップラインが少し厚くなりやさしく感じますし、ネックもストレートで好みの顔にドンピシャでした。すごく構えやすい顔で安心感もあったので、即投入を決めることができました。打ったときの打感も最高ですし、何よりスピンが効いてくれることも嬉しいポイントですね。ボクはアイアンのロフトを標準よりも少し立てて使っていますが、『P7CB』は打ち出し角がしっかり出て、スピンも効くので、ピン位置に関係なく狙うことができています」

『P7CB』の顔。ツアープロからのフィードバックを元にデザインされた形状で、シャープな中にも構えたときに安心感のある顔になっている

『P7CB』の顔。ツアープロからのフィードバックを元にデザインされた形状で、シャープな中にも構えたときに安心感のある顔になっている

「上から打ち込むことも、払い打つこともできる」と石坂。どんな打ち方でも適正な打ち出し角、スピン量のボールが打てる寛容性も『P7CB』の魅力だ

「上から打ち込むことも、払い打つこともできる」と石坂。どんな打ち方でも適正な打ち出し角、スピン量のボールが打てる寛容性も『P7CB』の魅力だ

「今回のテストでは新しい『P770』も打ってみましたが、よりやさしく距離が出せる素晴らしいヘッドで、間違いなく武器になるクラブだと感じました。ソールの抜けが抜群にいいし、打音も静かで心地良くなっています。コントロールしている感じがあるのに、距離も出ていることには驚きました。今は前作の『P770』の4番と5番を入れていますが、すぐに替えられそうですし、ここまで楽だともっと番手を増やしてもいいのではないかと感じています」

『P7CB』の顔や性能が“ドンピシャ”と絶賛する石坂だが、『P770』のやさしさ、安定感にも魅力を感じていた
4番、5番だけでなく、下の番手も新しい『P770』をセットに組み込んで使用する可能性も十分にありそうだ
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『P7CB』の顔や性能が“ドンピシャ”と絶賛する石坂だが、『P770』のやさしさ、安定感にも魅力を感じていた

新村駿「頑張らなくても助けてくれる。アイアンの新しい選択肢が増えた」

国内男子ツアー屈指の飛ばし屋でシード権獲得、そして初優勝を目指している新村駿は、『P7CB』と『P770』のロングアイアンに大きな魅力を感じているという。

にいむら・しゅん。2000年生まれ、長野県出身。300ヤード越えの飛距離を武器に、中島啓太、平田憲聖らと同学年で競い合い、2022年にプロ転向。これまではケガに悩まされてきたが、今季の「For The Players By The Players」で4位タイに入るなど大器の片鱗を見せている

にいむら・しゅん。2000年生まれ、長野県出身。300ヤード越えの飛距離を武器に、中島啓太、平田憲聖らと同学年で競い合い、2022年にプロ転向。これまではケガに悩まされてきたが、今季の「For The Players By The Players」で4位タイに入るなど大器の片鱗を見せている

「以前から前作の『P770』の4番をバッグに入れています。下のマッスルバックのアイアンと上の3番UTで距離差が開き過ぎるので、そこを埋める良い役割を果たしてくれています。今回新しい『P770』を試しましたが、中空構造らしい球の上がりやすさ、飛びの強さがありました。このアイアンの良さは打点でスピン量や距離をコントロールできることだと考えています。マッスルバックで芯を外すと極端に距離が落ちますが、このアイアンはカットめに打ってスピンをかけて止めたり、逆に上めに当てて棒球で飛ばしたりすることができます。1本でたくさんの役割を担ってくれますので、コースの攻め方がすごく楽になるんです」

中空構造のメリットを生かして、弾道のコントロールをするという新村
新しい『P770』は芯を外しても初速が落ちにくい特性を生かすことで、通常のアイアンではできない球筋の打ち分けが可能になる
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中空構造のメリットを生かして、弾道のコントロールをするという新村

「『P770』も良いのですが、『P7CB』の4番にもすごく魅力を感じています。軟鉄鍛造らしい心地良い音で、打感も厚みが感じられて、すごくしっかりしていたからです。そして強く打ち込んでもソールの抜けが良く、全く突っかかりませんし、イメージ通りの距離、高さにボールを打ち出すことができました。通常のキャビティよりもやさしく、思い通りの飛距離が出せるという今までにないタイプのアイアンだと感じています。自分が頑張らなくても助けてくれる感覚がありました。下の番手の変更も含めて、新しい選択肢がどんどん増えているのは嬉しいですね」

「『P7CB』には抜けの良さがある」と新村。上げたいときにしっかりスピンが効くので安心して使えると、その性能を絶賛している
新村が抜けの良さを絶賛する新アイアンのソール。『P・7CB』(写真左)は適度にバンス角を付けることで地面に刺さりにくく、『P770』(写真右)は地面を滑るようにスムーズに抜けてくれる
ロングアイアンでも状況によって球筋を打ち分ける新村にとって『P・7CB』の性能バランスの良さは大きな魅力のようだ
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「『P7CB』には抜けの良さがある」と新村。上げたいときにしっかりスピンが効くので安心して使えると、その性能を絶賛している

アイアンに求める性能は、ゴルファーによって大きく変わる。楽に真っすぐ飛ばせることを求める人もいれば、感覚を生かして自在にコントロールしたい人もいるし、両方の要素をバランス良く兼ね備えたモデルを求める人もいるだろう。新たにテーラーメイドのアイアンに加わった『P7CB』と『P770』は、そんなゴルファーの欲張りなニーズに応えるための有力な選択肢になることは間違いなさそうだ。

ボールではアライメントが取りやすい「STRIPE」デザインを『TP5』シリーズに採用

『TP5』シリーズでは専用のホワイトカラーの「NEW360°クリアパスアライメント™」デザインを採用している。写真はTP5 STRIPE。
ボール1周囲むようにデザインされた「NEW360°クリアパスアライメント™」。ターゲットへの構えやすさが向上し、ボールのコロがりもチェックしやすくなる
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『TP5』シリーズでは専用のホワイトカラーの「NEW360°クリアパスアライメント™」デザインを採用している。写真はTP5 STRIPE。

ゴルファーニーズに応えるため、ラインナップの拡充を続けているテーラーメイドは、ボールにも新たな選択肢を追加した。アライメントの取りやすさに定評のあるストライプデザインの「NEW360°クリアパスアライメント™」を、次世代のツアーボール『TP5』シリーズに採用したのだ。モデル名は『TP5 STRIPE』と『TP5x STRIPE』で、9月からの発売を予定している。

ストライプデザインの「NEW360°クリアパスアライメント™」は、構えやすさを向上させるためにテーラーメイドが独自に開発したビジュアルテクノロジーだ。パッティング時に特に有効なデザインとなっており、ボールを360度グルリと囲むように付けられた太い帯によって、ターゲットへの構えやすさが劇的に向上。ストローク時には帯の左右に付けられた2本の点線がラインとして浮かび上がり、ボールのコロがりをチェックすることも可能となっている。

尚、今回新たに登場する『TP5 STRIPE』と『TP5x STRIPE』には、『ツアーレスポンス』シリーズとは異なる専用のホワイトカラーの「NEW360°クリアパスアライメント™」デザインを採用。ツアーボールらしい落ち着いた雰囲気の中で、「STRIPE」デザインの機能性を享受することができる。



取材協力/THE CLUB

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