注目の新ブランド『LIN-Q』は“飛距離特化”のアスリートシャフトだった!?
「ATTAS(アッタス)」が人気のUSTマミヤから新しいブランドのシャフトが発売された。その名も『LIN-Q(リンク)』。アメリカで生まれ、PGAツアーの選手たちに向けて開発されてきたアスリートブランドの最新作とは、どんな性能に仕上がっているのか。今回は最新ギアに精通する“令和の試打職人”石井良介プロに、『LIN-Q BLUE EX(リンク ブルーEX)』のフィーリングや性能について解説してもらった。 撮影・文/田辺直喜
配信日時:2023年10月26日 06時27分
アメリカで生まれ育ったブランドの最新作が日本でも発売
USTマミヤは10月6日(金)、新たなブランド「LIN-Q(リンク)」シリーズから、最新モデル『LIN-Q BLUE EX』を発売した。
「LIN-Q」は、米国男子ツアーの選手に向けて開発されたアメリカ生まれのブランドだ。2019年に供給をスタートしてから年々使用者を増やしており、今年リッキー・ファウラーがFWで「LIN-Q」シリーズのシャフトを装着して復活優勝を果たしている。世界中の最新ギアが集まる米国男子ツアーにおいて今、最も注目されているブランドの一つだと言えるだろう。
そんな米国で人気を博しているブランドが、ついに日本市場でも発売となったわけだ。近年、海外で生まれたブランドのシャフトが日本に“逆輸入”されて大ヒットとなるケースも増えているだけに、同じ流れで日本に入ってきた『LIN-Q』が気になっているゴルファーも多いだろう。そこで今回は登録者数11.8万人を超える人気YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」でお馴染みの“令和の試打職人”石井良介プロに、『LIN-Q』の性能について、試打をまじえながら解説してもらった。
思い切り叩けて、ダウンスイングのスピード感もある
まずは、『LIN-Q』の“6X”が装着されたドライバーを石井プロに試打してもらった。
「切り返しでは手元の軟らかさが感じられ、しっかりタメを作ることができます。面白いのは、そこから粘るのではなく、ビュン!と強烈にシャフトがしなり戻って、ヘッドが走ることです。そして、ダウンスイングのスピード感があるのに、左に曲がるミスが出ないことも特徴的ですね。ヘッドが走るのに引っかけが怖くない不思議な振り心地でした」(石井プロ)
『LIN-QブルーEX』には、高性能な素材がふんだんに使用されている。高強度・高弾性かつ超低重量な「トレカ®T1100G」をシャフト全長に採用し、先端には「トレカ®M40X」を使うことで押し感の強いインパクトを実現。さらにUSTマミヤが独自の配合で作り上げた「Q・Ply Core」を用いることで、シャフトが“つぶれずにしなる“ので、スピーディにヘッドが戻るようになっている。
「シャフト全体に高弾性シートを使ったりと、素材にこだわっていることが、『LIN-Q』の鋭く振り切れるフィーリングにつながっているのは間違いないでしょう。ダウンスイングのスピード感、ビュンとヘッドが走る感じは、高性能な素材を使わなければ実現できないフィーリングです。その上でトルクをしっかり抑えているので、ヘッドスピードの速いゴルファーが叩いても打点がブレにくいし、自分の意図した通りの弾道で飛ばすことができるのです」(石井プロ)
『LIN-Q』のスピードはFWとの相性も抜群!
今回の試打ではドライバーだけでなく、FWでのテストも行った。ドライバーより重量を上げ、『LIN-Q』の“7X”を装着したロフト15度の3Wを石井プロに打ってもらった。
「『LIN-Q』の鋭いしなり戻りは、FWとの相性も抜群にいいですね。地べたにあるボールを打つFWでは安定した挙動で叩けることだけでなく、ヘッドの走り、スピード感があった方が、入射角が安定しやすくなります。ヘッドスピードの速いゴルファーだけでなく、FWに苦手意識を持つゴルファーにもすごくおすすめなんです。シャフト挙動が安定して叩ける上に、ボールも拾いやすいから米国男子ツアーでFWに採用する選手が多いのではないでしょうか」(石井プロ)
「振り心地と弾道が“リンクする”性能は、FWでもしっかり体感できました。ヘッドが自分の動いてほしいところにありますし、フェース向きも感じやすいから思うように弾道をコントロールできます。フックをかけて飛ばそうと思えば、強いボールでランが出ますし、フェードで止まる球を打つこともできました。シャフトの挙動が安定しながら、ボールを拾ってくれる安心感もあることで、FWがすごくやさしくなりますね。これはコースで心強い武器になりますよ」(石井プロ)
真剣にゴルフに取り組む人にとってはこの上ない武器になる
思い切り叩ける剛性の強さ、強烈なしなり戻りによるスピード感、意図した通りに弾道を操れるコントロール性能など、さまざまな特性を備えていることが分かった『LIN-Q』。では、どんなゴルファーに合うのだろうか?
「真剣にゴルフに取り組んでいる人にぜひ使ってほしいですね。例えば、競技に出た際に信頼できないクラブを使っていると、緊張からヘッドの動きが感じにくくなることが多いです。そういった緊張する場面でも変なエラーを出すことなく、自分が思ったところにクラブが戻ってくれる『LIN-Q』のようなシャフトは大きな助けになるはずです。スコアにこだわるなら使わない手はないですね」(石井プロ)
加えて、石井プロはパワーの有無に関係なく、『LIN-Q』の性能は体感できると話す。
「アメリカで生まれ育ったブランドと聞くと、カチカチでパワーがないと打てないという先入観を持つ人がいるかもしれません。しかし、今回の『LIN-Q』は全く違っていて、思い切り叩ける剛性の強さだけでなく、シャフトが強烈にしなり戻るスピード感も備わっています。方向安定性の高さがありつつ、飛距離性能にも特化した今までになかったタイプのシャフトだと言えますね。スペック的にも50グラム台のRまで用意されていますから、この思い通りに弾道をコントロールできる性能がハマる人は、意外に多いと思いますよ」(石井プロ)
ロングショットの不安を解消したいゴルファーにとって、全く新しいタイプの性能を持った『LIN-Q』は大きな選択肢の一つになりそうだ。